湯の峰温泉 (和歌山県)   (柏原IC→五条→R168)or(南紀田辺IC→R311)

清流沿いの小さな温泉地(右手が公衆浴場)

 今日で何回目だろうか、吉野の山越えで熊野や南紀に行くのは。クネクネとカーブが急な狭い山道だが、10回は下らない。海沿いの国道や高速も確かに楽だが、単調で風情がない。この幾山河かを抜けて行くのは意外と早く、途中に湯泉地・十津川・上湯など、泉質の良い野趣ある温泉も点在しているのだ。自然が美味しい。
 五条から十津川を過ぎ南下を続ける。 本宮から国道を数分ほどの所で、西に曲がり山道をしばらく行くと、小さな温泉街が開けている。絵に描いたような所だ。

 湯の峰温泉は、和歌山県南東部に位置する、1850年前に発見されたという日本最古の本宮温泉郷の一つで、山中の川沿いの秘境にある十数軒からなる小さな温泉街である。世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」の中心にあり、狸も猿もいる所だ。
 古くは、平安時代にブームとなった本宮大社への熊野詣での前、参詣者が身を清める湯治場(湯垢離場=ユゴリバ)として栄え、後には毒を盛られ重病になった小栗判官が入浴した途端に全快したとの言い伝えもある。

 泉質は、含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩-塩化物泉(含硫黄重曹泉)92℃,pH7.6位、無色で、快い硫黄臭・ツルツル感がある。但し、湯の色は紺青色〜青灰濁色〜乳白色と1日に7回変化するという。糖尿・高血圧・動脈硬化・美肌・不眠症にも、飲用では胃腸病・婦人病にも効能がある。日帰り入浴はどの宿でも可だ。


源泉が湧く「湯筒」

 身体に効く湯に、のんびりと浸かっていると、「湯垢離場」以来の永い時の流れを感じる。清流沿いに源泉が湧く「湯筒」があり、白い蒸気が出ている。何人かが卵を蒸して食べているのが微笑ましい。


 周辺には、歴史ある熊野本宮大社・熊野古道があり、川遊び・海釣り・熊野川舟下り(\3,900)・瀞峡ウォータージェット船(\3,340)なども楽しめる。
 瀞峡とは、和歌山・奈良・三重の3県が接する県境にある、熊野川に合流する北山川の大渓谷のことで、「瀞八丁」とも呼ばれる。太古より巨大な滝が少しずつ岩をえぐり滝壷を後退させていく侵食によって形成された、下瀞1.2km・上瀞2km・奥瀞28kmの延長31kmの間のことを言う。船は、本宮からR168を南に車で20分下った志古乗船場から上瀞まで、8:30より1時間毎に運航しており、乗りたいものだ。


 湯の峰温泉の南東2〜3kmには、有名な渡瀬温泉・川湯温泉もある。日帰りなのでまた次回寄ることにしよう。

湯の峰温泉へのドライブ
▼ 近畿道-松原JCT-西名阪道-柏原IC-R165バイパス-御所-R24-
▼ 五条-R168-西吉野-温泉地-十津川-本宮-右折、西に10分で
大阪より所要4時間(五条より2時間半)
▼ 近畿道-阪和道(2時間)-紀伊田辺IC-R311(1時間)-本宮では3時間。また中央環状線-美原北-R309-富田林-R24-五条-R168-十津川-本宮では4時間半。鉄道では、近鉄八木駅から南にバス4時間半、JR新宮駅からは北にバス1時間、JR紀伊田辺駅からは北東にバスで1時間半。
温泉施設 湯の峰温泉 公衆浴場 (公衆浴場)壺湯 旅館あづまや 湯の峯荘
湯の峰温泉 公衆浴場

