知床の温泉 (北海道)   (旭川IC-比布JCT→R39)

岩尾別温泉 露天風呂

 北海道の5日目は、知床半島に向かった。この日宿泊するウトロを通り過ぎ、北の岩尾別まで行く。森の中の一軒宿の名が「ホテル地の涯て」とは、よくぞ付けたものである。宿のものとは別に、自然そのままで野趣ある露天風呂が3つある。是非とも行きたいと思っていた所だ。混浴で脱衣所さえなかったが、勇気を出しすべて浸かった。

 知床の温泉は、北海道の最東部の、流氷で有名なオホーツク海に70kmほど細長く突き出した知床半島に点在する温泉である。知床岳・硫黄山・羅臼岳などの火山からなる山脈は、大自然で覆われて日本最後の秘境と言われ、エゾシカ・ヒグマなど多くの野生動物も生息していて、「世界遺産」にも登録されることになった。
 断崖絶壁の続く海岸も素晴らしく、熊の湯・カムイワッカの湯の滝を初め数多くの秘湯があることでもよく知られる。旅館はあるにはあるが、ウトロの比ではない。日帰り入浴はいずれもOKである。

 泉質は、食塩泉・含食塩硫黄泉・含食塩重曹泉・単純硫黄泉など37-60℃位。無色か白濁色で、無臭の所もあれば硫黄臭がする所もあり、一般的適応症・美肌・皮膚病・疲労回復などに効能がある。


 夕方まだ明るいうちに、海沿いのホテルに着いた。展望風呂から見えるオホーツク海・オロンコ岩・港の眺めは、ウトロで一番だろうか。高台に建つ他のホテルが幾つか見えた。食事も、さすがに北海道であり、美味い。
 翌日は、半島東側の羅臼・セセキなどに行った。途中、知床峠から北方領土である国後島を眺めた時、目と鼻の先ほどにあり、こんなにも近いのかと驚いた。しばらくして、帰らねばと、女満別空港を目指して、国道を急いだ。

知床の温泉へのドライブ
▼ 関西空港-(空路2時間半)-女満別空港-(レンタカー)-地方道-
▼ R334-小清水-斜里-海沿い-ウトロ-羅臼・岩尾別などで
女満別空港より所要3時間(千歳からは9時間)
▼ 前日の阿寒湖からは弟子屈-小清水-で4時間、ウトロから知床峠-羅臼は1時間、札幌からは道央道-旭川-網走-で8時間(450km)、札幌-帯広-釧路-標津-羅臼では540km。釧路空港からはR391-小清水-で4時間、中標津空港からは標津-羅臼で1時間半。鉄道ではJR知床斜里駅-バス2時間、釧路駅-バス3時間半。
温泉施設 相泊温泉 セセキ温泉 羅臼温泉熊の湯 カムイワッカ湯の滝 岩尾別温泉露天風呂 岩尾別温泉ホテル地の涯
相泊温泉
【所在】 羅臼町相泊
【電話】 0153-87-2111
【時間】 0:00-24:00。無休。
【料金】 【入浴】\無料。【宿泊】なし。
【泉質】 食塩泉。湯は無色・かなり熱め。底の小石の間から湯が湧出し、泡が浮いてくることもある。
【施設】 日本の最北東端に位置し、羅臼より地方道を北に25km行った終点の最果ての地の海岸にある秘湯で、これより先の知床半島先端は船でしか行けない所にある。砂利の海岸を掘って木の枠をはめただけの開放的な露天風呂が男女別にある。昆布干しの漁師が仕事の疲れを癒すために作ったらしい。国後島や海の眺めは良い。しかし、簡素な青いシート屋根とベニヤ板の壁があるだけで、脱衣は湯船脇でし、衣類は湯船奥の棚に置くことになる。「セセキ」も「相泊」も雄大な海の前にあり素晴らしいが、入浴は勇気がいる。P:道路脇の駐車場。TEL:町役場。
【評価】 ★★★☆☆
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イメージ(羅臼の北の海)
セセキ温泉
【所在】 羅臼町瀬石
【電話】 0153-87-2111
【時間】 0:00-24:00。満潮時は不可。
【料金】 【入浴】\無料。【宿泊】なし。
【泉質】 食塩泉。湯は無色・温め・岩海苔が浮く。
【施設】 知床の最も北東にある相泊温泉の2kmほど手前に位置する、湯が湧く海岸波際の岩礁が湯船という、自然なままの非常に野趣豊かな海と一体の海中露天岩風呂。TV「北の国から」で紹介されて有名になった。脱衣場なし。北方領土の国後島をはじめ、海の眺望が抜群。満潮時は没し入浴不可。また冬も寒さのため利用不能。個人の所有らしい(要問い合わせ・要清掃協力金)。P:道路脇の駐車場。TEL:町役場。アクセスは、(ウトロ-知床峠-)羅臼より-地方道を北で23km(バス35分-下車徒歩5分)。
【評価】 ★★★★☆
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イメージ(知床横断道路より見える国後島)
羅臼温泉 熊の湯

