left★原文・現代語訳★
「古文現代語訳ノート」(普通クラス)
   清少納言「枕草子/
          26段 にくきもの」

         (28段)

〈作品=『枕草子』〉
平安中期1001年頃成立
 →日本最古の随筆(文学)
 →三大随筆の一つ
  ・清少納言『枕草子』(1001年頃)
  ・鴨 長明『方丈記』(1210年頃=鎌倉初期)
  ・兼好法師『徒然草』(1330年頃=鎌倉末期)
一条天皇の宮定子を中心とする後宮に出仕
 していた頃の見聞・体験・感想などを記す
 →政治的な事には触れず、天皇・中宮への賛嘆と
  後宮文化の華やかさを表現することに終始
〇約300段
 ・随想章段
  →思ったまま記す「春は曙」「五月ばかり…」等
 ・日記(回想)的章段
  →中宮定子に仕えた宮廷生活での体験・見聞を
   記す「中納言参り給ひて」等
 ・類聚的章段(ものづくし)
  →自然・人事を項目別にまとめた「にくき物」
   「うつくしき物」「鳥は」「虫は」等
〇書名の由来→最終段「枕にこそ侍らめ」が参考
 →「枕」=身辺座右に置いていた冊子
     (草子・草紙・双紙=綴じ本)
 →「備忘録」「身辺の随想」

〈概要〉
〇作者が「にくきもの」とするものを列挙した類聚的
 章段の一つ。平安時代に宮中で出仕した貴族女性の
 内面(意識・知性・感受性)をうかがい知ることが
 できる。              (→主題)

〈全体の構成〉
〇構成は、起承転結などというものではなく、
 末尾も尻すぼみとなっている  (→要約→要旨)


〈授業の展開〉

【一】<>
にくきもの。急ぐことあるをりに来て、長言するまら うと。あなづりやすき人ならば、「後に。」とても、 やりつべけれど、さすがに心はづかしき人、いとにく く、むつかし。
=嫌な(気に入らない)もの。急ぐこと(が)ある時
 に(やって)来て、長話する客。軽くあしらうこと
 のできる人ならば、「(また)後で」とでも言って
 帰してしまうこともできそうだが、そうは言っても
 やはり遠慮のある人は(そうもできず)、 とても  嫌で、煩わしい。

硯に髪の入りて、すられたる。また、墨の中に、石の きしきしときしみ鳴りたる。
=硯に髪の(毛が)入って(いる状態で)、(墨が)
 擦られれているの(も嫌だ)。また、墨の中に石が
(混じって)きしきしと軋んで(音を立てて)鳴って
 いるの(も嫌だ)。

にはかにわづらふ人のあるに、験者もとむるに、例あ る所になくて、外に尋ねありくほど、いと待ち遠に久 しきに、からうじて待ちつけて、よろこびながら加持 せさするに、このころ物怪(もののけ)にあづかりて 困(こう)じにけるにや、居るままにすなはち、ねぶ り声なる、いとにくし。
=急に病気になった人がいるので、(いつも祈祷して
 もらっている)修験者(を)探し求めるが、普段いる
 所にいなくて、他の所を尋ねて歩き回る間、とても
 待ち遠しく長く感じていると、やっとのことで来る
 のを待って(その修験者に)出会って、喜びながら
 (病気平癒の)加持祈祷(の祈り)をさせると、近頃
 (は、生霊や死霊などの)物の怪(調伏)に関わって
 疲れてしまったのだろうか、座ると直ぐに眠そうな
 声であるの(は)、とても嫌だ。

【二】<>
なでふ(ナジョウ)ことなき人の、笑がちにて、ものい たう言ひたる
=何ということもない人が、笑いを浮かべて(得意気
 に)、たいそうものを言っているの(も嫌だ)。

火桶(ひおけ)の火、炭櫃(すびつ)などに、手のう らうち返しうち返しおしのべなどして、あぶりをる 者。
=火鉢の火や囲炉裏などに、手のひらを何度も引っく
 り返しては(皺を)押し伸ばしたりなどして、あぶ
 っている者(も嫌だ)。

