北関東への夏の旅、3日目は奥鬼怒四湯である。20年も前から、是非とも行きたいと思っていた所だ。元々は電気も通じていず、非常に交通の便が悪くて、手段は徒歩しかなかったような奥地の秘湯で、そう何度も行ける訳ではない。そういう意味では、今回の一番のメインとも言える。
奥鬼怒温泉郷は、福島・群馬との県境に近い栃木県最北西部の鬼怒川源流の秘境に湧く、川俣・平家平・女夫淵・加仁湯・八丁の湯・日光沢・手白沢などの秘湯の総称である。日光の北西で、湯西川の南の方角に位置していている。川俣の他はいずれも一軒宿で、大自然の緑に囲まれた素晴らしい露天風呂が多く、鬼怒沼・尾瀬への登山客の利用も多い。
関東最後の秘境と言われ、1980年代後半に電気・電話が引かれ奥鬼怒スーパー林道が開通するまでは、ランプや自家発電の宿で、容易に訪れることのできない所であった。現在でも女夫淵より西は一般車の通行は禁止である。従って、女夫淵の大駐車場(無料)からは徒歩のみで往来可能なのである。但し、加仁湯・八丁の湯の宿泊者は専用バスの送迎がある。近隣には野湯も多数あり、沢噴橋の下から40分ごとに熱湯が噴き上がる間欠泉などもある。
泉質は、硫黄泉・硫酸塩泉・炭酸水素塩泉・食塩泉・単純泉等48-70℃で、無色または乳白色・無臭または硫黄臭・浮かぶ湯の花などの特徴がある。一般的適応症をはじめ効能は豊かである。日帰り入浴は、手白沢の他は一応どの宿も可能だ。加仁湯は濁り湯、八丁の湯は滝の眺め、そして日光沢は山小屋の風情と、どの露天風呂もそれぞれに個性的な良さがある。
|
観光は、登山はもちろんだが、往復5〜6時間で行ける鬼怒沼ハイキングが、一番の人気コースであるようだ。標高は2,040mあるという。加仁湯を拠点として、他の宿などに散歩するのもよい。元気な小学生が一緒の家族連れなども幾組かいて、微笑ましいものである。熊が出没しそうな臭いもするが……。
しかし、何と言っても大変な秘湯であるのだ。今度訪れるのはいつになるだろう。とりあえずは、湯を楽しむ! これが、温泉マニアとして賢明な選択であろう。
|
川俣温泉にて
|
|
奥鬼怒温泉郷へのドライブ
▼ 東名6時間-首都高渋谷池袋線-外環60分-東北道70分-宇都宮-
▼ 日光道-今市IC-R121-川治-鬼怒川沿い県道90分-川俣-平家平-
▼ 女夫淵(車は無料駐車場に止めて)-徒歩80分or送迎バス25分で
今市ICより所要2時間(女夫淵まで90分)(京阪神より10時間)。
|
▼ 今回の旅では、(東北道)西那須野塩原IC-R400-塩原-那須-塩原-日塩もみじライン-R121-川治-県道-女夫淵-奥鬼怒。鉄道では、東京浅草-東武特急スペーシア120分(新宿-JR特急120分)-(東武)鬼怒川温泉駅-バス100分-女夫淵-徒歩または送迎バス。
|

「加仁湯」ロビー横の部屋(熊や鹿などの剥製が置かれている)
|
|