下田温泉 (静岡県)   (沼津IC→R414)

「黒船ホテル」ロビー

 夏が終わろうとする頃、珍しく1泊2日の旅に出た。行き先は伊豆である。堂ヶ島で宿泊し、翌日は海沿いの露天風呂めぐりをしながら、下田に向かった。江戸幕末の頃、ペリーの黒船来航などで歴史の舞台となったのは、皆が知る所である。海は眩しいほど美しかった。

 下田温泉は、静岡県東部の伊豆半島の南端に位置し、熱川や河津の南西で、土肥や堂ヶ島の南東にある歴史ある地だ。宿は10数軒くらいあるだろうか。白砂の良質のビーチが点在し、夏は若い海水浴客や家族連れで非常に賑わう温泉地である。

 泉質は、単純温泉(弱アルカリ性低張性高温泉)25〜55℃、主成分がナトリウム・塩素・硫酸・炭酸水素イオン・メタケイ酸など。湯は、加水・加温・循環濾過・消毒・飲用不可であることが多く、無色・無臭である。日帰り入浴はほとんど可能であるが、2〜3千円を要する所もある。


 観光は、下田海中水族館・下田港内巡り遊覧船(\920/20分)・白浜大浜海水浴場・下田ロープウェイ(\1,000)と寝姿山などが面白そうだ。
 しかし、多くを廻ろうとしても、限界がある。河津経由で修善寺・三島に急いだが、意外と時間を要した。


 夕刻の渋滞にも巻き込まれ、沼津ICから東名高速に乗ったのは、6時頃だっただろうか。後は、ただひたすら西に向かって走った。「20歳のめぐり逢い」(シグナル)「22歳の別れ」(風)が、今日もラジオから聴こえてきた。ちょっと青春の頃に戻りしんみりした。ようやく新名神・京滋バイパスを降り、ほっとして時計を見ると11時であった。ビールを飲んで床に就いたのは、翌未明であった。

下田温泉へのドライブ
▼ 名神高速-草津JCT-新名神-東名阪道-四日市JCT-伊勢湾岸道-
▼ 東名高速-沼津IC-R1-三島-R136-修善寺-R414-河津-R135-南で
京阪神より所要7時間半(沼津より2時間半)(高速料金片道\8,500位)。
▼ (東名)厚木ICからは小田原道-R135。鉄道では、東京-特急踊子号(直通)2時間45分-下田駅-送迎、または(新幹線)熱海-伊豆急1時間30分-下田駅。
温泉施設 下田プリンスホテル 下田ビューホテル 黒船ホテル 下田東急ホテル 下田大和館
下田プリンスホテル
【所在】 下田市白浜1547-1
【電話】 0558-22-2111
【時間】 12:00-17:00(混雑時は不可)。水曜定休。
【料金】 【入浴】\1,000。【宿泊】\13,000-。
【泉質】 弱アルカリ性単純泉。
【施設】 伊豆急下田駅の北東5kmの白浜大浜海水浴場に面した所にあり、海を望む眺望の良い白亜の宿(134室)。全室オーシャンビューで、青い空と海が綺麗だ。客室・浴場からも太平洋から昇る朝日が望める。レストランも大きなガラス張りで眼下に広がる海が眺められる。レストラン脇の通路を抜けると、プライベート感覚の白浜が続き、夏の海水浴には最適である。伊豆七島の島々が眺められ太平洋との一体感がある洋風(横10m一枚ガラス張り)展望温泉浴場・直径12mのガーデンプール・テニスコートあり。P70台。アクセスは、沼津ICまたは厚木ICより、下田駅からはバス15分。
【評価】 ★★★☆☆
イメージ(白浜温泉) ⇒
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下田ビューホテル
【所在】 下田市柿崎633
【電話】 0558-22-6600
【時間】 ?:00-?:00。
【料金】 【入浴】日帰り?。【宿泊】\11,550-。
【泉質】 単純泉。湯は、源泉掛け流しで、無色。
【施設】 伊豆急下田駅の東2kmの外浦海水浴場に面する高台に位置し、白砂の外浦海岸や相模灘の向こうに伊豆七島を望む眺望抜群の宿(80室)。全室オーシャンビューで、水平線から昇る御来光は絶景である。ガラス張り展望大浴場「桃山の湯」大理石風呂・目の前が太平洋という開放的で心を癒してくれる絶景の露天岩風呂・プールがある。夏は9月頃まで、水着姿の若い海水浴客が多いようだ。P80台。アクセスは、下田駅より車6分。
【評価】 ★★★☆☆
イメージ(白浜温泉) ⇒
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黒船ホテル