いつか若やかなる人など、さはしたりし。老いばみた る者こそ、火桶のはたに足をさへもたげて、もの言ふ ままに押しすりなどはすらめ。
いつ若々しい人など(が)、そんな事をしたか(い
 や、していない)。年寄りじみた者こそ、火鉢の縁
 に足まで持ち上げて、おしゃべりしながら(足を)  こすり合わせたりなどしているようだ。
さやうの者は、人のもとに来て、居むとする所を、ま づ扇してこなたかなたあふぎちらして、塵はき捨て、 居もさだまらずひろめきて、狩衣(かりぎぬ)の前巻 き入れても居るべし。
=そのような者は、人の所にやって来て、座ろうとす
 る所を先ず扇であちこち煽り散らし、塵(を)掃き
 捨て、座っても落ち着かず体をふらふら動かして、
 狩衣の前を(膝の下に)巻き入れて座ったりもする
 のだろう。
かかることは、いふかひなき者の際にやと思へど、す こしよろしき者の、式部の大夫などいひしが、せしな り。
=こういう事は、つまらない身分の者(がするの)で
 あろうかと思うが、少しは悪くない(身分の)者で
 式部の大夫など(と)いった(者)が、したのであ
 る。

また、酒飲みてあめき、口を探り、鬚ある者はそれを なで、盃、異人に取らするほどのけしき、いみじうに くしと見ゆ。
=また、酒(を)飲んで喚き、口を探り、鬚(の)あ
 る者はそれを撫で、盃(を)他の人に与える時の様
 子(は)、ひどく嫌なものに見える。
また飲め、と言ふなるべし、身ぶるひをし、頭ふり、 口わきをさへ引き垂れて、童の、こう殿にまゐりて、 など謡ふやうにする。
=もっと飲めと言うのであるに違いない、身震いし、
 頭(を)振り、口の端まで(への字に)垂れて、子
 供が「国府殿にお参りして」などと(いう歌を)歌
 うように(身振りを)するの(は嫌だ)。
それはしも、まことによき人のしたまひしを見しかば 、心づきなしと思ふなり。
=それはまさに、本当に身分ある人がなさったのを見
 たので、不愉快だと思うのである。

ものうらやみし、身の上嘆き、人の上言ひ、露塵のこ ともゆかしがり、聞かまほしうして、言ひ知らせぬを ば怨じそしり、また僅かに聞き得たることをば、わが もとより知りたることのやうに、異人にも語りしらぶ るも、いとにくし。
=何でも羨ましがり、(自分の)身の上(を)嘆き、
 人の身の上(を)噂し、露塵ほどの些細な事も知り
 たがったり聞きたがったりして、教えてやらないと
 それを逆恨みして謗ったりし、また僅かに聞き得た
 事を自分が初めから知っていた事のように、他の人
 にも調子づいて(得意気に)話したりする(の)も
 とても嫌だ。

もの聞かむと思ふほどに泣くちご。烏の集まりて飛び 違ひ、さめき鳴きたる。
=何か聞いて(相手をして)やろうと思う時に泣く幼
 児(も嫌だ)。烏が集まって飛び交い、騒がしく鳴
 いているの(も嫌だ)。

【三】<>
忍びて来る人、見知りてほゆる犬。あながちなる所に 隠し臥せたる人の、いびきしたる。
=(夜、女性に会おうと)人目を忍んで通って来る男
 (に)、気付いて吠える犬(も嫌だ)。(内緒で通
 って来ているのを家の者に知られないよう)無理な
 な所(奥)に隠して寝させていた男がいびき(を)
 かいたりするの(も嫌だ)。

また、忍び来る所に、長烏帽子(ながえぼし)して、 さすがに人に見えじとまどひ入るほどに、ものにつき さはりて、そよろといはせたる。
=また、人目を忍んで通って来る所に、長烏帽子を被
 っていて、それでもやはり人に見られまいと慌てて
 (中に)入る時に、(長烏帽子が)何かに突き当た
 ってガサッと音を立てたりするの(も嫌だ)。

