黒川温泉 (熊本県)   (湯布院IC→やまなみハイウェイ)

「湯本荘」露天風呂

 春3月、14年ぶりに九州旅行をした。2日目は、あの有名な黒川温泉である。九酔渓・九重“夢”大吊橋などにも立ち寄りながら、やまなみハイウェイを南下した。景色が雄大だ。遙か向こうに見える冠雪した久住連山は、白い噴煙を上げているようだった。ゆったりとした瀬の本高原まで来ると、目的地はもうすぐであった。

 黒川温泉は、大分との県境に近い熊本県北東部の、阿蘇外輪山の北・久住連山の西に位置する、筑後川源流(田ノ川)沿いの深い山あいにある温泉地である。昔ながらの素朴な温泉情緒が感じられる所で、28軒ある宿はどこも15室ほどと適度な規模の、部屋は8〜10畳の和室であることが多い。開湯は300年前(江戸時代)で、昭和30年代後半から注目され、特に女性に人気があるようだ。源泉は47ケ所、湧出量は2,500g/分である。

 泉質は、単純泉・(含食塩)硫化水素泉・含食塩硫酸塩泉(ナトリウム-塩化物-硫酸塩泉)・炭酸水素塩泉など80〜100℃で、無色か青白濁色か黄土白濁色・無臭(微硫黄臭)といった特徴がある。神経痛・リウマチ・創傷などに効能がある。日帰り入浴はOKで、旅館組合「風の舎」または各宿受付で「入湯手形」\1,200を購入すれば、色々な宿の露天風呂3ヶ所を巡ることができる。共同浴場は「穴湯」\100・「地蔵湯」\250の2ケ所ある。


 観光スポットとしては、温泉・滝・登山・牧場など色々ある。2006年開通した九重"夢"大吊橋も北にある。これは鳴子川に架かる歩行者専用の橋で、高さ173m・長さ390mと日本一を誇り、久住連山や震動の滝などの絶景が素晴らしい。黒川周辺の露天を幾つか制覇し、次は阿蘇を目指した。

黒川温泉へのドライブ
▼ 九州道-太宰府IC-鳥栖JCT-大分道-日田IC-湯布院IC-
▼ やまなみハイウェイ-長者原-瀬の本(高原)-R442を西で
湯布院ICより所要1時間半(50km)
▼ (九州道-鳥栖JCT-大分道-)日田ICからはR212-小国-R442を東で1時間(北九州から3時間)、(九州道)熊本ICからはR57を東で1時間半。鉄道ではJR阿蘇駅よりバス65分。 

日本一の九重“夢”大吊橋

白煙を上げる冠雪した九重連山(九重“夢”大吊橋より)

(阿蘇)大観峰
温泉施設 (瀬の本)三愛高原ホテル (山あいの宿) 山みずき 旅館 湯本荘 (山の宿) 新明館 黒 川 荘
奥満願寺温泉 旅館 藤もと
(阿蘇瀬の本)三愛高原ホテル

【所在】 阿蘇郡南小国町瀬の本高原
【電話】 0967-44-0121
【時間】 8:30-20:00。
【料金】 【入浴】\1,200/3。【宿泊】\13,650-。
【泉質】 (低張性)弱アルカリ性単純高温泉49℃,pH8.1。湯は、無色無臭。
【施設】 温泉街から遠く離れた、阿蘇五岳を見渡せる標高920mの雄大な瀬の本高原にある宿(和10室・和洋50室)。敷地は5万坪で、客室数もずば抜けて多い。すぐ近くに隣接して「三愛レストハウス」もある。1967年設立、2006年にリニューアル。絶景の露天風呂の湯に身を横たえると、ちょうど目の高さに瀬の本高原を望むことができ、更に向こうに雄大な阿蘇五岳が一望できる。開放的な露天岩風呂の他に、大きなガラス張りの洋風展望大浴場・泡風呂・家族風呂など沢山の浴槽がある。湯は、49℃の源泉をホテルに引き湯すると、加水することなくちょうどいい湯加減42℃になり、天然温泉の良さを堪能できる。また、個性的な風呂が揃っている黒川温泉街へは、無料シャトルバスで送迎。
【評価】 ★★★☆☆(2010.03)雄大な景色を誇る大規模ホテル。
.


(阿蘇)根子岳と高岳(露天風呂より)
(山あいの宿) 山みずき

【所在】 阿蘇郡南小国町奥黒川温泉
【電話】 0967-44-0336
【時間】 8:30-21:00。
【料金】 【入浴】\1,200/3。【宿泊】\18,000-。
【泉質】 ナトリウム-塩化物-硫酸塩泉(中性低張性弱高温泉)。湯は、掛け流しで、無色・無臭。
【施設】 温泉街から東に離れた山奥の、自然の真っ直中の山間渓流沿いに佇む静かな一軒宿(21室)。「日本秘湯を守る会」会員の「新明館」の姉妹館だそうだ。道幅がやや狭い山道を抜け国道を東に進むと瀬ノ本といった、まるで奥飛騨の新穂高のように自然が豊かな秘湯である。所謂「黒川」のイメージとはやや異なる所で、洒落た部屋も多く、半露天風呂付き客室も8室ある。温泉の受付は茶房「井野家」でするが、1日限定20個のプリンが人気があるようで、また、受付の男女は陶芸でもしているのか、結構センスの良い手頃な値段の茶器が陳列されていた。掘り炬燵の個室での食事は、季節・地元の食材にこだわっているそうだ。総木造り和風内湯檜風呂・石風呂・手を伸ばすとすぐ目前の川に触れそうな自然との一体感がある渓流露天岩風呂(混浴1女1)・打たせ湯・家族湯2などがある。P25台。
【評価】 ★★★★★(2010.03)まるで奥飛騨の新穂高のようだ。
.


