白浜温泉 (和歌山県)   (南紀田辺IC→R42)

白良浜海水浴場と「白良荘グランドホテル」

 日曜日の朝、窓のカーテンを開けると、天気が良かった。晴れた日は海が綺麗だ。紀州の海はどんな感じだろう。8時に家を出て、国道26号を南下した。

 和歌山・有田・御坊を過ぎ、昼頃には南部まで来た。梅林で有名だが、ヌルヌル感の強い重曹泉が湧く所でもある。期待した通り海岸線は美しい。高速道路なら1時間半だが、4時間以上はかかった。
 ゆっくりと景色を見ることができ風情も味わえて、なかなかのもので良しとしよう。太陽が西に傾き始め一瞬帰ろうかとも思ったが、折角だから更に足を延ばし、白浜まで行くことにした。

 白浜温泉は、和歌山県の南西に位置する近畿で最も有名な温泉で、日本三古湯(白浜・有馬・道後)の一つである。飛鳥時代も記している「記紀」「万葉」にも「牟婁の湯」「紀の湯」とあり、現在も歴史ある湯崎地区の牟婁の湯(公衆浴場)にその名をとどめている。飛鳥・奈良時代(1300年前)には斉明・天智・持統・文武帝も来訪したという。

 泉質は、食塩泉か重曹泉である。細かく言えば、含硫黄-ナトリウム-塩化物(強塩)泉・(含硫黄-)ナトリウム-炭酸水素塩-塩化物泉・含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物強塩泉・(弱アルカリ性)単純泉など41-83℃,pH6.7-8.1位で、硫黄や二酸化炭素や炭酸水素塩(重曹)を成分に含有していることもあり、中性または弱アルカリ性の高温泉、低張性もあれば高張性もあり、無色・塩味・無臭(微硫黄臭)の特徴がある。一般的適応症の他に、皮膚病・美肌・神経症・不眠症に効能がある。日帰り入浴は、食事をすればほとんどの宿で可能であり、外湯も民営を含め10ヶ所ほどある。

 近くには、白良浜海水浴場(長さ600mの白砂の海岸で、多くの文人墨客が訪れた)・千畳敷(海に面して畳を千畳敷いたような広い大岩盤)・三段壁(高さ50m幅2kmの大岩盤で、崖下には熊野水軍の船隠し場だった洞窟がある)をはじめ、円月島(東西10m南北65mの小島で、真ん中に丸い海食洞がある)・グラスボート(海底の色々な魚や海女さんを見ることができる)・アドベンチャーワールド(100種類以上の珍しい動物がいてショーも楽しめるテーマパーク、要\3,800)などがある。

 歴史が古く歌にも詠まれた程の温泉だが、「崎の湯」のある湯崎の辺りは硫黄のような臭いがして特に風情がある。また、海水浴場がある白良浜の景色の美しさも本当に素晴らしい。

 すぐ南には椿温泉もある。今度はそこにも行こうか、と思う。 

白浜温泉へのドライブ
▼ 中央環状線-美原-阪和道側道-泉大津-R26-バイパス-
▼ 和歌山-R42-有田-御坊-南部-田辺-バイパス-県道を西で
田辺より所要30分(京阪神からは所要4時間半)。

円月島

白浜の温泉街(2004.07湯崎「崎の湯」より)

「白良浜」より
▼ 高速を利用すれば、近畿道-阪和道-和歌山IC-南部IC-南紀田辺ICより-R42-県道を西に30分(松原JCTより150kmで2時間・高速料金片道\4,500位)。鉄道では、JR天王寺駅-紀勢線特急2時間(新大阪駅からは2時間半)-JR白浜駅-バス三段壁行き10分位。
温泉施設 とれとれの湯 白良荘グランドホテル 白良湯 (白良浜浴場)しらすな 牟婁の湯 ラフォーレ南紀白浜
崎の湯 ホテルシーモア 白浜温泉パーク 湯快リゾートホテル千畳 グランパス千畳の湯
とれとれの湯