伊予簾(いよす)など掛けたるに、うちかづきて、さ らさらと鳴らしたるも、いとにくし。
=伊予国産の簾など(を)掛けてある所で、(そこを
 くぐろうとして、簾を)ちょっと頭に被って、さら
 さらと音を立てたりする(の)も、とても嫌だ。

帽額(もこう)の簾はまして、こはしのうち置かるる 音、いとしるし。それも、やをら引き上げて入るは、 さらに鳴らず。
=帽額の簾は(他の簾にも)まして、巻く芯にする細
 長い板が(敷居に)置かれる音(が)、ひどくきわ
 だつ(ので嫌だ)。それも、静かに引き上げて入る
 時は、少しも音は鳴らない(のに、なぜそうしない
 のか)。

遣戸を、荒くたてあくるも、いとあやし。すこしもた ぐるやうにしてあくるは、鳴りやはする。
=引戸を荒々しく乱暴に開け閉めするのも、本当にけ
 しからぬ。少し持ち上げるようにして開ける(時)
 は、(音が)鳴るか(いや、しない)。
あしうあくれば、障子(しょうじ)なども、こほめか しうほとめくこそ、しるけれ。
=下手に開けると、襖障子などもゴトゴト・コトコト
 と音を立てるので、(人が通って来たのが?)目だ
 ってしまう。


【四】<>
ねぶたしと思ひて臥したるに、蚊の細声にわびしげに 名のりて、顔のほどに飛びありく。羽風さへ、その身 のほどにあるこそ、いとにくけれ。
=眠たいと思って横になっている(時)に、蚊がか細
 い声で寂しそうに自分の名前を告げるのように(羽
 音を立てて)顔の辺りで飛び回るの(も嫌だ)。羽
 風までもその身の程に相応しい(音がする)のが、
 とても嫌だ。

きしめく車に乗りてあるく者。耳も聞かぬにやあらむ と、いとにくし。わが乗りたるは、その車の主さへに くし。
=きしきしと音を立てる牛車に乗ってあちこち外出す
 る者(も嫌だ)。耳も(音を)聞かないのであろう
 かととても嫌だ。自分が乗っている時は、その牛車
 の持主までも嫌だ。

また、物語するに、さしいでして、我ひとりさいまく る者。すべてさしいでは、童(わらは)も大人もいと にくし。
=また、(世間)話(を)している(時)に出しゃば
 って自分一人差し出がましく振舞う者(も嫌だ)。
 およそ出しゃばるのは、子供でも大人でもひどく嫌
 だ。

あからさまに来たる子ども・童(わらは)べを見入れ らうたがりて、をかしき物取らせなどするに、ならひ て、常に来つつ、ゐ入りて、調度(てうど)うち散ら しぬる、いとにくし。
=ちょっとやって来た女の子や男の子たちを目にかけ
 可愛がって、面白い物(を)与えなどする(うち)
 に、(それに)慣れていつも繰り返しやって来ては
 中に入り座り込んで身の回りの道具(を)散らして
 しまう(のは)、ひどく嫌だ。

家にても、宮仕へ所にても、会はでありなむと思ふ人 の来たるに、空寝をしたるを、わがもとにある者、起 こしに寄り来て、いぎたなしと思ひ顔に、引きゆるが したる、いとにくし。
=家ででも奉公している宮中ででも、きっと会わない
 でいようと思う人が来た(時)に、狸寝入りをして
 いる(の)を、自分の所にいる者(が)起こしに近
 寄って来て、寝坊だと思っている顔つきで引っ張り
 揺り動かしたりする(のは)、ひどく嫌だ。

今まゐりのさしこえて、物知り顔に教へやうなること 言ひ、うしろ見たる、いとにくし。
=新参の者が出しゃばって(古参の人を差し置いて)
 物知り顔で教えるようなこと(を)言い、世話をや
 いている(のも)、ひどく嫌だ。

