(先生の授業ノート)宇野常寛「おじいさんのランプ」  
left★板書(+発問)★   
(先生の授業ノート…普通クラス)
   宇野常寛「おじいさんのランプ」

〈出典〉
・「日本文化の論点」(2013年)による

〈筆者〉(1978-)
・評論家。
・雑誌の編集の傍ら、サブカルチャー(補う・第2の  文化)を初めとする現代社会の事象についての評論  活動を展開する。
・著作 『ゼロ年代の想像力』『リトル・ピープルの     時代』『遅いインターネット』『ナショナリ     ズムの現在』など

〈概要→要約〉
・(情報化)社会論(メディア論)
・時代が変化して<情報化社会>となった現代
 における<本の在り方>について考える
          (メディアを問い直すべきだ)

right★補足(+解説)★   
(評論)2025年1月






・技術革新がもたらすメディア環境の変化は、新しい  問題を引き起こしている。人間と知を伝達する情報  との関係が変化して、従来大きな役割を担ってきた  紙の本の在り方を考え直すべきだ。(他の回路?)

left★板書(+発問)★    

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全体の構成 【一】(起)メディア環境の変化と問題(序論〜結論) 【二】(承)文字文化の本質的なレベルの変化(考察)
【三】(転)人類の文化も変化させる情報化の進行(考察) 【四】(結)いざというとき役に立たない古いもの(補足)
left★板書(+発問)★    
〈授業の展開〉

【一】(起)(新しい技術による)
     メディア環境の変化と問題(序論〜結論)


<メディア環境>の大きな変化
  ↓ ・新しい技術は新しい<問題>を起こす
 ・<淘汰>されゆくもの
  だけが持つ<良さ>もある
  ↑
 <しかし>(後に残る)
    ・「紙の本の良さ」「マスメディアの役割」
     という「いい話」に筆者は冷淡
      ||
〇もっと<本質的なこと>を隠蔽するために
 強調されている
  ↓
〇「この種の問題」を語る時に引用される
<例>新見南吉の童話「おじいさんのランプ」
  ↓
 @古いものはいざという時に役に立たない
 A言葉を通して知を共有する文化は
  変わることはない
(=知への信頼…)
           (童話の白眉はエピローグ)
  ↓↓↓↓
<人間と知を伝達する情報との関係>の変化
 圧倒的に強く決定的 (=メディア環境の変化)
 ・「旧メディアだからこそできることがあるのだ」
  という「いい話」の何割かは、この現実から目を   背けるために囁かれている →別の次元では害悪
  ↓
〇(時代を象徴する力を大事にする)知性が
 時代を切り開き本当の意味で<文化を守り育てる>
  ↑
 ・童話の主人公は、文明開化の象徴だったランプが   時代を象徴する力を失ったからランプ屋を廃業

▼〈段落まとめ〉
新しい技術により、メディア環境が大きく変化して、 新しい問題が起きている。淘汰されゆくものに良さが あるという話もあるが、人間と知を伝達する情報との 関係は圧倒的かつ決定的にの変化しているのだ。この ような時代を象徴するものを認識する知性が、時代を 切り開き、本当の文化を守り育てるのである。

right★補足(+解説)★        


※「起承転結」の「起」だが、結論も述べる。


・メディア=情報を伝達(表現・通信)するもの・媒体       ・手段(メール・電話など)
 →マスメディア=新聞・テレビ・雑誌・ラジオなど
・淘汰=(古い)不用・不適当なものを排除すること

☆電子書籍の波・インターネット時代にも後に残る

★人類が。日常的に書き言葉でコミュニケーションを  取っている時代は有史以来ない程に、情報化の進行  が、人間と言葉の関係を大きく書き換えて、人類の  文化そのものを大きく変化させようとし、問い直す  時代に生きていること(紙の本の存在意義も大きく  揺らいでいること)
★新しい技術が起こす新しい問題
orメディア環境の大きな変化(によって淘汰されゆく  ものがある一方で、その古いものだけが持つ良さが  あるという「いい話」がなされるが、それは本質的  なことを隠蔽するものである、という問題)
or電子書籍を巡る議論
・白眉=同類の中で、特に優れているもの
・エピローグ=後書き・終章←→プロローグ(前章)
・知=知性・知識・知恵。知を伝達する情報(言葉)

☆人間と知を伝達する情報との関係の変化という現実
   (→古いものはいざという時に役に立たない)
・別の次元では=別の立場に立つ考えでは

☆人間と知を伝達する情報との関係の変化と、時代を  象徴する力を持つものを、認識するものが、時代を  切り開く文化を守り育てる。










left★板書(+発問)★    
【二】(承)(技術革新がもたらす社会の変革と)
    文字文化の本質的なレベルの変化

                   (考察@)
   ※前述…童話「おじいさんのランプ」
    ・<電子書籍を巡る議論>で引き合いに
    ・<技術革新>がもたらす<社会変革>
      ↓
<文字文化>の本質的なレベルの<変化>
 =<紙の本>から<電子書籍>へという
  表面的なレベルの変化ではない
      ↓
<例@>流通している日本語の<<本の形式>>
    殆ど何の合理性もない

    ・明治の知識人の外国語翻訳の際に原型
    ・出版事情の変化・制作コスト・陳列ルール
      ↓
 ・人間が生理的に理解しやすい形式・リズム・分量   ではない=最適化されたものでない

