left★原文・現代語訳★
〈授業の展開〉
【一】(起)両頭の蛇を見たと泣く孫叔敖
(導入)
孫叔敖為嬰児、出遊而還、憂而不食。
孫叔敖(そんしゅくごう)嬰児(えいじ)たりしと
き、出遊して還(かへ)り、憂へて食らはず。
=孫叔敖が幼ない子どもであったとき、遊びに出て
帰り、心配そうにして何も食べなかった。
其母問其故。
其の母其の故(ゆゑ)を問ふ。
=その母はその理由を尋ねた。
泣而対曰、「今日吾見両頭蛇。恐去死無日矣。」
泣きて対(こた)へて曰はく、「今日吾両頭の蛇を
見たり。恐らくは死を去ること日無からん。」と。
=(孫叔敖が)泣いて答えて言うことには、「今日
私は頭が二つある蛇を見た。おそらく死を去って
いるのも日がないだろう(死ぬまでに日がない)
だろう。」と。
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right★補足・文法★
・孫叔敖=春秋時代に、楚の国を覇者にする名宰相と
なる政治家
・嬰児=幼い子ども
・憂=心配そうにして
・両頭の蛇=頭が二つある蛇。枳首蛇(しゅしゅだ)と
呼ばれる伝説上の生き物で、大きさは小指くらいで
長さは30cm 位。背中に錦の模様があり、腹は鮮や
かな赤。両方に頭があるように見えるという
☆もうすぐ死ぬだろう、自分の死は近いだろう
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