【所在】 白浜町堅田2508
【電話】 0739-42-1126
【時間】 9:00-23:00。無休(不定休)。
【料金】 【入浴】\700。【宿泊】 なし。
【泉質】 含硫黄-ナトリウム-塩化物-炭酸水素塩泉(弱アルカリ性低張性高温泉))78℃,pH8.1。湯は、無色・塩味・無臭で、シットリ美肌の効能などがある。
【施設】 古賀浦にあるホテル「古賀の井」「川久」などより少し東(5分手前)の、バス停もある「とれとれ市場」に隣接して建つ西日本最大級の巨大入浴施設。JR白浜駅からは北西に5分の所にある。2009年11月リニューアル・オープンしたようだ。太平洋・古賀浦の絶景が一望できる露天風呂があり、食事も手頃な価格でバラエティーに富み充実している。洋風ガラス張り大浴場(炭酸泉=心臓の湯の石造り風呂・酵素風呂・ジェット風呂・サウナ)と、海の絶景が眺められ大型テレビも設置された開放感いっぱいの露天(温泉岩風呂・備長炭風呂・寝湯・眺望が良い薬宝玉石壺湯4)・岩盤浴(別料金\800、雪の降る部屋もある)などがある。
【評価】 ★★★★☆(2009.12)以前できた食事なし宿泊(\4,500)はないが、比べものにならないほど良くなった。
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露天風呂からの眺め(古賀浦と古賀の井・川久などのホテル)
白良荘グランドホテル

【所在】 白浜町868
【電話】 0739-43-0100
【料金】 【入浴】日帰り不可。【宿泊】\16,800-。【宿泊】\-。
【泉質】 ナトリウム-炭酸水素塩-塩化物泉(食塩泉)67℃。湯は、自噴・循環濾過で、無色・無臭。
【施設】 青い海と真っ白な白良浜の正面に立地していて、夏の海水浴には最適で人気があり、白浜を代表すると言える白亜の鉄筋6階建てホテル(100室)。創業は1929年。洋風磨りガラス張り石造り内湯(白良浜・海の眺め)・ミストサウナ・打たせ湯・木枠寝湯・1Fには和風露天風呂(立ち上がれば市街と海を一望)・2Fに洋風露天風呂(見渡す限りの水平線と白浜の街並みが、座ったままで満喫できる)・貸切(\1,050/60分)・プールがある。オーシャンビューの窓際の4人掛けソファはゆったりとしていて、紀州くえ・伊勢海老・和牛肉が付いた三船会席の食事もなかなかであった。
【評価】 ★★★★★(2009.12)温泉は風情があるわけではなく程々に良いが、とにかくホテルの外観が周囲の風景と調和していて美しく、全室オーシャンビューで眺望が抜群に素晴らしく、つい「きれい」と声に出したくなるほどである。
客室からの眺め ⇒
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浴室近くの休憩室

白良湯(公衆浴場)
【所在】 白浜町白浜3313-1
【電話】 0739-43-2614
【時間】 7:00−23:00(火曜日は12:00-)。無休。
【料金】 【入浴】\300。【宿泊】なし。
【泉質】 ナトリウム-塩化物泉59℃(分析書では、含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物強塩泉67℃,pH6.7)で、高張性中性高温泉。湯は、無色(微白濁色)・微臭。
【施設】 海水浴場で有名な白良浜にある「しらすな」より少し北にある公衆浴場。昔ながらの番台があり懐かしい銭湯風の施設。夏は海水浴客で賑わう。海浜の眺望が良いガラス張り石造り内湯がある。露天はなし。P5台。
【評価】 ★★☆☆☆(2003.12)なかなか風情があり、一度は入っておきたい所である。
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(白良浜浴場) しらすな(露天風呂)
【所在】 白浜町864
【電話】 0739-43-1126
【時間】 10:00-15:00。月曜休。7/1-9/15は無休、-19:00。
【料金】 【入浴】\100(10-4月は無料)。【宿泊】なし。
【泉質】 ナトリウム-塩化物泉75℃,pH6.6(分析書では、含硫黄-ナトリウム-塩化物泉(高張性中性高温泉))。湯は、元湯「まぶ湯」から引湯していて、無色・塩味・微硫黄臭の特徴がある。
【施設】 白良浜海水浴場の砂浜に隣接した道路沿いにある、水着を着たまま入る混浴露天風呂(要水着=バスタオル付きレンタル\300可)で、足湯用のベンチも設置していて、冬は足湯として使用する公衆浴場。一度に百人くらい入ることができる。特に海水浴シーズンは水着を着た多くの人で賑わう。
【評価】 ★★★☆☆(2009.12)真夏は若者でいっぱいである。
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牟婁の湯(公衆浴場)
【所在】 白浜町湯崎1665
【電話】 0739-43-0686
【時間】 7:00−23:00、木曜12:00-。
【料金】 【入浴】\300。【宿泊】なし。
【泉質】 ナトリウム-塩化物泉75℃・ナトリウム-塩化物-炭酸水素塩泉83℃(分析書では、ナトリウム-塩化物泉(高張性中性高温泉)86,pH7.4)。「まぶ湯」「行幸湯」と2種類の源泉が楽しめる。湯は、無色(微白濁色)・硫黄臭・源泉100%。
【施設】 宿が建ち並ぶ「湯崎」温泉街の2つの道路の間にある、建物が趣あり非常に素晴らしい公衆浴場。「崎の湯」と並ぶ白浜の代表的な外湯である。「日本書記」「万葉集」にも登場し、斉明・天智・持統・文武天皇や多くの宮人が入湯したという、1350年の歴史ある源泉。ガラス張り石造り内湯が2つある。露天はなし。P5台(少し離れた砂浜沿いやその向かいに数十台分の無料Pがある)。
【評価】 ★★★☆☆(2003.12)硫黄成分も含まれていたはずだが?
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ラフォーレ南紀白浜