<例A>短文投稿のSNS(が全盛)で、
    フォロー投稿をほぼ全部読むことが多い

 ・3〜4日で1冊の活字を読む
      ↓
 ・もちろん、同じ書き言葉でもソーシャリメディア   の言葉と本の言葉は違う。けれど人間に文字情報   を通じて何かを伝える時に、今の<本の形式>が   適しているか、考え直すべきだ
  →出版文化・書き言葉によるコミュニケーション    ・教育すら変えうる

▼〈段落まとめ〉
技術革新がもたらす社会変革は、文字文化では本質的 なレベルで進行していて、紙の本がなくなり電子書籍 に取って代わられるという表面的なレベルの変化では ない。
流通している本の形式は殆ど何の合理性もなく、人間 が生理的に理解しやすい最適化されたものではない。 短文投稿のSNSが全盛で、投稿を読む量は3〜4日 で1冊の活字を読むほどであり、ソーシャリメディア の言葉と本の言葉は違うが、人間に文字情報を通じて 何かを伝える時に、今の本の形式が適しているかを、 考え直すべきだ。それは、出版文化・書き言葉による コミュニケーション・教育すら変えうるだろう。

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※文字文化と紙の本の変化






・レベル=水準・程度・段階



・四六判=紙・書籍の寸法が、130mm×188mm
     教科書は148mm×210mm






・SNS=social networking serviceインターネット
     上の会員制サービス
・タイムライン=SNS上で、投稿された記事を時系         列順に表示する機能
・ソーシャルメディア=インターネット上で、多数の     人々が双方向で情報伝達を行える仕組み
☆もちろん…けれど→譲歩構文
今の時代に、今の本の形式は最適ではない
☆紙の本の淘汰(排除)・ICT教育


☆文字文化では、変革が本質的なレベルで進行してい
 て、本の形式は、生理的に最適でなく、短文投稿の  SNS全盛で投稿を読む量は3〜4日で1冊の活字  を読むほどであり、ソーシャリメディアの言葉と本  の言葉は違うが、人間に文字情報を通じて何かを伝  える時に今の本の形式が適しているかを、 考え直す  べきだ。







left★板書(+発問)★    
【三】(転)(日常的に書き言葉で意思疎通するほど)
   人類の文化も変化させる情報化の進行

                   (考察A)
<本質的な変化>が現代は起こっている
 ・<情報化の進行>が
  <人間と言葉との関係>を大きく換える
 ・デジタル化で<紙の本の存在意義>が揺らぐ
    ↓
▼<情報化の進行>が
 <人類の文化>そのものを大きく変化
 させようとしている
 ・有史以来、人間が
  <日常的に書き言葉でコミュニケーション>
  する時代はない
    ・携帯メール・ブログ・SNS→連絡・雑感
      ↓
 ・<人間と言葉>との関係を<問い直す>時代だ。
  大きな変化の一部分として<本の問題>がある。

<例>多くを担って来た<紙の本の役割>は、
   他にも沢山の回路があるから、
   情報を何に乗せて人に届けるか、
   <考える必要>がある
    ・知識・技術の習得、政治・宗教・物語など
      (インターネット上のYouTubeなど?)

<例>知識取得の手段は     (=教養の蓄積)
 ・(以前)「紙の本」を<積み重ねる>こと
 ・(今は)ネットワーク内の膨大な情報から
      必要なものを<切り出す>こと
   →かつて本が担っていた機能を更新させる
      ↓
<極端な例>
 ・集積された情報にアクセスする
  検索ツールさえあればよい(知識取得できる)。
  =様々なネットワークの膨大な情報から、
   個々の情報を<区切る>(切り出す)
   ことが問題になる(ことで知識取得できる)。
      ↓
 ・人間と知との関係が<逆転>
  =<紙の本>中心から、<人間>中心へとなる

▼〈段落まとめ〉
人間が日常的に書き言葉でコミュニケーションすると いうほど、人間と知(を伝達する情報)との関係が変化 して、人類の文化も変化させる情報化の進行により、 従来の「紙の本の役割」は考え直すべきだ。

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人間と知(を伝達する情報)との関係の変化
 (第一段落…繰り返し)





★手紙は<書き言葉>で文通するが、
 日常は<話し言葉>でコミュニケーションする。

★紙の本の役割を問い直す
☆人間が、他者の考えに、文字情報で接する場合、
 長い間<本を読む>以外に手段がなかった。

        【情報】 【メディア】
|―――――||――――|     |――――|
|     →→音?絵?|→紙の本→|    |
| 【知】 →→話し言葉|  ↓  |【人間】|
|     →→書き言葉|→SNS→|    |
|―――――||――――| 電子書籍 |――――|
 知識・技術      (沢山の回路)
 思想・物語etc.






・所与=与えれる(た)
☆大学の先生の研究室は、蔵書が沢山積み重ねられ、
 知識・教養を象徴しているかのようだ












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【四】(結)いざというとき役に立たない古いもの
                    (補足)
〇童話「おじいさんのランプ」の主人公の孫(80歳)
 ・ネット書店を放火しに行くつもりが、カーナビの   故障で、紙の地図を買って位置を確認するために   暗い中で老眼を駆使するが?
 ・「紙のような古いものはいざというとき役に立た   ない」と呟くかも知れない。

▼〈段落まとめ〉
童話の主人公の孫も、「紙のような古いものはいざと いうとき役に立たない」と呟くかも知れず、情報化の 進行により社会が変革された現代は、時代を象徴する ものこそが必要とされる。

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〈要約270字=24×11〉









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