わが知る人にてある人の、はやう見し女のことほめ言 ひ出でなどするも、ほど経たることなれど、なほにく し。まして、さしあたりたらむこそ思ひやらるれ。さ れど、なかなかさしもあらぬなどもありかし。
=自分の夫である男が、以前親しかった女の事(を)
 口に出して褒めたりなどする(の)も、時(が)経
 った事だけれど、やはり嫌だ。まして、(それが)
 現在直面している事なら
、その時こそ(どうなるの
 かと)思ひやられることだ。そうだけれど、反対に
 それほど(嫌)ではない(事)などもあるよ。


鼻ひて誦文(ずもん)する。おほかた、人の家の男主 (をとこしゅう)ならでは高く鼻ひたる、いとにくし。
=(鼻を)くしゃみして呪文を唱える(人も嫌だ)。
 大体、人の家の男のあるじ以外(の者)で、大きな
 音でくしゃみをした(者も)、ひどく嫌だ。

(のみ)もいとにくし。衣の下にをどりありきて、 もたぐるやうにする。
=蚤もひどく嫌だ。衣服の下でを飛び跳ね回って、
(衣服を)持ち上げるようにする(のが嫌だ)。

犬のもろ声に、長々と鳴きあげたる、まがまがしくさ へにくし。
=犬が釣られて一緒に鳴く声で、長々と声を高く上げ
 て鳴いている(のも嫌だ)、禍々しい言葉のようで
 ある事までも嫌だ。

あけて出で入る所たてぬ人、いとにくし。
=開けて出入りする所(を)閉めない人(は)、ひど
 く嫌だ。

right★補足・文法★
(随筆)2018年7月




〈作者〉
・965〜1025年頃
・曾祖父清原深養父と父元輔は著名な学者・歌人




〈文学史まとめ→テスト〉
右の文の出典は、平安時代中頃(一〇〇一年)に成立 した『枕草子』という随筆で、作者は一条天皇の中宮 定子に仕えた清少納言である。
三百余りの章段から成り立っており、内容は宮廷生活 における体験や見聞を記した日記的章段、自然や人事 に対する感想を記した随想的章段、同じ種類のものを 並べた類聚的章段の三種類に分類される。
文章全体は作者の美意識や観察眼が鋭く展開した叙述 で、根底に流れる文学精神は『源氏物語』が「ものの あはれ」なのに対して、「をかし」とされる。
随筆文学の先駆となって、後世『方丈記』(鴨長明) と『徒然草』(兼好法師)が登場するに至って、三大 随筆と称されるようになった。





〇「憎し」は、現在の「憎い」「憎らしい」という程
 ではなく、「気に入らない」「嫌だ」「癪に障る」
 といった意味のようだ










★憎し=気に入らない・嫌だ・癪に障る・憎らしい
    見苦しい・醜い
・まらうど=客←「まれびと」(稀に来る人)
・やる=行かせる・送る・つかわす・払いのける
・…つ(強意)べけれ(可能推量「べし」已然形)
 ど(逆接)
・心はづかし=気恥ずかしい・決まりが悪い・自分よ
       り立派だ
・むつかし=重苦しい・不快だ・面倒だ・煩わしい









・験者=祈祷をする修験者
 →物の怪が憑りつく事で病気になると考えられた
・待ちつく=待っていて(人に)会う・待ち受ける
 →待ちとる=待ち受けて捕らえる
 →待ちがてに=待ちきれないで
・物の怪=生霊(いきりょう)・死霊・怨霊
・与る=関わる・関係する
・困じ(サ変→疲れる・苦しむ)に(完了)ける
(過去)に(断定)や(疑問)+あら()む(推量)
・…ままに(儘に)=…と直ぐに・…や否や(連語)





・なでふことなき←「なにといふことなき」





・火桶=持ち運び可能な、杉や檜などの木製の丸火鉢
 →木を刳り貫いて内側に金属を張った丸火鉢
・炭櫃=炭を入れて暖をとる四角形の囲炉裏・角火鉢



・いつ()か(反語)…さ()は()し(サ変)
 たり(完了)し(過去「き」体)
 →か…し=係り結び(反語)
・す(サ変・終)らめ(現在推量or原因推量)



・狩衣=鷹狩りの際に着用する衣服で、参内は不可
    後に平常服となる















☆酔っ払いが口の中に指を入れて、歯に挟まったもの
 を探り取ろうとすること?




