(別府)明礬温泉 (大分県)   (別府IC→R500)

硫黄ガス漂う(野湯)鍋山の湯(灰濁色)

 14年ぶりに、再び九州中部を訪れた。以前は夏で、犬も一緒だったが、今回は春3月である。関門海峡を渡れば九州だ。パーキングエリアから壇ノ浦が見える。800年前、平家が源氏に敗れて貴族社会が終焉を迎え、鎌倉武士政権が成立することになった所だ。青々として明るい海に、桃色の桜がヒラヒラと舞い落ちていた。懐かしい気がした。出発してから6時間、更に3時間ほどで湯布院に着いた。2日目は黒川、3日目は阿蘇、そして別府は4日目に訪れた。

 別府温泉郷は、大分県中部の海に面した所にあり、草津温泉に次いで1日14万トンと日本第2のの湧出量を誇る大温泉郷である。歴史は古く、8世紀初めに遡るものもある。明治以降、交通の便が良くなって開発が進み、湯布院・塚原を加え「別府十湯」とも呼ばれた。その後、大正の頃の町村合併や市制施行とともに、「別府八湯」と呼ばれるようになったと言う。
 浜脇・別府・亀川・鉄輪・観海寺・堀田・芝石・明礬などの温泉である。日本にある11種類の泉質のうち10種を揃え、同じ別府でも泉質や趣が異なっていて、色々な温泉を味わうことができる。美しい白濁色の酸性泉・硫黄泉などが多く、また、有名な噴煙の上がる海地獄・血の池地獄などもある。

 明礬温泉は、そのような別府八湯の一つで、(大分道)明礬アーチ橋の西の高台に位置する、山間の静かな温泉である。眼下に一望できる市街には、噴煙や蒸気が幾筋も立ち昇っているのが見える。全国的にも有名な別府温泉だが、その中でも明礬は特に素晴らしいとマニアに評価されている。
 その理由は二つの泉質にある。一つは、白濁色・硫黄臭が特徴の硫黄泉。含有する硫化水素ガスが毛細血管を広げて、血圧を下げる作用があり、他にも疲労回復・皮膚病・創傷・糖尿・動脈硬化症などにも効能があるらしい。
 もう一つは、無色透明のアルカリ性炭酸泉である。皮膚の角質を柔らかくして脂肪分や分泌物を洗い流し、しっとりとした美肌になれるという。


 別府は、共同浴場や日帰り入浴が可能な宿も多いようだ。時を忘れていつまでも、本物の中に浸かっていたいものである。
 近くには、鶴見岳ロープウェイなどがあり、桜が見頃であった。鍋山の野湯も、いかにも秘湯で悪くなかった。懐かしい橋・街並み・海の眺望やコバルトブルーの湯は、芯から癒してくれたようだ。九州を堪能して、午後5時頃には別府を後にして、関西への帰途に着いた。

(別府)明礬温泉へのドライブ
▼ 下関IC-九州道-小倉東IC-東九州道-R10-宇佐別府道-
▼ 日出JCT-大分道-別府IC-やまなみハイウェイ-R500-北西で
小倉東ICより所要2時間半
▼ 小倉東ICより九州道-福岡IC-鳥栖JCT-大分道-日田IC-湯布院IC-日出JCT-別府ICでも所要2時間半。

(1996年は「ゑびすや」に宿泊)

関門橋PA(壇ノ浦古戦場の上、対岸は九州)

(別府)鶴見岳ロープウェイ
温泉施設 湯の里 露天風呂 岡本屋旅館 温泉旅館 ゑびすや (野湯)鶴の湯 (野湯)へびん湯 (野湯)鍋山の湯
(別府)温泉保養ランド
湯の里 露天風呂

近くの鶴寿泉(共同浴場)
【所在】 別府市明礬6組
【電話】 0977-66-8166
【時間】 10:00-22:00。
【料金】 【入浴】\600。【宿泊】なし。
【泉質】 単純酸性-硫黄泉65℃。湯は青白濁色・硫黄臭。効き目が強く変色するので、アクセサリー・貴金属は必ず外さねばならない。
【施設】 共同浴場「鶴寿泉」「岡本屋」「ゑびすや」より北で、別府一の高台(350m)に位置する絶景の日帰り大露天風呂。「薬用湯の花」の聖地として有名な湯煙に包まれた湯の花小屋がある。小さな木枠内湯と、明礬大アーチ橋や別府湾や鶴見岳の雄大な景色が眺められる大露天岩風呂と、湯の花小屋の中のような木枠の家族湯(\1,500/60分)がある。P80台。アクセスは、別府ICよりやまなみハイウェイ-R500を北西の高台で8分。
【評価】 ★★★★☆
岡本屋旅館

「ゑびすや」前の懐かしい宿
【所在】 別府市明礬4組
【電話】 0977-67-5858
【時間】 13:00-21:00。
【料金】 【入浴】\800。【宿泊】\13,000-。
【泉質】 炭酸硫黄泉。湯は、白濁色。
【施設】 明礬アーチ橋の西に位置する山間の静かな温泉地にある、明治10年創業の老舗の宿(17室)。別府湾・噴煙の眺望が良い。大浴場・岩風呂・庭園露天・砂蒸などがある。アクセスは、別府ICより-やまなみハイウェイ-R500を北西で5分。
【評価】 ★★★☆☆
温泉旅館 ゑびすや

