白骨温泉 (長野県)   (松本IC→R158)

公共野天風呂(入口)

 今回も、一年に一回は必ず太郎(シェパード)と舞(柴犬)も一緒に行く、夏の旅行である。赤色のハイラックスサーフ3,000ccで、高速を東へ北へ、山々を越え、飛騨高山・平湯・上高地・乗鞍と、緑の中を進んで行く。

 白骨温泉は、岐阜との県境に近い長野県西部の、上高地の南で乗鞍岳北東側中腹の標高1,400mの秘境にある温泉地である。500年以上の長い歴史を持ち、深い緑に囲まれた梓川渓谷に湧くいで湯で、「三日入れば三年風邪引かぬ」と言われる天下の名湯だ。

 名前の由来は、湯船の内側が石灰分で白くなる湯船であるので、かつては「白船=シラフネ」と呼ばれていたが、中里介山執筆の「大菩薩峠」以来「白骨」と呼ばれるようになったらしい。白濁した美しい濁り湯が人気を呼んでいるが、2004年7月に入浴剤混入報道で更に有名になり、現在ではもはや秘湯とは言えないかも知れない。

 泉質は、含硫黄-カルシウム-マグネシウム-ナトリウム-炭酸水素塩温泉(硫化水素泉)・カルシウム-炭酸水素塩泉31-50℃で、やや青みがかった白濁色(または無色)で、炭酸味・硫化水素臭がする。湧出時は無色透明だが、源泉に含まれる炭酸ガスが泡になりカルシウムと反応して乳白色に濁ったり、また酸化して粉状硫黄が沈殿して白濁したりするという。胃腸病・皮膚病・神経諸病・動脈硬化・高血圧症・糖尿病などにも効能があり、飲用も良し。源泉掛け流しで、風情ある露天が多く、日帰り入浴もごく少数の例外を除き可能である。 


白骨温泉へのドライブ
▼ 名神高速-一宮JCT-東海北陸道-飛騨清美IC-中部縦貫道-
▼ 高山IC-R158を東-平湯-安房トンネル-沢渡-県道を西で
大阪より所要5時間半(高速料金片道\6,500位)。

 宿に着いて、お茶を飲むこともなくすぐ犬の散歩をする。入浴・夕食の後、また犬を乗せた車に行って食事で残した物などをやり、もう一度散歩をする。このせわしさが、いつものパターンとなってしまっている。その後、再び露天風呂に行く。今度はゆっくりとすることができた。部屋に戻ってから飲むビールは、最高に美味い。この最初の一杯のために湯めぐりをしている感じだ。朝は早く起き、また温泉に向かう。しばし湯煙が立ち上る快い硫黄の香りに包まれた後、また犬と散歩をする。 


 日本の代表的な秘湯も、最近は入浴剤混入や温泉偽装の問題もあって揺れていたようだ。しかし、それでもやはりこの白骨温泉は最も好きな温泉の一つだ。
 翌年の夏も訪れた(2002・2003・2004・20094月・20099月と5回は行っている)が、その時は一人で自由であった。二日間滞在して、中の湯・平湯・奥飛騨・濁河……など、周辺の温泉にも幾つか立ち寄ることができた。何度訪れても飽きない所である。 


 そして、高速を利用せずに、国道だけを走って帰った。ルートは、R158-奈川渡ダム-野麦峠-R361-高根第二ダム-秋神川-濁河温泉(御嶽)-飛騨小坂-下呂温泉-美濃加茂-R21-大垣-彦根-R307-甲賀-信楽-枚方-R1。西へ西へと山間を9時間走り続け、真夜中に到着した。さすがに疲れたが、色々な景色は見ることができた。 

   
▼ 高速の中央道を利用するのであれば、長野道-松本IC-R158-新島々-奈川渡ダム-前川渡-沢渡-県道(冬は前川渡-乗鞍高原-林道)。鉄道では、JR松本駅-松本電鉄-新島々駅-バス55分で1時間半。
温泉施設 湯元齋藤旅館 白船荘新宅旅館 白船グランドホテル 入浴お食事処煤香庵 公共野天風呂 泡の湯旅館 小梨の湯笹屋
湯元齋藤旅館

イメージ(黒川「湯本荘」)
【所在】 松本市安曇白骨温泉4195
【電話】 0263-93-2311
【料金】 【入浴】日帰り入浴×【宿泊】\16,000-。
【泉質】 硫化水素泉。源泉掛け流し(加温)・乳白濁色で、硫化水素臭がする。客室露天は温泉ではない。
【施設】 「大菩薩峠」執筆の中里介山が宿泊したという、白骨で一番の老舗で、木組みが和みを感じさせる湯元の和風の宿(53室)。1868年創業、2003年リニューアル。ガラス張り木造り内湯・露天岩風呂・貸切風呂1カ所(\2,100/45分・要予約)がある。
【評価】 ★★★☆☆白骨を代表する宿。
白船グランドホテル

