left★板書★
「現代文授業ノート」(普通クラス)
   加藤幸子「茉莉花の日々/父娘ピクニック」

〈作品=『茉莉花の日々/父娘ピクニック』〉
〇高校生・茉莉花(まつりか)の生活を描く

〈概要〉
家族の原風景を求めようとするが、
 それは過去のものでしかなかった。(→主題)

〈全体の構成〉 (→要約→主題)

【一】思い出の場所へ

◎退院を機に、家族三人の姿があった思い出の場所
 砂浜がある町へ出かけたが、父が語る当時は意外で
 別の人間の物語のようであった。

【二】現実は消えた砂浜

大切な思い出の場所は、現実は消えた砂浜となって
 十五年前とはすっかり変わってしまい、私たちの間
 を塞いでいるかのようだった。

【三】共感と愛の再確認

◎悲しそうな父を気遣い共感を覚えながら、親の愛を
 再確認
した。

【四】見出せない家族の原風景

◎しかし、十五年前の家族の姿を見出そうとするが、
 それは過去のものでしかなかった

 
right★補足・発問★

(評論)2017年10月

〈作者=加藤幸子〉
・昭和11年(1936)〜
・幼少期の北京での体験を基に描いた
 『夢の壁』で芥川賞を受賞







→思春期を迎えた茉莉花は、両親との間に少し距離を
 置くようになっていた
・二の句がつけない=続きの言葉がでない



・父にとっての砂浜は、十五年前に幼い「まつり」を
 抱いて幾度か訪れた所であり、家族の原風景とも言
 える大切な思い出のある場所であった。






・娘の「まつり」も、若い父と母と赤ん坊の自分とい
 う家族の原風景を見出そうとするが、目に映るのは
 「群れ飛ぶカモメの姿」だけで、それは見えなかっ
 た。堤防とテトラポットが自分たちの間を塞いでい
 るように、十五年前の家族の姿は過去のものであっ
 て、取り戻すことはできなかったのである。

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