(1)「旅の動機・往路」=南九州は、何十年か前は新婚旅行のメッカだったそうだ。その後は海外に出かける日本人が増えていたが、それが最近また脚光を浴びているらしい。2011年3月の九州新幹線が鹿児島まで全線開通したことが、火付け役だろう。特に京阪神からの人気は上々で、「桜弁当」などの車内販売も飛ぶような売れ行きらしい。
ということで、いつもは車での長駆ドライブであるのが、今回は新幹線を利用して南九州に行くということになった。トンネルが多く、海はほとんど見えない。わずか2時間で博多に、それから1時間半ほどで鹿児島中央駅に到着した。
快適ではあるが、ゆっくりとくつろげる風情がなくてちょっともの足りない、矛盾した思いがないでもなかった。ホームから降りて、早速レンタカーで向かった。マークX2,500ccであった。先に霧島を訪れた後、大隅半島側から錦江湾を眺めながら、桜島でフェリーに乗り対岸の鹿児島市街に渡った。噴煙上げる桜島をすぐ間近からに眺められ、なかなかのコースである。
(2)「温泉地の紹介・泉質」=城山温泉は、鹿児島市中央部・鶴丸城跡の城山公園に佇む近代的ホテル内にある温泉である。非常に便利な立地で、JR鹿児島中央駅から車で10分の標高108mの高台にあり、正面に噴煙たなびく桜島と錦江湾を見渡す最高の絶景が得も言われない。宿の大きな窓から見る景色は、まるで一幅の絵画であった。お茶菓子を食べ、すぐに洒落た廊下を渡って湯に向かった。
泉質は、炭酸水素塩泉53℃で、無色・無臭。大規模ホテルだから、源泉100%掛け流しとはいかないだろう。露天風呂からの海の眺めも、期待を裏切らなかった。日帰り入浴は可能で、霧島・鹿児島・指宿の宿に宿泊すれば「湯めぐりパスポート」が頂け、無料で楽しめる。ランチバイキング+入浴セットプラン\1,650〜もある(要予約)。
食事は、錦江湾で水揚げされた鮮度抜群の魚介類などが主だが、中華料理などもなかなかである。
(3)「観光」=観光スポットとしては、すぐ近くに仙巌園・薩摩義士碑・西郷隆盛銅像・城山展望台・桜島有村溶岩展望所などがある。少し南に下った高台のゴルフ場にも、開放的な石造り露天風呂に浸かったまま、錦江湾の向こうの桜島と鹿児島市街の絶景を一望できる宿泊施設がある。晴れた日は霧島連山から大隈半島まで見えるそうだ。敷地内に、ゴルフ場・テニスコート・展望公園・ビアガーデン(6−9月)があり、知覧武家屋敷・指宿にも近い。
(4)「旅の復路・印象」=九州はこれが4回目である。1回目は30数年前(1978)で、宮崎→青島→鵜戸神宮→霧島→桜島→指宿と、南九州の2県を廻った。2回目は15年前(1996)で、別府→阿蘇→熊本→吉野ヶ里→唐津→博多と、半円を描くようなコースを辿った。3回目は昨年(2010)3月で、別府→湯布院→黒川→阿蘇と、ほぼ斜めに半分横切るようなものでだった。
そして今回(2011)は、鹿児島を南北に縦断する旅だった。日本の歴史は古代史も近代も薩摩を抜きにして語れないが、さすが薩摩だという思うことが幾度かあった。 ところで、興味深い発見もあった。新幹線の車内販売係の人もホテルの従業員も、みんな目鼻立ちがくっきりとしていて、目が非常に大きいのだ。いわゆる美男美女タイプの人が本州に比べて多いように感じられた。 九州は、我々日本人の原点のような所…、これからも何度訪れることだろうか。
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(鹿児島)城山温泉へのドライブ
▼ 鹿児島空港IC-九州自動車道-鹿児島北IC(中央駅の北5km)-
▼ R3を南東に15分-JR高架橋-城山公園で
鹿児島空港ICから所要40分
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▼ 鹿児島北IC-R3-照国神社前-R10を北東(桜島フェリー・日豊線鹿児島駅方面)-城山入口-西へも可。鉄道では、(九州新幹線)鹿児島中央駅-北東にタクシーまたはシャトルバス10分-城山公園、または市内観光周遊バス「シティービュー」(\180)20分。
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