清流沿いにある公衆浴場
【所在】 田辺市本宮町湯の峰110
【電話】 0735-42-0074
【時間】 6:00-22:00。無休。
【料金】 【入浴】\250。薬湯は\380別途必要。\750で薬湯も壺湯もすべて入浴可。【宿泊】なし。
【泉質】 含重曹食塩硫黄泉(含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩-塩化物泉)(弱アルカリ性低張性高温泉)89℃,pH7.3。湯は、湧出87g/分(掘削自噴)、無色(1日7色変化)で、硫黄臭あり。
【施設】 温泉街中心部の源泉が湧く「湯筒」の東、日本最古の共同浴場。道や川を挟み「あづまや」の向かいにある。木造浴室内に冷ました源泉湯(100%)の湯船・檜風呂あり。サウナ・露天なし。人気の「壺湯」は別料金である。源泉(湯筒)で茹でる卵も販売している。温泉スタンド(\100/10g)あり。P100台(温泉街入口)。
【評価】 ★★★☆☆(2003.11)風情ある温泉地にあり、「本当の温泉」という感じがする。
(公衆浴場)壺湯
【所在】 田辺市本宮町湯の峰110(公衆浴場)
【電話】 0735-42-0074
【時間】 6:00-21:30。無休。
【料金】 【入浴】\750。公衆浴場の入浴料も含む。【宿泊】なし。
【泉質】 含硫黄重曹泉92℃。無色だが、紺青色〜青灰濁色〜乳白色と1日に7回変化するという。硫黄臭・ツルツル感あり。
【施設】 公衆浴場受付の横の川岸にある小さな茅葺小屋内の、2人がやっと入れる非常に小さな貸切岩風呂(混浴)。サウナ・露天はなし。人気が高く、番号札を受け取り、順番を待つ(休日は2時間待ち)。岩間より熱い湯が湧き出る。夫婦で入ると子宝に恵まれるとの言い伝えもある。P100台。
【評価】 ★★★★☆(2003.11)有名であり、一度は入浴しておく価値がある。
旅館 あづまや

湯が青色の「あづまや」内湯
【所在】 田辺市本宮町湯の峰122
【電話】 0735-42-0012
【時間】 13:00-15:00。月2回休業日があるらしい。
【料金】 【入浴】\700。日帰り昼食プランはなし。【宿泊】\16,000-。一人での宿泊は+\3,000。食事は、源泉を使った温泉会席料理などが有名。
【泉質】 含硫黄重曹泉(重曹硫化水素泉)92℃,pH7.6。自家源泉・自噴・湧出量98g/分・掛け流し。気温や光の加減により、青味を帯びたり紺青色や薄灰色など7色に変化するようだ。硫黄臭も快い。効能は、皮膚病・糖尿病・高血圧・動脈硬化など。
【施設】 創業は江戸後期で、昭和天皇ご宿泊の風格ある老舗の宿(22室)。源泉が湧く「湯筒」の前にある。歴史を感じさせる高野槙造り内湯2・非加水の冷ました源泉湯・天然蒸し風呂・庭園露天岩風呂あり。水風呂はなし。P50台。
【評価】 ★★★★☆(2003.11)効き過ぎるので長湯は避けるべし(睡魔に襲われ車の運転が危険)。露天からの眺望が良ければ★★★★★(最高)。
湯の峯荘

「あづまや」露天風呂
【所在】 田辺市本宮町下湯川437
【電話】 0735-42-1111
【時間】 12:00-15:00。
【料金】 【入浴】\1,000。日帰り昼食入浴セットプラン\3,150あり。【宿泊】\10,000-。食事は温泉料理(豆腐・卵・粥など)が楽しめる。
【泉質】 含硫黄重曹泉91℃。源泉そのままの「ほんまもん」の湯(非加温・非循環・掛け流し)に人気があり、リピーターが多いそうだ。湯は無色(微濁)、快い硫黄臭・沢山の白い湯の花あり。
【施設】 四村小学校のすぐ北東の、湯の峯温泉の入口にある、やや古い建物の老舗(25室)。ガラス張り石造り内湯2・湯の峯で最も大きな屋根付き露天岩風呂(山々の眺め◎)・貸切風呂2あり。P20台。
【評価】 ★★★★☆(2007.3)3度目の際に立ち寄ったが、「湯の峯」を名に冠するだけに身体に効きそうで、「あづまや」に劣らず素晴らしい。
(名神)吹田JCT ⇒ 近畿道 ⇒ 松原JCT ⇒ 西名阪道 ⇒ 柏原IC ⇒ R165バイパス ⇒ 御所 ⇒ R24 ⇒ 五条 ⇒ R168 ⇒ 西吉野 ⇒ 大塔 ⇒ 温泉地 ⇒ 十津川 ⇒ 本宮 ⇒ 右折、西に10分 ⇒ 本宮温泉郷(川湯・渡瀬・湯の峰)