【所在】 白浜町2428
【電話】 0739-43-8000
【時間】 12:00-21:00。
【料金】 【入浴】\1,000。昼食セットプラン\3,300(11:30-13:00)もある。【宿泊】\12,100-。
【泉質】 含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩-塩化物泉(純重曹泉)(緩和性低張性高温泉)41℃,pH8.2。主成分はナトリウム・ヒドロ炭酸・クロールイオン。湯は、無色・弱塩味。一般的適応症・疲労回復・火傷・切り傷・不眠症・神経症に効能がある。
【施設】 湯崎の牟婁湯(公衆浴場)より陸側に少し上がった所にあり、眺望が良い近代的な宿(180室)。最上階に、海と街の大パノラマが一望できる洋風石造り展望大浴場・洋風石造り露天風呂・家族風呂5がある。P100台。
【評価】 ★★★☆☆(2003.09)食事は美味で、露天からの眺めも良い。
白浜の街(浴室より望む) ⇒
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最上階の露天風呂

崎の湯(公衆浴場)

「崎の湯」の入口
【所在】 白浜町湯崎1688
【電話】 0739-42-3016
【時間】 8:00-17:00。7・8月は7:00-19:00。水曜休。
【料金】 【入浴】\300(数年前までは無料)。【宿泊】なし。
【泉質】 ナトリウム-塩化物-炭酸水素塩泉(含重曹-食塩泉)(弱アルカリ性等張性高温泉)83℃,pH7.6。他にも、カリウム・マグネシウム・カルシウム・硫酸イオンの成分を含有。湯は、もちろん源泉掛け流し、無色(微濁色)で塩味・微硫黄臭がする。また湯船が白く析出しているので、少し白濁した色に見える。一般的適応症・疲労回復・創傷・火傷・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病などに効能がある。
【施設】 JR白浜駅より車15分の、「白浜」発祥の地である「湯崎」の波打ち際にある、太平洋に面した最高の公衆浴場露天風呂。千数百年も昔の万葉の頃からある「湯崎七湯」の中で一つだけ残っている湯壺である。太平洋の荒波が豪快に目の前に迫る波打ち際に、眺望が抜群に素晴らしく開放的でワイルドな、自然の岩をそのまま利用したような露天岩風呂が2つある。P10台(少し離れた砂浜沿いやその向かいに数十台分の無料Pあり)。
【評価】 ★★★★★(2004.07)誰もが認める白浜ナンバー1の露天風呂。是非とも一度は行っておきたい秘湯(?)であろう。「ホテルシーモア」のすぐ海側にあり、入浴姿は丸見えである。食事は近くに美味しい所が幾つかある。
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海に突き出た露天風呂

入口近くの露天風呂
梅樽温泉ホテルシーモア
【所在】 西牟婁郡白浜町1821
【電話】 0739-43-1000
【時間】 11:00-15:00。平日のみ。
【料金】 【入浴】\5,000(要食事)。【宿泊】\16,800-。
【泉質】 ナトリウム-塩化物-炭酸水素塩高温泉。自家源泉・全浴槽掛け流し(加水)。無色(黒い湯の花)・微硫黄臭。一般的適応症・疲労回復・皮膚病などに効能。
【施設】 海沿い「湯崎」の公衆露天風呂「崎の湯」のすぐ上にあり硫黄臭が漂い、人気が高く白浜を代表する白亜の近代的ホテル(166室)。創業1967年。壮大な太平洋を一望できるガラス張り洋風大浴場・岩風呂・サウナ・紀州名物梅樽露天風呂(立てば外から丸見えで、「崎の湯」も丸見えに見える)。海上プールあり。P50台。食事は、バイキング・釜飯・鯛など。昼食入浴セット(\5,000-・海山の幸会席)は、3日前までに要予約、但し海が見えない個室で閉塞感がある。南東の高台にある白浜温泉パーク(\1,000)も入浴可。
【評価】 ★★★★★(2007.03)白浜を代表するのは、美しい白良浜にある「白良荘」と、「崎の湯」に隣接し眺望抜群のこの「シーモア」だろう。
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白浜温泉パーク 草原の湯