【所在】 下田市柿崎3-8
【電話】 0558-22-1234
【時間】 13:00-20:00(混雑時は不可)。
【料金】 【入浴】\1,200(\1,000から変更)。【宿泊】\16,800-。
【泉質】 弱アルカリ性単純温泉25℃。主成分は、S 328・Na 150・Cl 296・Ca 85 mg/kgで、成分は薄い。湯は、無色透明・無臭。
【施設】 伊豆急下田駅の南東1kmに位置する、黒船の浮かぶ下田港のフェリー乗り場に面し、風光明媚な下田湾を眼下に望む眺望抜群の宿(73室)。観光にも便利で、下田で一番の立地だろうか。全室オーシャンビューで、眺望が絶景の天然露天風呂付き客室が自慢の宿である。洋風ガラス張り内湯石風呂・サウナ・水風呂・開放的で下田湾を望むやや小さな展望露天岩風呂・ドームプールがある。食事は、海の幸を使った磯会席・鯛のしゃぶしゃぶなどで、秋9月-12月は手頃なプランでも1人で伊勢エビが2尾半(お造り・塩釜焼き・酒蒸焼き)も付いたりする。P85台。
【評価】 ★★★★☆(2010.09)露天などは、期待以上のものではなく、浴室のエアコンも効きがいま一つである。
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下田東急ホテル
【所在】 下田市5-12-1
【電話】 0558-22-2411
【時間】 14:00-17:00(混雑時は不可)。
【料金】 【入浴】\2,000。【宿泊】\15,400-。
【泉質】 単純泉。湯は無色。
【施設】 伊豆急下田駅より南西2.5kmで下田公園西の大浦湾や鍋田ビーチ近くに位置する太平洋を望む小高い丘に建つ、絶景の海と花の白亜のリゾートホテル(115室)。紺碧の海の眺望と四季折々の花が咲く庭園が自慢で、晴天時は伊豆七島も一望でき、小道を下れば白い砂浜も広がる。大浦湾を一望する野趣あり落ち着いた風情の露天岩風呂と檜風呂(男女入替)・ガーデンプールがある。都会の喧噪を離れ聞こえてくる潮騒や木々の葉のざわめきや小鳥のさえずりが心地良く、眼下に太平洋を望み、晴れた日は伊豆七島などの素晴らしいパノラマが楽しめる。温泉好きには、5泊5朝食付き\29,000の「湯ったりステイプラン」(ツインルーム・金谷旅館の千人風呂または観音温泉の強アルカリ単純泉なども入浴可)などもある。P80台。アクセスは、伊豆急下田駅よりタクシー6分(シャトルバスあり)。
【評価】 ★★★★☆
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イメージ(白浜温泉)
下田大和館
【所在】 下田市吉佐美2048
【電話】 0558-22-1000
【時間】 15:00-17:00(混雑時は不可)。
【料金】 【入浴】\2,000(夏休み\3,000)。【宿泊】\13,800-。
【泉質】 単純温泉(弱アルカリ性低張性高温泉)55℃,pH8.1。主成分は、ナトリウム138・塩素116・硫酸220・炭酸水素イオン53・メタケイ酸81kg/kg。湯は、加水・加温・循環濾過・消毒・飲用不可で、無色・無臭。
【施設】 伊豆急下田駅の南西4kmに位置する、白砂の多々戸浜沿いに建つ雛壇式・総檜造りの宿(60室)。全室オーシャンビュー。日本最古の地図「行基図」の作者・行基が1300年前に発見したという(下田)蓮台寺温泉より引湯し、本物のヨットの露天などで湯巡りが楽しめる。最上階の展望大浴場・太平洋の大海原が眺望できる開放的な山頂露天岩風呂・海一望の大絶景が魅力の貸切露天檜風呂(\3,000/50分)・客室露天風呂などがある。食事は、山海の幸たっぷり(鮑・伊勢海老・金目鯛)の磯会席。P80台。アクセスは、伊豆急下田駅より南西に車6分。
【評価】 ★★★☆☆
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イメージ(白浜温泉)
新名神高速 ⇒ 東名阪道 ⇒ 四日市JCT ⇒ 伊勢湾岸道 ⇒ 豊田JCT ⇒ 東名高速 ⇒ 沼津IC ⇒ R1 ⇒ R136 ⇒ 修善寺 ⇒ 土肥 ⇒ 堂ヶ島 ⇒ R136 ⇒ 松崎 ⇒ 南伊豆 (修善寺 ⇒ 湯ヶ島 ⇒ 天城峠 ⇒ 七滝ループ橋 ⇒ 河津 ⇒ R135) ⇒ 下田温泉  
以下は、参考版(万座・高湯・吉野・天狗温泉、湯ヶ島・越後湯沢温泉)
(湯ヶ島温泉) 湯本館