以前と同じの懐かしい玄関
【所在】 別府市明礬4組
【電話】 0977-66-0338
【時間】 10:00-23:00。
【料金】 【入浴】\1,000。【宿泊】\12,750-。
【泉質】 炭酸硫黄泉。湯は、白濁色・硫黄臭。
【施設】 明礬アーチ橋の西のやや高台にあり、創業明治7年と明礬で一番古い宿。岡本屋の隣にある。内湯岩風呂・箱風呂・露天岩風呂・砂蒸し風呂・貸切風呂(\2,000/60分)がある。部屋から見る別府湾・明礬アーチ橋の眺望が素晴らしいが、最近は改造して日帰り施設「湯屋えびす」に力を入れているようだ。十数年前とは異なった雰囲気で、少し淋しいものがある。P20台。アクセスは、別府ICより北西5分。
【評価】 ★★★★☆(1996・2010)1996年は新築の美しい和洋室に泊まり、一緒に連れて来た犬はワゴン車の後部座席に寝かせたものだったが。
(「明礬」西の)白煙・硫黄ガスが立ち昇る鍋山 ⇒
.


(野湯) 鶴の湯

近くの地獄(泉源)
【所在】 別府市鍋山
【電話】 0977-24-2828
【時間】 0:00-24:00。無休。
【料金】 【入浴】\無料。【宿泊】なし。
【泉質】 硫黄泉。湯は、薄い灰褐色・ぬる湯の特徴。
【施設】 「鍋山の湯」への途中にある別府三大秘湯の一つで、霊園の看板で左折して登り、獣道を進んだ所にある野湯。野趣ある小さな石組み露天風呂がある。混浴である。TEL:観光協会。P辛うじて可。
【評価】 ★★★☆☆
(野湯) へびん湯

【所在】 別府市鍋山
【電話】 0977-24-2828
【時間】 0:00-24:00。無休。
【料金】 【入浴】\無料。【宿泊】なし。
【泉質】 硫黄泉。渓流に自噴する湯を引湯。湯は、無色・サッパリ感の特徴。
【施設】 「鍋山の湯」への途中で左折し1.5km行った、山間の自然の中にある野湯。鬱蒼とした緑に囲まれた野趣ある露天岩風呂4・脱衣所がある。混浴で、P数台可。TEL:観光協会。アクセスは、別府ICより-ゑびすや-山道で12km。
【評価】 ★★★★☆(2010.3)
(野湯) 鍋山の湯
【所在】 別府市明礬鍋山
【電話】 0977-24-2828
【時間】 0:00-24:00。無休。
【料金】 【入浴】無料。【宿泊】なし。
【泉質】 硫黄泉。源泉濃厚。湯は、灰濁色(パックができるほどの泥湯)と無色透明の2つで、強硫黄臭・酸味・ピリピリ感。
【施設】 明礬温泉より西にデコボコの山道を溯った、周囲は地獄谷といった鍋山東麓の山間にある秘湯。別府湾の眺望が素晴らしい高台に、上下2ヶ所に分かれてある、自然にできた開放的な露天岩風呂。野湯だから、もちろん混浴で、脱衣所はない。Pスペースは、5分ほど下った所に5台分位ある。TEL:観光協会。別府ICより-明礬ゑびすや-細い山道(セダン不可)15分-沢沿い徒歩10分で10km。★★★★★(最高)だが、硫黄ガスのため危険。途中に別府三大秘湯の一つ「鶴の湯」もある。
【評価】 ★★★★★(2010.3)小雨降る中をせっかく辿り着いたのに、残念なことに若い米人カップルの先客がいた。仕方なく両手両足だけしばらく浸かって、もう一つの方に行った。そこも一人の男性の先客がいた。
2カ所ある中のもう一つの野湯(無色透明) ⇒
.

(別府)温泉保養ランド
【所在】 別府市明礬5組紺屋地獄
【電話】 0977-66-2221
【時間】 9:00-20:00。無休。
【料金】 【入浴】\1,050。【宿泊】なし。
【泉質】 酸性明礬泉・硫黄泉。湯は白灰濁で、糖尿・アトピー・水虫・ヘルニアなどに効能抜群であるという。
【施設】 明礬アーチ橋の東の山間にあり、山里のいで湯の旅情が味わえる日帰り施設。すぐ東には、海地獄・山地獄・鬼山地獄・鉄輪温泉がある。保養ランドの紺屋地獄は、古くは「豊後風土記」に記載され、弘法大師も訪れたという大変由緒ある温泉だという。屋内泥湯・ガラス張りコロイド湯・サウナ・屋外泥湯・開放的で眺めの良い屋外鉱泥大浴場(露天風呂)などがある。P200台。アクセスは、別府IC-やまなみハイウェイを北-R500を北東すぐ。鉄道では、別府駅西口-バス(立命館太平洋大学行・安心院行・サファリ行)25分-紺屋地獄前にて下車(\360)。
【評価】 ★★★★☆
明礬アーチ橋(「えびす屋」より) ⇒
.

中国道 ⇒ 下関IC ⇒ 九州道 ⇒ 小倉東IC ⇒ 東九州道 ⇒ R10 ⇒ 宇佐別府道 ⇒ 日出JCT ⇒ 大分道 ⇒ 別府IC ⇒ やまなみハイウェイ ⇒ R500 ⇒ (別府)明礬温泉