信州高山温泉郷 (長野県)   (須坂長野東IC→R403万座方面)

 4月と言っても、まだ冬だ。中央道を恵那まで来ると、遙かに白く聳え立つアルプスが見える。飯田から駒ヶ根あたりでは、両側にくっきりと姿を現す。南アルプスも中央アルプスも、真っ白な雪景色だ。松本や安曇野では、左手にどこまでも続く穂高連峰が光って見えた。ここに住みたいとちょっと思う。千曲から遙かに白く眺められたのは、妙高だろうか、それとも戸隠だろうか。高速を下りた須坂では、臥竜公園が桜祭りをしていて、渋滞に引っかかってしまった。出発してから、5時間半はかかったようだ。

 信州高山温泉郷は、群馬との県境に近い長野県北東部で、高山村を流れる松川渓谷沿いに8つのいで湯が山腹に向かって点在する温泉郷である。ちょうど長野市の東で、志賀高原や万座温泉の麓に位置する。大小幾つかの滝があり、新緑・紅葉・雪景色へと移りゆく渓谷美が素晴らしい。近くにスキー場もある。

 泉質は、含カルシウム-食塩泉・単純硫黄泉・(含硫黄)カルシウム-ナトリウム-塩化物-硫酸塩(-炭酸水素塩)温泉など50-96℃、乳白濁色または様々な色で、微硫黄臭がする。リウマチ・神経痛・皮膚病・アトピー・動脈硬化などに効能がある。どの宿も日帰りは可能で、良い露天風呂を備えている。


 すぐ近くには、湯田中・渋・熊の湯・万座・草津・尻焼・四万といった温泉やスキー場がある。また志賀高原・横手山・白根山やロープウェイなどの眺めも良い。
 日帰りで翌日は仕事もあるので、夕方5時半頃には引き返した。こちらは普通だったが、東京方面はどこもかしこも渋滞しているとニュースが報じていた。ただ西に向かって走っていると、「20歳のめぐり逢い」(シグナル)「22歳の別れ」(風)「君の誕生日」(ガロ)が、聴こえてきた。いずれも1970年代のものばかりで、青春の頃が思い出されてしみじみとする。帰宅したのは、11時を過ぎていただろうか。

信州高山温泉郷へのドライブ
▼ 中央道-長野道-上信越道-須坂長野東IC-R403-須坂市役所-
▼ 県道(万座方面)-山田-松川渓谷-五色-七味-奥山田温泉
須坂長野東ICより所要30〜40分(京阪神より5時間半)

穂高連峰(梓川SAより)
▼ 鉄道では、京阪神-新幹線-名古屋駅-中央線3時間-(東京上野-長野新幹線90分-)長野駅-長野電鉄20分-須坂駅-東にバス30〜40分。

奥山田の山々(4月下旬)
温泉施設 山田温泉 風景館 松川渓谷温泉 滝の湯 五色温泉 五色の湯旅館 七味温泉ホテル 渓山亭 奥山田温泉 満山荘
山田温泉 風景館

【所在】 高山村山田温泉
【電話】 026-242-2611
【時間】 11:00-15:00。
【料金】 【入浴】\500。【宿泊】\13,000-。
【泉質】 カルシウム-ナトリウム-塩化物温泉。湯は、源泉掛け流しで、無色・無臭。
【施設】 温泉郷では旅館が最も多い山田温泉の中心部にある創業240年の宿(27室)。昔、松川渓谷の美しさに岩の上に座った仙人が時の経つのを忘れてしまったという伝説の所にある。朝市・盆踊り・紅葉祭りなどが催される広場には、桃山風湯屋造り共同浴場「大湯」(\300・6:00〜22:00)がシンボルとしてあり、風情がある。森鴎外・若山牧水・与謝野晶子などの文人墨客が湯治したことがあり、彼らを慕う弟子や門人からも親しまれ、この地を詠んだ句も多い。眺めが良い内湯檜風呂・渓流すぐ上の野趣ある仙人露天岩風呂(混浴)・天空小鳥露天檜風呂・家族湯1などがある。食事は、地産地消の会席料理で、山菜・茸・信州牛・鍋など。
【評価】 ★★★★☆(2010.04)こんな風だったのかという思いが。
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松川渓谷温泉 滝の湯