羅臼岳
【所在】 羅臼町湯ノ沢町
【電話】 0153-87-2111
【時間】 0:00-24:00。通年。
【料金】 【入浴】\無料。【宿泊】なし。
【泉質】 食塩高温泉。白濁色・硫黄臭が最高。かなり熱めの湯。
【施設】 斜里のウトロ温泉が半島西側にあるのに対し、東側にある羅臼川沿い山間の静かな温泉。3軒の宿と「熊の湯」露天があり、近くには間欠泉がある。開湯は江戸末期ないしは明治と歴史が古い。掘削によるウトロに対し、自然湧出である。ここ熊の湯は、住宅街から数km離れた所にあり、漁師の温泉として地域の人々に愛されてきた野天風呂である。夕暮れ時はたいへん賑わう。夏には旅行者も加わり、1日に1,000人入浴することもあるという。眺めの良い露天風呂と脱衣所が男女別にあり、他には何もない。P10台。国道を挟んで向かい側にキャンプ場もある。TEL:町役場。アクセスは、ウトロ-R334-知床峠すぐ、または-羅臼-ウトロ方面-知床峠の手前。
【評価】 ★★★★★(2008.08.05)
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羅臼川(露天駐車場より)

カムイワッカ湯の滝
【所在】 斜里町
【電話】 01522-3-3131
【時間】 0:00-24:00。冬不可。
【料金】 【入浴】\無料。【宿泊】なし。
【泉質】 含食塩硫黄泉37-45℃。
【施設】 知床半島西側で、ウトロや岩尾別の更に北の硫黄山北西麓にある、大自然の中の温泉。アイヌ語「魔の水」に由来する。硫黄山から湧出した熱湯が、カムイワッカ川の滝に流れ落ち、幾つかの滝壷が天然の湯船(露天風呂)になっている。滝の上に行くほど高温になる。脱衣所はなし。沢は滑り易いのでタビ等が必要。熊出没・要注意。TEL:町観光課。アクセスは、ウトロより地方道を更に北に15kmだが、知床五湖-知床大橋は通行禁止であり、夏はウトロ北の横断道路分岐点にある「知床自然センター」から出るシャトルバスで、知床五湖-砂利道-湯の滝入口(駐車)に行くことになる(但し、冬は道路閉鎖)。
【評価】 ★★★★★
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イメージ(知床横断道路付近のエゾシカ)
岩尾別温泉 露天風呂

レンタカー(マークX2500cc)
【所在】 斜里郡斜里町岩尾別温泉
【電話】 0152-24-2331
【時間】 0:00-24:00。無休・冬は不可。
【料金】 【入浴】\無料。【宿泊】 なし。
【泉質】 塩化物泉60℃。湯は自然湧出で、無色・程好い湯温。
【施設】 羅臼岳への登山道入り口に位置し、名の如く山奥の秘境の地の果てにある「ホテル地の涯」の前にある無料の露天風呂。羅臼岳の北西麓の原生林に囲まれた所にある。知床五湖は近くにある。開湯は大正時代で地元の漁師達によるという。夏は登山客や若いライダーで賑わっているようだ。湯船は、大自然に囲まれた沢沿いにある段々畑のような上中下3つの混浴の天然露天岩風呂「三段の湯」(せせらぎの音)と、その十数m奥にある小石を積み上げたような小さな露天岩風呂「滝見の湯」とがある。各々2〜4人入浴可。管理はホテルがしているそうだ。冬は道路閉鎖のために利用不可。熊出没に要注意。TEL:「ホテル地の涯」。P:ホテル駐車場の下を利用。アクセスは、ウトロ-地方道を北(知床五湖方面)3km-岩尾別川沿い林道6kmで1時間(55km)。
【評価】 ★★★★★(2008.08.05)
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岩尾別温泉 入口

上中下3段からなる天然の混浴露天岩風呂
岩尾別温泉 ホテル地の涯

【所在】 斜里郡斜里町岩尾別温泉
【電話】 0152-24-2331
【時間】 11:00-17:00。4月下旬-11月上旬。
【料金】 【入浴】\500。【宿泊】\12,750。
【泉質】 純食塩泉60℃。湯は自然湧出で、無色・無臭。リウマチ・神経痛・美容に効能。
【施設】 名の如く羅臼岳入り口の山奥の秘境の地の果てにある白い鉄筋3階建の一軒宿(41室)。「日本秘湯を守る会」会員の宿で、道路が通行止めになる冬は営業せず。洋風ガラス張りの小さな石造り内湯・鬱蒼と茂る原生林をバックとした庭園露天岩風呂3つ・丸太風呂などがある。食事は、オホーツク沿岸で水揚げされる毛ガニ・花咲ガニ・サケ・ホタテや、フキ・蕨・ウド・トウモロコシ・ジャガモなどを生かした手料理。
【評価】 ★★★★☆(2008.08.05)いかにも北の最果てにあるよう「地の涯」という名称が良い。
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「ホテル地の涯」の露天風呂
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「熊の湯」露天

▼ 女満別空港から離陸し、北海道を後にした。滞在した1週間は、あっという間の短いものだ。わずか2時間で関西空港に到着した。
リムジンバス ⇒ 関西空港 ⇒ (空路2時間半) ⇒ 女満別空港 ⇒ (レンタカー) ⇒ 地方道 ⇒ R334 ⇒ 小清水 ⇒ 斜里 ⇒ オシンコシン崎 ⇒ (知床)ウトロ ⇒ 相泊・セセキ・羅臼・カムイワッカの滝・岩尾別温泉など 

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