高野山は、真言宗の総本山・金剛峰寺がある所として知られている。今から千年前(平安時代初頭)、唐で密教を学んだ弘法大師(空海)が開いたと伝えられる。「紀伊山地の霊場と参詣道」として、ユネスコ世界遺産にも登録されていて、高い山々が幾重にも重なり、大自然の中に包まれた所だ。 「大和は 国のまほろば たたなずく青垣 山ごもれる 倭しうるわし」 という古歌を、つい口ずさんでしまう。これは、『古事記』にある倭建命の故郷の大和を懐かしむ国思歌(クニシノヒウタ)で、紀伊国を詠んだものではないが……。 この高野山は、古今を問わず修行などに訪れる旅人が多いが、周辺には温泉も幾つか湧出し、人々の疲れを癒してきたようだ。玉川峡・富貴・槙の湯・藤森不動・美里・花園・清水・二川などの温泉が、およそ北東から南西にかけて点在している。奈良との県境に近い和歌山県北東部で、龍神の北に位置している。あまり有名でなくマイナーな湯処ではあるが、どこか懐かしい旅情が感じられ、一度は行ってみたくなるような所だ。
清水温泉は、高野山から狭く曲がりくねった国道を南西に下った山間にあるが、海沿いの高速を有田ICで降りて高野山に向けて行った方が便利だろう。宿は2〜3軒あり、村興し的な温泉館もある。 二川温泉は、清水より10kmほど南西に下った所にあり、他には民家も何もない所である。金谷明恵峡温泉は、高野方面でなくR424を龍神方面に少し行った所で、ここも周囲には何もない。
|
泉質は、ナトリウム-塩化物-炭酸水素塩泉、無色・無臭である。含鉄食塩泉。湯は、成分濃厚らしいが、無色(微濁)・微温泉臭・微ヌメリ感。アルカリ単純泉25℃,pH8.6。湯は、ナトリウム・炭酸水素を主成分とし、非加水・加温・循環濾過で、無色(微濁)・微温泉臭・微ツルツル感・一般的効能の特徴。ボンヤリと湯に浸かり、山々に挟まれた田園風景を眺めているだけで、長閑な気分になり日常のストレスからも開放されるようだ。また、時々は訪れたい所である。
|
|
(高野山西)清水・二川・金谷明恵峡温泉へのドライブ
▼ 近畿道-松原JCT-阪和道-有田IC-金屋-R480(高野山方面)-
▼ 二川温泉-二川ダム-清水町役場付近-県道を南すぐ-清水温泉で
有田ICより清水温泉は所要1時間(35km)
|
有田ICより-R480を東(高野山方面)-金屋-二川ダムの手前で20km、または高野-R371を南-R480を南西-花園-清水-二川。
阪和道-有田ICより-県道を東-R424を南東(龍神方面)で10km(道の駅の数km手前)、鉄道ではJR藤並駅より南東に車20分。
▼ 高野山を通るのであれば、阪和道-美原北IC-R309-富田林-R170外環状線-河内長野-R371-橋本-R370-(高野山)大門-県道-371-R480(有田方面)-花園-清水だが、道の極めて細い所が何ヶ所かある。
|
|