旅館 湯本荘

【所在】 阿蘇郡南小国町黒川温泉川端通り
【電話】 0967-44-0216
【時間】 8:30-21:00。
【料金】 【入浴】\500。【宿泊】\15,900-。
【泉質】 含食塩硫化水素泉79℃。水車がある玄関横に自家源泉が湧出。湯は、源泉掛け流し(温度調整のため加水)・茶白濁色。リウマチ・神経痛・皮膚病に効能。
【施設】 温泉街の中央に位置する「地蔵湯」より少し西の川沿いにあり、黒川を代表するレトロな老舗の純和風旅館(12室)。客室も全て川に面している。川沿いに露天岩風呂(山里の雰囲気)・露天石風呂・桶風呂(1つは熱すぎて入れない)・半露天風の内湯檜風呂・家族湯(檜・石・釜)など多彩な浴槽がある。食事は、新鮮な馬刺しが出る。休憩のみ(-16:00・\1,575)・食事のみ(-1500・\2,100)可。P横に水車とベンチがある。
【評価】 ★★★★☆(2010.03)多彩な風呂がある。
.

川向かいの宿の露天風呂(貸切風呂より)

熊本名物の馬刺し
(山の宿)新明館

【所在】 阿蘇郡南小国町黒川温泉川端通り
【電話】 0967-44-0916
【時間】 8:30-21:00。
【料金】 【入浴】\1,200/3。【宿泊】\15,900-。
【泉質】 ナトリウム-塩化物-硫酸塩泉98℃。湯は、無色・無臭(金気臭)。
【施設】 「地蔵湯」「ふもと旅館」の向かいの田ノ川沿いにある、「日本秘湯を守る会」会員の里山の小さな宿(和15室)。宿の主が精魂傾けた手掘りの洞窟風呂が自慢であるようだ。食事は、肥後の赤牛・鮎・山の幸を使った素朴な山菜会席や囲炉裏料理(限定7組)など。内湯・洞窟風呂(混浴1女1)・川沿いのトンネルを抜けた所のに囲まれた庭園風露天岩戸風呂(混浴・神秘的な趣)・裏山の屋根付き露天石風呂・家族風呂1がある。
【評価】 ★★★★☆(2010.03)「秘湯を守る会」の雰囲気はある。
.


黒川荘
【所在】 阿蘇郡南小国町満願寺
【電話】 0967-44-0211
【時間】 8:30-21:00。
【料金】 【入浴】\1,200/3。「入湯手形」がなければ\500。
【宿泊】\15,900-。
【泉質】 ナトリウム-塩化物-炭酸水素塩-硫酸塩泉。湯は、風情ある濁り湯(緑白濁色・青白濁色)・温泉臭の特徴。
【施設】 温泉街中心部から徒歩15分ほど西にはずれた所にあるが、黒川を代表する宿の一つ(21室)。周りの自然に溶け込むような渓流沿いにある。宿泊料金がやや高い設定の別館もあり、大正ロマン漂うラウンジや客室などもあるようだ。落ち着いた自然の中に、内湯2と、川向こうの屏風岩を背景とする露天や観音露天など露天風呂4つと、客室露風呂などがある。但し、混浴はない。
【評価】 ★★★☆☆人気があるそうだ。
.

イメージ(「湯本荘」露天風呂)
奥満願寺温泉 旅館 藤もと
【所在】 阿蘇郡南小国町満願寺金山6069-1
【電話】 0967-44-0057
【時間】 12:00-15:00
【料金】 【入浴】\500。【宿泊】\16,800-(クレジットカード×)。
【泉質】 ナトリウム-塩化物-硫酸塩-炭酸水素塩泉79℃。湯は、源泉掛け流し、無色透明で、精神的リラクゼーションに効能。
【施設】 黒川温泉の南で満願寺温泉の東に位置する、緑豊かな小さな温泉地の宿(8室)。「白川温泉家族村」のすぐ西で、周囲には静かな田園風景が広がっている。石造り内湯・サウナ・川岸の岩場にあって水面が目線と同じ高さにあり湯に浸かればまるで川の中に入っている気分になる野趣ある川湯露天岩風呂・渓流を眼下に望む貸切露天檜風呂・貸切内湯などがある。食事は、地の素材を活かした田舎料理。P20台。アクセスは、(大分道)日田ICより-R212-小国-R442-黒川-瀬の本の手前-県道を南西10分で80分、湯布院ICからはやまなみハイウェイ-瀬の本-県道、熊本ICからはR57-R212-南小国-東で110分。鉄道では(JR久大線)日田駅-バス40分-杖立-タクシー35分、(JR豊肥線)阿蘇駅からはバス65分-黒川-車10分(または小国-車20分)。
【評価】 ★★★★☆マイナーだが、一度行ってみたい所だ。
.

イメージ(「湯本荘」半露天風呂)
九州道 ⇒ 小倉東IC ⇒ 福岡IC ⇒ 太宰府IC ⇒ 鳥栖JCT ⇒ 大分道 ⇒ 日田IC ⇒ 九重IC ⇒ 湯布院IC ⇒ R210 ⇒ やまなみハイウェイ ⇒ 長者原 ⇒ 瀬の本(高原) ⇒ R442 ⇒ 黒川温泉