left★板書(+補足)★
〈全体の構成〉(←視点の移動・時系列・場面)
→起承転結の構成
【第一連】<惜別の悲しみと妹の言葉>(室内で)
・今日、妹は遠くに旅立つ
・妹が「雨雪を取って来て」と頼む
【第二連の@】<妹への感謝と希望>(戸外で)
・妹に感謝し、真っ直ぐ正しく生きようと決意する
・雪は天に近い銀河から降る、と知って希望となる
【第二連のA】<二相系のみぞれ>(戸外の庭で)
・戸外の置き石の上に、揺れる気持ちで危うく立つ
・二相系をした妹の最後の食べ物を貰って戻る
【第三連】<美しい雪のような妹>(戻った室内で)
・妹は優しく青白く最後の命の火を燃やしている
・真っ白で美しい雪は、清らかな妹そのものである
【第四連】<万人の幸福を願う生き方>(室内で)
・この雪を、天に生まれ変わる妹への餞として祈る
・この雪が、万人に幸福をもたらすことを願った
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↑ ◎↓
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生まれ変わる ↑ 雪◎↓
↑ ◎↓
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最大の理解者
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right★発問☆解説ノート★
〈粗筋〉
【第一連】
今日、妹は遠くに旅立とうとしている。外はみぞれが
降っている。病室の中で「私」は心の中で呼びかけて
いた。すると、妹は「雨雪を取って来て」と頼んだ。
「私」は子供の頃からの思い出に満ちた欠けた陶椀を
二つ持って、戸外に飛び出した。
【第二連の@】
外に出てみると、蒼鉛色の暗い雲から、びちょびちょ
みぞれは降って来る。妹の言葉は、後に残される兄の
一生を明るくするためなのだと理解して、真っ直ぐに
正しく生きて行こうと心に誓い、妹に感謝した。
【第二連のA】
庭の置き石などの上に危うく立つと、みぞれが寂しく
たまっている。別の世界に別れる二人のように、個体
と液体という二つの状態に別れて共存するみぞれを、
松の枝から妹の最後の食べ物として貰って戻った。
【第三連】
室内では、妹は暗い屏風や蚊帳の中で最後の命の火を
燃やしている。妹の最後の食べ物となる雪は、乱れた
空から降って来るが、あまりも真っ白で美しい。また
生まれてくる時は、他者の幸福を願う人間でありたい
という、清らかな妹そのものである。
【第四連】
「私」は、妹への餞として祈った。この雪が、万人の
ためを思う妹の食べ物となり、妹が生まれ変わり衆生
を救済する弥勒菩薩が住む天上世界の資糧となって、
また空から降って来て世界のみんなに幸福をもたらす
ことを願った。
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