【所在】 高山村奥山田3681-377
【電話】 026-242-2212
【時間】 10:00-18:00。不定休。
【料金】 【入浴】\500。【宿泊】\8,400-。
【泉質】 カルシウム-ナトリウム-硫酸塩-塩化物泉64℃・単純泉70℃(弱アルカリ性低張性高温泉)。湯は、自家源泉2・メタケイ酸含有109〜162mgで、微青白色・無臭。肌にとても優しく、皮膚病・アトピー・動脈硬化に効能。
【施設】 松川渓谷沿いの滝の上にある、自炊しながら宿泊する数少なくなった湯治目的の一軒宿(12室・30台)。江戸時代には多くの湯治客で賑わいながら、いつしか繁栄は影をひそめ、その存在を知る人も少ない幻の湯であったが、時を経た昭和に、信玄説を辿って再発見されるに至り、再び多くの湯治客が訪れる名湯となったという。内湯は大きな岩風呂・檜風呂で、他に自然と一体となった混浴の大野天大岩風呂(女性はバスタオル可)がある。食事は、山菜料理など。自炊宿泊は半額。周辺には落差30mの名瀑「雷滝」や「八滝」などがある。アクセスは、須坂駅からは車35分。
【評価】 ★★★★☆(2010.04)混浴だから、ちょっと遠慮した。

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パンフレットより
五色温泉 五色の湯旅館
【所在】 高山村五色温泉
【電話】 026-242-2500
【時間】 10:00-17:00。
【料金】 【入浴】\500。【宿泊】\16,425-。
【泉質】 含ラジウム硫化水素泉86℃。天候で、五色(乳白・灰・濃緑・コバルトブルー・黒)に変化する不思議な温泉。但し、一泊して五色すべてを見ることができることもあれば、一色しか見られないこともあるという。湯に黒い湯の花が浮遊するなどの特徴もある。
【施設】 江戸初期に開湯した、松川上流の山中の一軒宿(12室)。大正時代は8軒の宿があったが、笠岳の大崩落で全滅し、現在の所に1軒だけが復興されたという。内湯と、渓流沿い露天岩風呂(女1混浴1)・貸切風呂2(無料)がある。但し、2010年3月より湯温低下のために、露天風呂は水のようで入浴できない。食事は、沢蟹・岩魚・茸料理が名物。P20台。アクセスは、山田温泉や松川渓谷の東で、須坂駅より車40分。
【評価】 ★★★☆☆せっかくの露天に入れずガッカリである。
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七味温泉ホテル 渓山亭

【所在】 上高井郡高山村七味(牧奥日影)
【電話】 026-242-2921
【時間】 11:00-15:00。
【料金】 【入浴】\800。【宿泊】\15,000-。
【泉質】 単純硫黄泉・含硫黄-カルシウム-ナトリウム-塩化物-硫酸塩-炭酸水素塩泉49-64℃。湯は、湧出370g/分・源泉100%掛け流し、乳白濁色(気象で色が変化)・硫黄臭の特徴。高血圧・動脈硬化・糖尿病・皮膚病などに効能。無色が多い中、乳白緑色の湯は、やはり最高でたまらない。但し、浴槽に触れた手の平や足の裏は、真っ黒になってたいへんである。これは、成分の濃い鉄分と硫黄が反応して黒くなったようで、時間が経ち酸化すると元に戻った。
【施設】 松川渓谷沿い最奥の4軒からなる温泉地の、最も外観が良く施設なども充実している秘湯の宿(21室)。創業1975年で、「日本秘湯を守る会」会員の宿。質の良い7つの源泉が混じりあった湯というのが名前の由来で、七味唐辛子とは全く関係がない。大ガラス窓で眺めの良い内湯大岩風呂・松川渓谷に面し滝も見える露天岩風呂(笠岳望む)・渓流沿いにあり非常に開放的な露天岩風呂(日帰りは、別料金\500で夕方も入浴できるが、本館との共通券\1,000もある)・開放的で眺望の良い貸切野天(\1,000/40分)などがある。囲炉裏での岩魚料理が名物。アクセスは、五色温泉の東で、須坂長野東ICから50分、須坂駅から車40分。
【評価】 ★★★★★(2010.04)高速千円のおかげで、やっと日帰りで来ることができた。