 (気に入った記事を保存していたら、次のようなものが出てきた。2年ほど前の朝日新聞夕刊(2009.08.04火曜日)の中に掲載された「よくばり−湯の旅」(右上に縦書き、下に桶と湯煙の絵あり)というものである。)

天城越えに人生重ねて 湯ケ島温泉
(静岡県)


(最初、このような題がやや大きなポイントの横書きで記され、以下に縦書きで湯ケ島温泉についての本文が続く。紙面のほぼ1/4ページ位の量である。プロはどのように書くのだろうか。紀行文の練習も兼ねて、そのまま書き写してみた。横書きではあるが。2011.09)

 
 どれほど大勢の旅人が、この道を歩んだのだろう。スギやカエデが生い茂る道は、夏だというのにひんやり、薄暗い。
 「道がつづら折りになって、いよいよ天城峠に近づいたと思う頃、雨脚が杉の密林を白く染めながら、すさまじい早さで麓から私を追ってきた」。この名文で始まる小説「伊豆の踊子」は、川端康成が19歳のときに伊豆を訪れた体験から生まれた。主人公が踊り子一行と出会う旧天城トンネルは、今も当時の面影を色濃く残す。

   □   

 「『伊豆の踊子』は暗く山深い天城からトンネルに入り、温かく明るい河津に抜ける文学。15歳で天涯孤独となった若き日の川端先生が、この旅で初めて人のぬくもりに触れた。旧天城トンネルはその心の象徴なのでは」。湯ヶ島温泉湯本館の主人、土屋晃さん(49)は話す。
 湯本館は川端が29歳までの10年間通った。若くて金がない川端を、当時の女将は自分の息子のように面倒をみたという。自分の家のように気ままに滞在し、女中の評判は悪かったというエピソードも残る。自らを「寂しがりやの意固地」と語ったと伝わる川端が素顔をさらけ出せたのも、湯と女将のぬくもりに心解いたからに違いない。

   □   

 一方、松本清張の小説「天城越え」は明るい下田から天城へと、「伊豆の踊子」とは逆ルートをたどる。主人公は天城峠で無邪気な人生と決別した。出会いがあり、そして別れがある。今この時代、全長445.5bの長く暗いトンネルの先に待ち受けるものは、何だろうか。
(ライター 角田麻子)

.http://www.yumotokan-izu.jp/

 (画像は、@左上に紙面1/4の中の60%ほどで14×10.5cm、Aすぐ下に7×4.5cm、Bそのまま記事を挟んで右端に地図4.3×3.2cm、と3枚掲載されているが、その説明が同じポイントで以下のようにある。)
@国の重要文化財でもある旧天城トンネルA狩野川を眺めながら入れる「湯本館」の露天風呂=伊豆市B(所在地などの説明は地図の下に)
(そして、次に温泉地や近くの観光地などの説明が、これも同じポイントで以下のように横書き・横3段である。)


 ●湯ヶ島温泉 伊豆・天城山中の渓流沿いに位置する。井上靖、梶井基次郎、若山牧水ら多くの文人たちが訪れた。宿泊施設は10軒。(電話の絵記号)伊豆市観光協会天城支部(0588-85-1056)。
● 昭和の森会館 道の駅「天城越え」内にある施設。近隣の国有林の生態系や林業の歴史について紹介する「森の情報館」や、伊豆ゆかりの文学者約120人に関する資料を展示する「伊豆近代文学博物館」(300円、小学生100円)、井上靖が住んでいた家を移築した「井上靖旧邸」も。(四角い囲いが付いた「前」)8時半〜(四角い囲いが付いた「後」)4時半。(電話の絵記号)0588-85-1110。
● 浄蓮の滝 天城国際鱒釣場 浄蓮(じょうれん)の滝を眺めながら釣りが楽しめる。川を利用した釣り堀に、ニジマスやアマゴを放流している。630円(30分、3匹まで持ち帰り可)。道具の貸し出しも(有料)。(四角い囲いが付いた「前」)8時半〜(四角い囲いが付いた「後」)5時。(電話の絵記号)0588-85-1441。

【所在地】 伊豆市湯ヶ島
【交通】 伊豆箱根鉄道修善寺駅からバスで約30分。東名高速沼津インターから車で約1時間半。
【泉質】 硫酸塩泉