left★原文・現代語訳★
〈授業の展開〉
【一二三四】<執筆の動機・対象・記述態度・心境>
つれづれなるままに、日暮らし、硯にむかひて、
=(特に)することがなく手持ち無沙汰なのに任せて、
一日中、硯に向かって、
心にうつりゆくよしなしごとを、
=心に(次々と)浮かんでは 消えて(移って)いく
たわいもない(つまらない)ことを、
そこはかとなく書きつくれば、
=とりとめもなく(何となく)書きつけていると、
あやしうこそものぐるほしけれ。
=不思議なほど(妙にor変に)(思わず色々な思い・
興が湧いてきてor様々な事が見えてきて)
もの狂おしい(何かに憑かれて気違いじみたような)
気持ちになることだ。
▼(段落まとめ)
随筆を執筆する動機・その対象・記述態度・心境を
述べている。
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right★補足・文法★
・徒然なり=することがなくて手持ち無沙汰である
退屈である、しんみりと物思いにふける
・…ままに=…に任せて、につれて、ので、直ぐに
・(心に)うつり=「映り」+「移り」(掛詞的?)
・よしなしごと=つまらない/ たわいもないこと
→由無し=理由/ 方法/ 関係がない、つまらない
・そこはかとなく=とりとめもなく、何ということも
なく、どことはっきりせず ←「其処は彼と無く」
※不思議なほど色々な思いが湧いてきて、ただ事では
ないような感興を覚える(日本古典文学大系、注)
妙に気が変になるような感じがする(旺文社辞典)
自分ながら妙に感じられるほど、興がわいて来て、
何だかものに憑かれたやうな気さえして筆を進める
(角川日本古典文庫)
今まで解らなかった様々な事が見えて来る(?)
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