9月、ある日曜日、信州に出かけた。何度も行ったことがある乗鞍と白骨だ。中央道の松本からではなく、今回は東海北陸道を通り、高山から行った。4時間半ほどすると、何とも言えない硫黄の香りがしてきた。
乗鞍温泉郷は、岐阜との県境に近い長野県最西部の、上高地や白骨の南に位置する、乗鞍岳(主峰:剣ケ峰3,026m)東側中腹などから湧出する源泉を引湯する、標高1,500mの乗鞍高原にある温泉地である。100軒以上もの宿で引湯されているが、一帯からは泉質の異なる4種類の源泉が湧出する。
@乗鞍高原温泉の泉質は、乗鞍岳中腹から湧出する、乳白色の単純硫黄泉(酸性硫化水素泉)46℃,pH3.1で、湯の花が豊富で硫黄の香りがし、最も多く利用されている。A安曇乗鞍温泉は、「休暇村乗鞍高原」が掘削して湧出した、淡褐色の炭酸水素塩泉で、飲用も可である。Bすずらん温泉は、平成になって高原の鈴蘭地区から湧出した、無色の単純泉(中性低張性)38℃で、鉄分が多い。Cわさび沢温泉は、わさび沢地区だけに引湯されている、マグネシウム-カルシウム-炭酸水素塩冷鉱泉である。
温泉郷全体としては、泉温は20-46℃で、酸性・アルカリ性の両方があり、色は乳白色・茶褐色・無色などである。胃腸病・皮膚病・痛風・糖尿病・皮膚病などにも効能があり、特に白濁した濁り湯は、子宝に恵まれる湯として人気がある。日帰り入浴可の個性的な宿が多く、スキーや雪遊びなどを楽しんだ後の温泉は特に心地よい。
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観光センター付近(右は愛車プラド)
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観光としては、熊の出没騒ぎのあった乗鞍岳がまず挙げられる。しかし、高山植物をはじめ貴重な動植物の宝庫であり、国立公園の特別保養地域に指定されている。乗鞍スカイラインも、1995年頃から自家用車乗り入れ禁止となったが、頂上直下海抜2,702mの畳平までの旅は、シャトルバスで楽しめる。穂高連峰をはじめとする北アルプスの展望が眺められ、特に秋は紅葉が美しい。
白骨でも、白濁湯を2つ楽しんだ。帰途の高速は、意外とスムースである。途中サービス・エリアで食事をする。夜も遅いのに、まるでお祭りのように人が多い。戻ったのは10時頃であったか。
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乗鞍温泉郷へのドライブ
▼ 名神高速-一宮JCT-東海北陸道-飛騨清見IC-中部縦貫道-
▼ 高山IC-R158を東-平湯-安房トンネル-沢渡-前川渡大橋-西で
飛騨清見ICより所要80分(京阪神より5時間)
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▼ (中央道)松本ICからでは、R158(高山方面)-新島々-奈川渡ダム-前川渡大橋-県道で60分。鉄道では、JR松本駅-新島々駅-バス50分-バス停「観光センター前」・「乗鞍高原スキー場」下車。
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