【所在】 白浜町2927-553
【電話】 0739-82-2615
【時間】 9:00−22:00。無休。
【料金】 【入浴】\1,000。【宿泊】併設宿で可。
【泉質】 含重曹食塩泉(ナトリウム-塩化物-炭酸水素塩泉)。湯量豊富・掛け流し放流(但し、加水・加温・循環)。湯は、無色(微青色)・無臭・微スベスベ感の特徴。
【施設】 「千畳敷」とは国道を挟んで反対の山側の斜面にある、海を眺望できる緑に囲まれた元祖梅樽温泉の入浴施設。白浜屈指の敷地面積を誇り、海を一望できるオーシャンビュー露天風呂もある。併設ホテル「天山閣」が隣接しており、「ホテル・シーモア」も同系列であるようだ。高台にある有馬皇子風呂(岩窟岩風呂)・安珍清姫風呂(岩が人面に見える女性内風呂)・海の絶景が眺望できる最高の露天樽風呂3・「草原の湯」露天岩風呂2・小さく眺望もない家族風呂(別料金)などがある。食事も、カレー・ウドン・クエ鍋・会席など色々あるが、利用客は多くはないようだ。P200台。
【評価】 ★★★☆☆(2009.12)浴槽が29あり着替えるのがちょっと面倒。実際には故障中のものが幾つかあり、企業努力を怠っているようだ。唯一オーシャンビュー露天は良い。
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湯快リゾート ホテル千畳

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【所在】 西牟婁郡白浜町1680
【電話】 0739-43-2468
【時間】 8:00-。
【料金】 【入浴】 日帰り不可。【宿泊】\7,800-。
【泉質】 ナトリウム-塩化物-炭酸水素塩泉(中性低張性高温泉)。自家源泉・完全放流掛け流し。湯は、無色・硫黄臭・沢山の湯の花の特徴があり、良い。
【施設】 バス停「千畳口」近くの海側にある、露天が最高の宿(144室)。365日同一料金(+2,000または+4,000でランクアップの部屋)。洋風ガラス張り石造り大浴場・サウナ・海の眺望が素晴らしく開放的な大岩造り露天風呂(源泉掛け流し)・プールなどがある。食事は、朝食・夕食ともにバイキングで、特別の食材はないが、マアマアといった所か。日帰り昼食入浴セットプランはない。チェックアウトは12時とのんびりできる。チェックイン前・アウト後も大浴場・待合室・館内施設・ロッカーなど無料利用可。京都・大阪・名古屋からは往復バス\2,000がある。P100台。
【評価】 ★★★★☆(2007.03)「湯快リゾート」では一番の露天。
グランパス千畳の湯


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【所在】 西牟婁郡白浜町爪切2927
【電話】 0739-82-2065
【時間】 10:00-22:00。火曜休。
【料金】 【入浴】\600。【宿泊】可。
【泉質】 単純温泉(中性低張性高温泉)45℃,pH6.7。自家源泉。湯は無色・無臭。
【施設】 バス停「千畳口」近くの「ローソン」から陸側に坂を上がった、太平洋を一望できるオートキャンプ場「グランパス」にある公衆浴場。眺めの良いガラス張り内湯・海などが絶景の開放的な露天岩風呂・水着で入る開放的な庭園岩造り露天(混浴・家族可)などがある。P100台。キャンプ場から徒歩5分の所にプチホテル「グランパスinn白浜」(\6,300、露天風呂あり)もある。
【評価】 ★★★★☆(2009.12)これほど絶景とは意外であった。

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近くの千畳敷

崖下(洞窟内)の「熊野水軍」船隠し場(復元模型)

更に南にある三段壁

近畿道 ⇒ 阪和道 ⇒ 和歌山IC ⇒ 有田(吉備) ⇒ 湯浅御坊道 ⇒ 阪和道 ⇒ 南部IC ⇒ 南紀田辺IC ⇒ R42バイパス ⇒ 県道 ⇒ 白浜温泉(古賀浦 ⇒ 臨海・円月島 ⇒ 白良浜 ⇒ 湯崎 ⇒ 千畳敷 ⇒ 三段壁)