left★板書(+補足)★
「現代文授業ノート」(普通クラス)
   永田和弘『知の体力』

〈概要〉
〇学問論(勉強論)
〇本当の勉強とは、目先の目的の為にするのでなく、  遠い未来に漠然と何か役に立つ為に学んで問うもの  であり、先人に学ぶことにより人生における想定外  の問題に自分なりに考えて対処する「知の体力」を  訓練する事が重要である。   (→要約→要旨)


right★発問☆解説ノート★
(随想)2019年5月(2020年改)



※随筆=自己の感想・意見・見聞・体験などを
    筆に任せて自由な形式で書いた文章(随想)
    ↓↑
 評論=物事の善悪・価値・優劣などを
    批評し論じること。また、その文章



left★板書(+補足)★
〈全体の構成〉

【一】<目的の必要性への疑問>
               (導入…問題提起)
         (報道)(発表)
〇研究成果について プレス・リリース
    ↓(その研究が)
 <どんな役に立つのか> (と目的を質問される)
    ↓
<しかし> (直ぐにそれが何の立つのかを考える)
<思考パターンに疑問>
      ↓
     それ以上に
     効果・効用・見返りを求める考え方に疑問

▼〈段落まとめ〉
研究成果の報道発表で、それがどんな役に立つのかと 直ぐに目的を考える思考パターンには疑問を覚える

right★発問☆解説ノート★


<プレス・リリースへの質問に疑問>


・報道関係者(新聞・テレビ等)を集めて発表

一般論(常識)の提示
    ↓
 一般論の否定(筆者の主張)

・若干=いくらか・少しばかり
★それ=直ぐにそれが何の役に立つのかを考える
    思考パターン





left★板書(+補足)★
【二】<目的と対になった勉強への疑問>
         (展開@…一般論の提示と否定)
○勉強の場合も同様    (直ぐに目的を考える)
    ↓↑       (→それはより顕著)
 直ぐに勉強が何の役に立つのかと考える(一般論
      ・いい点を取るため
      ・いい大学に入るため……
      ・(逆に)しないといい大学に入れない
    ↓
 <勉強>が<目的>と対になっているため
 大学に入ると学ぶ意味を失う (勉強しない)
    ↓↑
<しかし>            (筆者の主張)
○高校卒業してからが、<本当の勉強>
         (大学に入れば終わりではない)

▼〈段落まとめ〉
勉強も直ぐに目的を考える思考パターンが顕著であり 大学入学という目的を達成すれば学ぶ意味を失う学生 が多いが、高校卒業してからこそが本当の勉強である

right★発問☆解説ノート★
<勉強は目的達成の為の手段か、との問題提起>

☆それ=直ぐにそれが何の役に立つのかを考える
    思考パターン(や、その効果・効用・見返り
    は何かと考える考え方)
・顕(あらわ)著(いちじるしい)
・端的=遠回しでなく、はっきりしている
・動機付け=行動に駆り立て目標に向かわせる心理的
      過程。意欲・刺激・モチベーション
いい大学に入るという<目的>の達成の為に
 勉強は<手段>となっていて、二つは切り離せない
 →目的を達成すれば、手段である勉強は不要
 →直ぐに目的を考える思考パターンは疑問
☆本当の勉強とは(→次の段落)
 学んで問うもの、即ち、遠い未来に漠然と何かの役  に立つ学問をすることであって、
 先人に学ぶことで想定外の問題に自分で対処できる  「知の体力」を付けることが重要である



left★板書(+補足)★
【三】<本当の勉強とは>
             (展開A…筆者の主張)
@<本当の勉強=学問とは>

〇本当の勉強とは、何かの為にするものではない学問
 △学習=具体的な何かを解決するという目先の目的
  ↓↑ の為のもの     (…受験勉強など)
 ◎学問=学んで問うもので、具体的な目標はなく、
    <遠い未来に漠然と何かの役に立つもの>

A<本当の勉強=「知の体力」を付けるとは>

〇人生は何が起こるかわからない
    ↓            (乗り越える)
 人生を生きるには、想定外の問題に自分で対処する
 <「知の体力」を付ける>(ことが必要)

▼〈段落まとめ〉
本当の勉強とは、具体的な目的の為にするのでなく、
遠い未来に漠然と何かの役に立つ(学んで問う)学問
であり、人生における想定外の問題に自分で対処して
生きるのに必要な「知の体力」
を付けることである。

right★発問☆解説ノート★
<「学問」と「知の体力」>



・学(「まねぶ」→先生の真似をする)
 習(「慣ら」+反復継続の助動詞「ふ」)
       (→馴れるように繰り返し復習する)
・漠然(バクゼン)=ぼんやりとして、はっきりしない様
ノーベル賞を受賞する研究者がまさにそうだろう。
 現在の若い科学者たちの将来はどうだろうか?



・想定外=予想した範囲を越えていること、予想外
★「知の体力」とは
 人生における想定外の問題に自分で対処して生きる
 のに必要な思考能力  (→考え方の訓練が必要)






left★板書★
【四】<先人から学ぶこと>
                    (結び)
それは…想定外の問題を乗り切る為の考え方の訓練
    ↑     (「知の体力」を付けるには)
 <先人たちがどう考えたかを学ぶ>(ことは重要)

▼〈段落まとめ〉
想定外の問題を乗り切るために必要な「知の体力」を 付けるには、先人たちがどう考えてきたかを学ぶこと が重要である

right★補足・発問★
<先人の模倣>

☆それ=「知の体力」(を付けること)
・先人=昔の人 (←人類の歴史の発展に貢献した)
☆将来の人生において想定外の問題に直面した時、同  じような時に先人たちがどう考えて(対処し)試行  錯誤を重ねたのかを学んで参考にすることは、(考  える指針を得て)その問題を乗り切るために必要な  「知の体力」を付けて、自分なりに対処するのに役  立てることができる

left★板書★
〈要約120字=24×5〉
本当の勉強とは、先人の考え方や生き方から学ぶこと
で、人生における想定外の問題にも自分で考えて対処
できる「知の体力」を付けて、目先の目的の為にする
のではなく、遠い未来に漠然と何かの役に立つ学問を
することである。           (→要旨)

×〈要約100字=24×4〉(参考資料)
「学問」とは、具体的な目標のためにする「学習」で なく、先人たちがどのように考えてきたかを学び、想 定外の問題について自分なりに対処し、未来を生き抜 くための「知の体力」をつける訓練であると言える。
right★補足・発問★
< 学習の手引き 2>(→参考資料)
勉強の目的についての一般的な考え方と筆者の考え方 (一文でまとめる)
△勉強は、目先の具体的な目的を達成するためのもの  と、一般的に考えられているが、
〇先人たちがどのように考えてきたかを学び、想定外  の問題に自分で考えて対処し、未来に生きる「知の  体力」をつける訓練、と筆者は考える。





 

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