left★板書(+発問)★
〈要約100字=24×4+4〉
日本のペットのグルメな食べ物を、外国人の労働者が
低賃金で立ちづめの手作業という苦労をしながら製造
していることに対して、我々はそれを想像し、背景に
経済格差や「食」の問題があることを考える力を持つ
べきだ。
〈要約250字=24×10〉
タイの猫缶製造工場で、立ちづめの手作業をしている
労働者の月給は、我が家の贅沢な猫の月の食費の三倍
にも満たない。それでもタイでは恵まれた方である。
一人の女子労働者に「外国の猫のための缶詰を作って
いる事をどう思うか」などと質問した事があったが、
彼女には自分の作った缶詰を誰が食うかを想像しない
権利がある。「猫の缶詰がどのようにしてできたもの
か想像した事があるか」と質問されなければならない
のは我々の方だ。「食」の問題や背景にある経済格差
に対し、我々は想像して考える力を持つべきである。

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right★補足(+解説)★
〈補足〉
<タイ> ←←→→ <日本>
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・貧困 | 屈辱←→見下す |・富裕、裕福
・依存 | |・傲慢
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・安い賃金 | ←経済格差→ |・贅沢、飽食
・苛酷な労働 | |・動物の餌
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〈補足〉
○一人の女子労働者との話の全体の構成における役割
・具体的記述により、日本と異なるタイ人労働者の
生活の実態を身近に考えさせる。
○「質問されるべきは私達の方だ」に対する生徒感想
・ペットの食費が、製造労働者の食費と変わらず、
その賃金の三分の一以上であり、人間と動物とが
逆転した生産・消費の構造に驚いた。
・日本の豊かな「食」のために海外の多くの人々が
苦労して働いており、贅沢な食生活を送っている
のは一部の先進国の人間だけに限られていること
が分かった。
・南北の経済格差と貧困、人間の自尊心というもの
について改めて考えた。
・人間に劣らない程の飽食や贅沢さをペットにまで
させている、現在の日本の無知・傲慢さ・歪んだ
あり方に気づかされた。
○『食と想像力』と、「力」が付いた題名について
・日本のグルメ猫と、タイ人労働者の賃金や「食」
とを比較することで、背景にある経済格差や現代
日本社会が抱える問題を想像して考える力を持つ
べきであることを述べようとした。
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