left★原文・現代語訳★  
「古文現代語訳ノート」(普通クラス)
   兼好法師「『徒然草(冒頭)
       /つれづれなるままに」


〈作品=『徒然草』〉
三大随筆の一つ
 ・清少納言『枕草子』(1001年頃→平安中期)
 ・鴨 長明『方丈記』(1210年頃→鎌倉初期)
 ・兼好法師『徒然草』(1330年頃→鎌倉末期)
鎌倉時代末期1330年頃成立
〇作者=兼好法師
〇内容
 ・処世・趣味・自然・有職故実・仏教など
  →人生経験に基づいた人間・社会に対する省察
  →『枕草子』からの影響
 ・隠者文学→(仏教的)無常観の思想
 ・240余段
〇表現→漢文訓読調・王朝的な流麗な和文

〈概要〉
『徒然草』の冒頭文である。   (→要約・要旨)

right★補足・文法★        
(随筆)2022年1月



※随筆=自己の感想・意見・見聞・体験などを
    筆に任せて自由な形式で書いた文章(随想)
    ↓↑
 評論=物事の善悪・価値・優劣などを
    批評し論じること。また、その文章

〈作者について補足〉
・伝記未詳
・歌人として活躍
 →「和歌四天王」の一人

全体の構成 【一】(起)執筆の動機 【二】(承)対象
【三】(転)記述態度 【四】(結)心境
left★原文・現代語訳★
〈授業の展開〉

【一二三四】<執筆の動機・対象・記述態度・心境>

つれづれなるままに、日暮らし、硯にむかひて、
=(特に)することがなく手持ち無沙汰なのに任せて、  一日中、硯に向かって、

心にうつりゆくよしなしごとを、
=心に(次々と)浮かんでは 消えて(移って)いく  たわいもない(つまらない)ことを、

そこはかとなく書きつくれば、
=とりとめもなく(何となく)書きつけていると、

あやしうこそものぐるほしけれ。
不思議なほど(妙にor変に)(思わず色々な思い・  興が湧いてきてor様々な事が見えてきて)
 もの狂おしい(何かに憑かれて気違いじみたような)  気持ちになることだ。

▼(段落まとめ)
随筆を執筆する動機・その対象・記述態度・心境を
述べている。

right★補足・文法★        




・徒然なり=することがなくて手持ち無沙汰である
      退屈である、しんみりと物思いにふける
・…ままに=…に任せて、につれて、ので、直ぐに


・(心に)うつり=「映り」+「移り」(掛詞的?)
・よしなしごと=つまらない/ たわいもないこと
 →由無し=理由/ 方法/ 関係がない、つまらない
・そこはかとなく=とりとめもなく、何ということも  なく、どことはっきりせず ←「其処は彼と無く

※不思議なほど色々な思いが湧いてきて、ただ事では  ないような感興を覚える(日本古典文学大系、注)
 妙に気が変になるような感じがする(旺文社辞典)
 自分ながら妙に感じられるほど、興がわいて来て、  何だかものに憑かれたやうな気さえして筆を進める               (角川日本古典文庫)
 今まで解らなかった様々な事が見えて来る(?)



left★原文・現代語訳★
〈40字要約==24字×2行〉
『徒然草』の冒頭文であり、随筆執筆の動機・対象・ 記述態度・心境を述べている。




兼好法師「徒然草」冒頭(YouTube 解説)
ヘンデル「協奏曲ト短調」
right★補足・文法★    


写真は、ネット上のものを無断で借用していることも あります。どうぞ宜しくお願い致します。
(但し、これは京都清水寺で私が撮影したものです)

貴方は人目の訪問者です