イメージ(湯布院「庄屋の館」)
【所在】 松本市安曇4203白骨温泉
【電話】 0263-93-3333
【料金】 【入浴】日帰り入浴×【宿泊】\16,000-。
【泉質】 含硫黄-カルシウム-マグネシウム-ナトリウム-炭酸水素塩温泉49℃(新宅源泉・白色・240g/分)・含硫黄-カルシウム-炭酸水素塩温泉31℃(グランドホテル源泉・薄白色・57g/分)。2カ所より毎分117g掛け流し(加温)。白濁色(気温・気候により変化)・硫化水素臭・微酸味。
【施設】 1973年創業の近代的な和風旅館(53室)。総檜造り内湯(薄い白濁色)・開放的で野趣あり露天岩風呂(真っ白に濁った色)・貸切\2,100/50分。木陰駐車可。
【評価】 ★★★★☆(2002.7)2004.7入浴剤混入報道事件があったが、以前から露天が異常に白いと感じてはいた。
白船荘 新宅旅館

【所在】 松本市安曇白骨温泉
【電話】 0263-93-2201
【時間】 8:00-10:00、12:00-14:00。
【料金】 【入浴】\500。【宿泊】\20,000。
【泉質】 硫化水素泉(含硫黄-カルシウム-マグネシウム-ナトリウム-炭酸水素塩温泉)50℃。自家源泉・湧出・源泉100%掛け流し(非加温・非加水)・湯船が白く析出。青白濁色で、硫化水素臭・炭酸味がする。すべての湯船の湯口で飲泉できる正真正銘の「本当の温泉」(100%ピュア)である。
【施設】 現在の平成天皇が皇太子時代に高松宮と一緒にご宿泊された、創業1865年の宿(39室)。温泉街の北で、「齋藤旅館」の南に位置する。歴史を感じさせる総檜造りの大ガラス張り内湯・緑に囲まれて縁が青白く析出した風情ある露天岩風呂(北アルプスの山々を眺望)・昔風の「シラフネ」貸切風呂2つ(無料/45分)がある。P50台(木陰駐車可で、ペットを車内で宿泊させるのに良い)。
【食事】 料理も凝ったものが出される。
【評価】 ★★★★★(2003.8)(2004.8)天皇も宿泊された所だけに風格が感じられ、白い湯船の貸切風呂も印象的だった。
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これぞ、秘湯!(露天)
入浴お食事処 煤香庵

【所在】 松本市安曇白骨温泉
【電話】 0263-93-2917
【時間】 8:00-16:30、通年営業。但し、冬期は喫茶のみ営業で、平日は休業。
【料金】 【入浴】\700。【宿泊】なし。
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【泉質】 硫化水素泉39℃。自然湧出・源泉100%掛け流し(加温)・乳白濁色。
【施設】 湯川沿いの公共野天風呂の北にある、「斎藤旅館」が経営する施設。白濁露天風呂。食事は、温泉粥・蕎麦など。P15台。
【評価】 ★★★★☆(2004.8)(2009.8)気軽に行け、緑も多い所。
公共野天風呂

湯川沿い公共野天風呂
【所在】 松本市安曇白骨温泉
【電話】 0263-93-3250
【時間】 8:30-16:30。11-4月は休業。
【料金】 【入浴】\500。【宿泊】なし。
【泉質】 硫化水素泉35℃。自然湧出・自家源泉・掛け流し(加温・非加水・塩素消毒)。湯は無色透明(微白濁)。
【施設】 白骨温泉の中心部で、バス停すぐの湯川沿いにある公共浴場。川縁に丸い石造り露天風呂がある。
【評価】 ★★★★☆(2004.8)(2009.8)2004.7に入浴剤混入報道で、営業自粛したことが記憶に新しい。
左端が「公共野天」駐車場(右は土産物屋) ⇒
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泡の湯 旅館
【所在】 松本市安曇白骨温泉
【電話】 0263-93-2101
【時間】 9:00-17:00(外湯)、本館は10:30-13:30。木曜日は定休。
【料金】 【入浴】外湯\800。本館は別途\1,000。【宿泊】\16,000-。
【泉質】 硫化水素泉(含硫黄-カルシウム-マグネシウム-炭酸水素塩温泉・中性低張性温泉)37℃,pH6.5。自噴1,500g/分・自家源泉・100%掛け流し(加温=熱交換で間接加温・非加水・非消毒)・成分1,500g/kg。少し温め・青みがかった乳白色で、酸味(飲泉可)・硫化水素臭がする。
【施設】 街の南に位置し、周囲の自然と調和した1912年創業の老舗(24室)。湯に浸かると気泡になった炭酸ガスが湯口から出てきて身体に付着するのが、名の由来だという。内湯檜風呂(源泉湯・白湯)・秘湯の雰囲気の庭園大野天岩風呂3(うち混浴1・緑の眺め)がある。P50台以上。
【評価】 ★★★★☆(2004.8)鬱蒼と緑に囲まれているのが良い。
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小梨の湯 笹屋
【所在】 松本市安曇白骨温泉
【電話】 0263-93-2132
【時間】 11:00-14:00。
【料金】 【入浴】\600。【宿泊】\1,5000-。
【泉質】 硫化水素泉。源泉掛け流し・白濁色で、硫黄臭がする。但し、2004.7入浴剤混入報道で一時自粛したことがある。
【施設】 「日本秘湯を守る会」会員の宿。眺望良い内湯・緑に囲まれた趣ある露天風呂がある。日帰りも「入浴中」の札で貸切可。P15台。
【評価】 ★★★★☆(2009.4)「泡の湯」より更に南にある。
大人の雰囲気の宿 ⇒
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