left★板書(+補足)★
髪五尺 ときなば水に やはらかき|
少女ごころは <秘めて放たじ>
=(長い黒)髪(は)五尺(もあり、もし)ほどいた
ならば水(の中)にやはらかく(広がってゆくこと
だろう)。(でも)少女(の)心(のうちに)秘め
て(いる恋の思いは)(そう簡単に誰かに)うち明
けたりしないのだ。
〈出典〉
明治34年(1901)歌集『みだれ髪』(23歳)
〈主題〉(感動の中心・心情)
少女の<心に秘めている恋の思い>
〈鑑賞〉(感想・補足)
・王朝和歌以来の題である秘する恋と、美を象徴する
長い髪という、伝統的な素材を扱いながら、
それを近代的な自己表現(→個の自覚)へと変革
した歌
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right★発問☆解説ノート★
☆(表現)三句切れ?→序詞的修辞「少女ごころ…」
→髪が水の中にほどけるように、
少女心を解き放つことはしない
・五尺=150p (一尺=30p)
・…な(強意「ぬ」未) ・…じ(打消意思)
・…水に やはらかき→句割れ→躍動感
・少女(おとめ)→仮構された存在or作者自身の投影
・青春の美への自己賛美を通して、
近代女性の<個の自覚>を高らかに表明した歌集
・水にほどける髪のイメージが、解き放たれる瞬間の
解放感とエロティシズムを表現している。また少女
が秘めた恋を打ち明けないことにより、自分の強さ
を確認しているような所もある。ナルシシズム的な
要素が根底にうかがえる歌である。
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