・こう殿にまゐりて=国府(こう)殿の御館に伺って
 →当時の俗謡だが、未詳
☆酒に酔って頭を振ったり歌ったりする様子が、子供
 の「こふどのにまゐりて」という俗謡を歌う身振り
 に似ている?


・…しも=(副助・強調)まさに…・…に限って
     ちょうど…・必ずしも…(ではない)
















☆「どうしたの?」と訳を聞いて、幼児の相手をして
 やろうとする?





・見知る=見分けがつく(気づく)・面識がある







・長烏帽子=立烏帽子の長いもの
・見ゆ=見られる(ヤ下二)
・惑ふ=慌てる・うろたえる・まごつく





・伊予簾=伊予国(愛媛県)の代表的な物産。
     平安時代、都の貴族の邸宅で日除けとして
     使われ、風情あるものとされたらしい
・かづく=(被く)被る・頭に載せる
 →潜く=潜る

・帽額=御帳(みちょう)・御簾(みす)の上部、
    上長押(かみなげし)などに、横に長く引き
    回した(張った)一幅の布
・帽額の簾=上部に布が張ってある簾
・こはじ=簾を巻き上げる時に芯にする細長い薄板。
    (木端)「こはし」とも。
・しるし(著し)=著しい・きわだっている
・やをら=静かに・そろそろ

・たつ(立つ・閉つ)=(下二段)戸などを閉める
・あやし=不思議だ・けしからぬ・道理にはずれた
     見苦しい・粗末だ・卑しい・身分が低い


・障子=部屋を隔てる調度品→現在の衝立・襖・屏風
 →襖障子=表か裏を紙で張って絵を描いたもの
 →衝立障子=立てて使用するもの
 →明障子(あかりしょうじ)=現在の障子
・ごぼめく=ごぼごぼという音がする
 →「ごぼごぼ」+接尾語「めく」→こほめかし
・ほとめく=ことこと音を立てる

・名乗る=自分の名前を告げる









・軋めく=きしきしと音を立てる






・物語=世間話・雑談・話
・さしいづ=出て来る・でしゃばる・分を越えて出す
      ぎる・差し出す
・さいまくる=差し出がましく振舞う・でしゃばる
・すべて=全部合わせて・総じて・一般に・大体
     (…打消)全然・まるで(…ない)


・あからさまなり=(つい)ちょっとである
・来(カ変)たる(完了)
・童べ=子供たち・子供の召使
 →「わらは」=男の子→「子ども}=女の子?
・見入る=外から中を(のぞき)見る・心にとめて見
     る(世話をする)・目をかけて可愛がる
・らうたがる=かわいがる
・慣らふ=慣れるor習ふ=学習する
・調度=身の回りの道具

・あり(ラ変)な(強意)ん(意思)=きっといよう
・空寝=狸寝入り・寝たふり
・いぎたなし=寝坊だ・ぐっすり寝ている(寝穢し)







・今参り=新参者
・差し越ゆ(ヤ下二)=さしいづ
      =身の程を越えて出過ぎる・でしゃばる
・後ろ見る=助け面倒をみる・世話をやく・後見する


・知る=関係を持つ・恋愛関係にある・治める
 →知る人=夫
・に(断定「なり」連用形)て(接続助詞)=…で
・見(関係・世話する)し(過去「き」体=…した)
・差し当たる=(現在)直面する
 →さしあたり()たら(存続)
  む(仮定=…たら、その…)
・なかなか=かえって・むしろ・反対に・いかにも
・さ(それ)しも(強意=ほど)あらぬ(ではない)
★それほど嫌で(憎く)はない
 →相手が反省して優しくなる?

・鼻ひる=くしゃみをする(ハ上一)
・誦文す=呪文(呪いの文句)を唱える




☆着物をたくさん着ているから大変である?














貴方は人目の訪問者です。