left★板書(+補足)★
〈授業の展開〉
【一】(前半)<春の寺の境内の情景と青春>
(青年の視点)
あはれ(=ああ) <花びら>(=桜の花弁)ながれ
・ああ、桜の花びらが(静かに次々と散っては)
(春の風にゆったりと舞うように)流れ
<をみなご>(=少女)に 花びらながれ
・(参道を歩む初々しい)少女たちに、花びらが
(舞うように)流れ(ているのが見える)
しめやかに(のどやかに) 語らひ
・(そこを少女たちは)のどやかに語り合い
うららかの 跫音空に ながれ
・(春の陽の)麗らかな(中を歩く少女たちの)
足音が(響いて)空に(消えて)流れてゆき
をりふし(時々)瞳を……
・時々、(円らな)瞳を(上げて、青空に映えた
桜を眺める少女たちの顔が見える?)……
翳りなき <み寺の春を すぎゆくなり>
・一点の曇りもない春の(陽射しの中の)お寺を
通り過ぎてゆく (少女たちは、今まさに
青春の真っ只中を歩んで行こうとしている)
のである。
▼〈まとめ〉
静かな春の寺の境内で、桜の花が散り、「をみなご」
がゆっくりと語らい歩く情景
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right★発問☆解説ノート★
・母音(あ・は・は・な・な・が)の反復
☆連用中止→静かにゆったり移り行く、春の時の流れ
・をみなご=少女、女学校の生徒(15〜16歳)
・母音(み・に・び)・「ながれ」の反復
・春のしっとりとした雰囲気・少女の美の初々しさ
・語らひ→2人以上
・うららか=春の日が柔らかくのどかに照っている様
・跫音=人の歩く足音
・翳りなき=一点の曇りもない→若々しい人生を暗示
☆み寺=お寺、上品な感じのする春の古寺のイメージ
春=輝かしい青春→「春のみ寺」ではない
・なり=断定の助動詞→文語詩
☆青年は、春の美しさと、それを体現する少女たちに
魅せられているが、溶け込めない孤独感も窺える。
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