(八幡平)松川温泉 (岩手県)   (松尾八幡平IC→アスピーテライン)

 夏休み、東北旅行の2日目、岩手八幡平を目指した。10数年前から是非とも行きたかった、松川・藤七といった白濁の硫黄泉があるのだ。

 松川温泉は、秋田との県境に近い岩手県北西部の、岩手山北西の八幡平東麓に点在する温泉の一つである。後生掛温泉や玉川温泉からは、アスピーテラインを東進して県境を越え、樹海ラインを南下した、八幡平国立公園の雄大な自然に包まれた松川渓谷沿いにひっそりと佇む鄙びた温泉地で、3軒の宿がある。

 いずれも風情ある露天風呂を備えていて、湯巡りが楽しめる良質な温泉として有名だ。登山・スキー・キャンプをする人や湯治客が多いようだ。開湯は250年程前(一説に700年以上前の平安時代)と歴史は古い。

 泉質は、単純硫化水素泉63-85℃、乳白色で、これぞ温泉といった硫黄臭がし、飲用も可である。一般的適応症の他、皮膚病・糖尿病・高血圧などにも効能がある。いずれの宿も日帰り入浴は可。


洞窟風呂

 アスピーテラインは、八幡平山頂までの標高差600mを一気に駆けて行く山岳道路で、車窓からは森や湿原の他に、赤茶けた地肌を見せる茶臼岳や、美しい蓬莱沼・御在所沼・五色沼(零下30℃でも凍らない)などの湖沼が点在するのが眺められ、格別の景色である。

 この日は八幡平に宿泊し、翌日、見返峠を越えて秋田県側に行くのが楽しみであった。

(八幡平)松川温泉へのドライブ
▼ 東北道-松尾八幡平IC-八幡平アスピーテラインの南側の県道-
▼ 八幡平温泉郷-南西で
松尾八幡平ICより所要30分
▼ 鹿角八幡平ICからでは、R341-アスピーテライン-後生掛-蒸の湯-見返峠-藤七-樹海ラインで所要3時間。鉄道では、JR盛岡駅より、バス110分。
温泉施設 元湯 松楓荘 松川荘 峡雲荘
元湯 松楓荘

【所在】 八幡平市松尾寄木松川温泉
【電話】 0195-78-2245
【時間】 8:00-20:00。無休。
【料金】 【入浴】\500。【宿泊】\8,500-。
【泉質】 単純硫化水素泉63℃.pH2.7。自噴20.1g/分・源泉掛け流しで、白濁色・硫黄臭。
【施設】 渓谷にひっそりと佇む、松川で一番古い木造の湯治宿(21室)。「日本秘湯を守る会」会員の宿である。温泉発見は平安時代(1062年)で、創業は1713(寛保3)年。渓流がすぐ傍を流れていて、美しい渓谷を一望し、最も風情がある。全館、地熱蒸気を利用した暖房設備により、冬も暖かい。木造内湯各1・柵を巡らした野趣ある川辺露天岩風呂(混浴1女1・目の前に清流の眺め)・吊橋を渡って行く洞窟露天風呂(混浴・女性専用時間あり)・休憩所がある。食事は、山川の幸(松茸・しめじ・筍・わらび・ふき・岩魚・紅鱒など)・黒豚キムチ鍋・牛しゃぶしゃぶ。日帰り弁当\1,500もある。渓谷での釣り・紅葉樹林(ブナ・ナラ)での森林浴も良い。
【評価】 ★★★★★(2009.08)まさに秘湯という感じがする。
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松川荘
【所在】 八幡平市松尾松川国有林557
【電話】 0195-78-2255
【時間】 7:00-19:00。土日祝日10:00-14:00。無休。
【料金】 【入浴】\500。【宿泊】\10,000-。
【泉質】 単純硫化水素泉85℃。源泉掛け流しで、白濁色と無色の2種類・硫黄臭・湯口に黄色い湯の花が付着・スベスベ感の特徴。
【施設】 ブナやナラなど等の原生林に囲まれた海抜800mの松川渓谷沿いにある、ロッジ風で内部は純和風な木造の宿(64室)。松川で最も規模が大きく、湯治・登山客が多い。地熱発電所が近くにあるのが見える。ガラス張り洋風内湯各1・緑に囲まれた屋根付きひょうたん型大露天石風呂など(混浴1女2・天然石で仕切られている)がある。食事は、岩魚・山菜・茸・ホロホロ鍋など。P100台。
【評価】 ★★★☆☆(2009.08)大きな四輪駆動車やベンツなどが駐められていた。
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峡雲荘
【所在】 八幡平市松尾寄木1-41
【電話】 0195-78-2256
【時間】 8:00-19:00。
【料金】 【入浴】\500。【宿泊】\12,750-。
【泉質】 単純硫化水素泉70℃。湧出240g/分・源泉掛け流し(高温のため加水・非加温)で、少し緑がかった白濁色。
【施設】 松川の森が目の前に広がり、ホテル風の宿(45室)。「日本秘湯を守る会」会員の宿で、バス停があり、松川では最も建物が綺麗な感じである。入浴施設は、ガラス張り木造内湯各1・緑いっぱいの中で巨大な岩で囲んだ庭園露天岩風呂(混浴1女1・地熱発電所の白い蒸気や山々の眺め)がある。食事は、ホロホロ鍋が別注(\3,150)で食べることができる。
【評価】 ★★★☆☆(2009.08)普通の女性の宿泊には適切。
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