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本館露天

新しい渓流露天
奥山田温泉 満山荘
【所在】 高山村奥山田山田牧場
【電話】 0262-42-2527
【時間】 10:00-17:00。
【料金】 【入浴】\800。【宿泊】\15,750-。
【泉質】 単純硫黄泉96℃。湯は白濁色、浴槽3つは湯温差あり。
【施設】 温泉郷の最奥に位置する標高1,500mの高原に広がる山田牧場の中にある、数軒の宿から成る深山温泉の秘湯の一つで、北アルプス連峰と向きあう雲上の宿。明治30年頃から牛たちが自由に放牧され、日本ではなくヨーロッパにいるかのような不思議な感じがする所である。すぐ近くにはスキー場があり、晴天の日は、遥か北アルプス連峰の穂高・槍・白馬まで一望できる絶景の地である。内湯2・眺望抜群の露天風呂2(アルプス一万尺風呂)がある。食事は、山菜・川魚・信州牛・茸料理が名物。五色温泉や七味温泉より県道を更に奥に行った所にある。
【評価】 ★★★☆☆春なのに、辺り一面真っ白な雪景色だった。
4月半ばなのに辺りは雪だらけ(右の黒いのは愛車プラド) ⇒
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京滋バイパス ⇒ 瀬田東JCT ⇒ 名神高速 ⇒ 小牧JCT ⇒ 中央道 ⇒ 岡谷JCT ⇒ 長野道 ⇒ 更埴JCT ⇒ 上信越道 ⇒ 須坂長野東IC ⇒ R403 ⇒ 須坂市役所(臥龍公園) ⇒ 県道(万座方面) ⇒ 信州高山温泉郷(山田温泉 ⇒ 松川渓谷温泉 ⇒ 五色温泉 ⇒ 七味温泉 ⇒ 奥山田温泉) 
以下は、参考版(万座・高湯・吉野・天狗温泉、湯ヶ島・越後湯沢温泉)
(天狗温泉) 浅間山荘

 (気に入った記事を保存していたら、次のようなものが出てきた。2年ほど前の雑誌(2009 Autumn)の中にあった「ふれあい倶楽部−温泉彩時記4−赤色の湯 の巻」というものである。
 著者は、飯出敏夫という温泉ライターで、著書に「一度は泊まってみたい秘湯の宿70」「秘湯ロマン」「名湯・秘湯の山旅」などがあり、「旅の手帖」に「いい夜を過ごす秘湯宿」を連載中らしい。)

温泉彩時記最終回は「赤色の湯」の巻。
赤い色の湯を前にすると
入浴をためらう人もいるほど、
その印象は強烈です。
まさに霊泉と呼ぶにふさわしい、
赤い湯の代表的な2湯と
おすすめの宿をご紹介しましょう。
(最初このような書き出しで始まり、以下に吉野温泉と天狗温泉についての本文が続く。各々ほぼ1/2ページ位だ。プロはどのように書くのだろうか。紀行文の練習も兼ねて、そのまま書き写してみた。2011.07)

 
天狗温泉
 浅間山の中腹に湧く登山客を癒す鮮烈の湯
 天狗温泉・浅間山荘(長野県)(←赤湯内湯の画像の上に記述)

 長野県小諸市内から群馬県との県境をなす高峰高原に登るルートの途中から、林間の山道を4kmほど入った山の中に一軒宿の天狗温泉浅間山荘があります。浅間山へ登る小諸側の登山口、標高1400mにあり、登山客の足場として建設された宿です。
 自然湧出の温泉が引かれたのは平成7年のこと。このときに宿も全面的に建て替えられ、現在の2階建ての宿になりました。男女とも同じ大きさの内湯に注ぐ湯は、湧出時は無色透明なのですが、含まれた鉄分が空気に触れることによって酸化し、黄土色から褐色、そして赤褐色へと変化していきます。赤い色に変化するのは鉄分を含んでいる湯がほとんどですが、強塩泉の場合も赤く変色する湯が多いようです。大変よく温まる湯で、切り傷やリウマチ、貧血症などに効果があるとされています。
 宿の家族でもてなす心温まる接客には定評があります。客室はシンプルな造りの和室が10室。ほかにコテージやロッジ、バンガローがあり、乗馬やテニスコートなどの施設がそろっているので、夏場は学生の合宿などにも利用されています。

.http://www.tenguspa.com/

 (画像は、@先ほどのものが一番上、A4行下の右1/3、B5行下の左1/3、と3枚掲載されているが、その説明がやや小さなポイントで以下のようにある。)
@コアな温泉ファンが多い独特の赤い湯が印象的Aのんびりとくつろげる客室B入り口では天狗の面が迎える宿の外観
(そして、次に温泉データやアクセスなどの説明が、これもやや小さなポイントで以下のようにある。)

 
●浅間山荘
泉質:単純鉄泉
源泉温度:9℃
効能:リウマチ、神経痛、筋肉痛、貧血症ほか
・長野県小諸市甲字馬取4766
・電話0267-22-0959
・宿泊料金
1泊2食付き9600円〜
・JR長野新幹線佐久平駅から高峰高原行きバスで30分、浅間山登山口下車、徒歩1時間(宿泊者はJR小海線・しなの鉄道小諸駅から送迎あり、要予約)