秘湯は、夏だけの営業という所が多い。(白馬岳)蓮華温泉もその一つで、10/20に道路閉鎖となる。少々の天候なら決行と決めていた。朝7時半に出発、近畿は雲一つない晴天だが、現地は雨または曇のようだった。北陸道を通り、敦賀は2時間、北陸の都・金沢は3時間で通過、4時間半で糸魚川に着き、高速を下りた。
姫川沿いに国道を南下する。所謂「フォッサマグナ」(糸魚川-静岡構造線)の断層上である。東には越後山脈(日本百名山の一つ雨飾山1,963mなど)、西には北アルプスといった2,000〜3,000m級の幾つかの山々が、高く聳え立っている。
麓にある姫川温泉から、更に山道を延々と頂上を目指し、5時間半後(12:50)に到着した。途中、熊と遭遇しないように、クラクションを時おり鳴らしながら、ライトオンの状態で走った。一帯は紅葉で、赤や黄など色とりどりに化粧していた。
(白馬岳)蓮華温泉は、長野・富山との県境に近い新潟県最南西部にある。信越南西の国境にある姫川温泉やJR平岩駅より、国道をはずれて南西に山道を上った、標高1,475mに山小屋のような一軒宿がある雲上の秘湯である。
名の由来は、糸魚川の漁師が沖から北アルプスを見ると「蓮の花」に見えたかららしい。上杉謙信の鉱山探索の際に発見されたと言い伝えられ、江戸時代に山小屋があったが、ロッジの創業は昭和初期である。新潟県側からの北アルプスへの玄関口で、朝日岳・白馬岳・小蓮華山への登山者が多い。
泉質は、単純酸性泉・酸性石膏泉・重炭酸土類泉52℃,pH2.6、微白濁色または薄青色・苦い酸味または無味・微温湯で、硫黄臭がし、水虫・皮膚病・リウマチなどに効能があるという。主成分は、Ca・Na・Mg・SO4・HCO3・Clなどだろうか。湯は、自然湧出の自家源泉、掛け流し(非加水・非加温・非消毒)である。
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雨飾山(日本百名山の一つ)
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ロッジから15分ほど急坂を登ると、噴煙がモウモウと立ち上っている高台に出た。勢いよく蒸気を吹き上げる源泉が近くにある。目的の秘湯はそこにあった。一周すれば40分ほどの範囲内に、野趣ある混浴の野天風呂が4つ点在しているのだ。まさに大自然そのものと共にある。
つい数日前にもTV放映があったらしく、女性客が多いと言っていたようだが、更衣室などといった気の利いたものなどは何もない。何もなく開けた所で、真っ裸になる。とにかく開放的で、かつ絶景であるのがすごい。
車両通行可能なのは、6月下旬から10/20まで。3月上旬から6月下旬までは、山岳スキーや登山客以外は行けない秘湯である。自家発電なので、21時全館消灯、懐中電灯が必要である。
ロッジは自然の紅葉と調和し、受付付近は、登山・ハイキング・温泉を楽しむ人で賑わっていた。昼食のカレーライスは\800だったが、山小屋だけに適度に辛く抜群の味であった。日帰りではあったが、総湯(内湯)も4つの野天風呂も良い思い出になりそうだ。
遠くの雨飾山の輪郭や林道からの紅葉を目にしながら、麓に下った。姫川温泉にある1軒の宿にも、車を横付けした。ここの露天風呂からの景色もなかなかであった。温泉はいいなあ!とつくづく思うが、帰宅できたのは夜10時半となった。
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(白馬岳)蓮華温泉へのドライブ
▼ 京滋バイパス-名神-北陸道-糸魚川IC-R148(松本方面)-
▼ 姫川温泉(JR平岩駅)-曲がりくねった山道を南西に22kmで
糸魚川ICより所要1時間10分(京阪神より5時間半)
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▼ 中央道を利用するのであれば、(長野道)豊科ICより-R147-大町-R148-白馬八方-栂池-白馬乗鞍-小谷-平岩(姫川)-山道。鉄道ではJR(大糸線)平岩駅より車で45分。
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