鬼怒川温泉 (栃木県)   (宇都宮IC→今市IC→R121)

「鬼怒川プラザホテル」より南側

 北関東への夏の旅、4日目は鬼怒川温泉である。朝、奥鬼怒をハイキングし、川治・龍王峡を楽しんでから、向かうことにした。
 車内に流れるヘンデル「協奏曲ト短調」が、日光連山や川治ダム湖の風景に似合っていた。この辺りは関東では人気があるようだが、なぜそれほどにと以前は疑問であった。だが、訪れてみてわかる気がした。このような断崖の渓谷美は、他ではなかなか見ることができないのだろう。

 鬼怒川温泉は、 栃木県北西部で日光の北に位置し、鬼怒川峡谷の両岸断崖沿いに大規模ホテルが多く建つ眺望の良い温泉地である。鬼怒沼を源に、川底をえぐるように流れる鬼怒川流域には、奥鬼怒・女夫淵・平家平・川俣・川治・鬼怒川などの温泉が点在しているが、その中で最大の温泉街となっている。
 地名の由来は、栃木や群馬が毛野国(ケヌノクニ)と呼ばれていた古代に、そこを流れる毛野川(ケヌノガワ)が訛って鬼怒川(キヌガワ)となったと伝えられる。文字通り、鬼が怒ったように荒々しく流れる川を現してはいる。

 その川も、大正13年に発電所のダムが造られて、川の流れが穏やかになり、昭和の頃から景観を楽しむ舟遊びが始まったそうだ。その「鬼怒川ライン下り」の舟からは、楯岩や軍艦岩などの白い奇岩とエメラルドグリーンの流れが見える。特に秋は紅葉も加わって鮮やかなコントラストをなす。更に上流の竜王峡は素晴らしく、美を愛でる人のシャッターを押す音が絶えることがないほどである。

 昔から、「けがは川治、やけどは滝(鬼怒川)」と言われ、火傷に効く湯治場として有名である。発見されたのは、300年前の江戸時代(1691または1752年)で、「滝温泉」という名前で鬼怒川の西岸にだけ温泉があったという。その後、日光の寺社領であったこともあり、日光詣でをした大名や僧侶に利用されたそうだ。昭和2年に鉄道が開通してから発展してきたようで、旅館も今では100軒以上あるだろう。

 泉質は、アルカリ性単純泉50℃,pH9.0位で、無色・無味・無臭。神経痛・リウマチ・火傷・皮膚病・胃腸病・婦人病・疲労回復などに効能がある。日帰り入浴は、可能な宿が多く、共同浴場もある。また、「観光ホテル別館」「ホテルサンシャイン」付近には足湯があり、ライン舟下り(\2,500)・ロープウェイ(\950)からの眺望なども楽しめる。


 とにかく眺めが素晴らしい所である。宿の部屋に通された時、その美しさに思わず感動せずにはいられなかった。断崖両岸の中央を流れる川と温泉街の街並みが、広縁のソファから真正面に見えるのだ。宿の開放的な露天風呂も、専用バスで行った下流にあるゴージャスな個室露天風呂も、もちろん満足である。
 後日、幾度思い出して、口にしたことだろう。交通の便も良く、また訪れたいものである。

鬼怒川温泉へのドライブ
▼ 東名6時間-首都高渋谷池袋線-美女木JCT-外環1時間-川口JCT-
▼ 東北道1時間-宇都宮JCT-日光道-今市IC-R121を北で
宇都宮ICより所要1時間(京阪神より9時間)。

鬼怒川ライン下り
▼ 今回の旅は、(東北道)西那須野塩原IC-塩原温泉郷-日塩もみじライン-川治-女夫淵-奥鬼怒-川治-龍王峡-R121。鉄道では、東京浅草-東武特急スペーシア120分(新宿-JR特急120分)-鬼怒川温泉駅より徒歩またはバス。
温泉施設 オートキャンプ場 花の宿 松や あさや 鬼怒川温泉ホテル 鬼怒川プラザホテル ほてる白河湯の蔵 鬼怒川金谷ホテル
仁王尊プラザ 湯処 すず風
鬼怒川温泉オート・キャンプ場

龍王峡(少し北に位置)
【所在】 日光市鬼怒川温泉滝1053
【電話】 0288-77-2334
【時間】 10:00-21:00。無休。
【料金】 【入浴】\500。【宿泊】\-。
【泉質】 単純泉。湯は、源泉からの引湯で、無色。
【施設】 鬼怒川公園駅より北に位置し、龍王峡ラインを300m進んだ所で、県道を北東に行った鬼怒川沿いにあるキャンプ場。「上滝之湯」(複数入浴可)・すぐ目の前が鬼怒川の清流で眺めの良い露天風呂がある。バーベキュー・釣り・水遊びなど可。テントサイト・バンガロー3割引(冬季)。P50台。アクセスは、今市ICより25分。
【評価】 ★★★★☆
花の宿 松や

龍王峡(少し北に位置)
【所在】 日光市鬼怒川温泉藤原19
【電話】 0288-77-1221
【時間】 14:00-19:00。
【料金】 【入浴】\500。【宿泊】\15,900-。
【泉質】 アルカリ性単純温泉52℃。湯は、無色透明・無味無臭。
【施設】 鬼怒川公園駅から北にすぐの緑に包まれた清流川沿いにあり、竹久夢二の絵が随所に飾られている7階建ての宿。温泉街の最も北に位置している。大正浪漫を彷彿させる華やかさと叙情があふれる世界に包まれていて、部屋はすべて落ち着いた和室(露天風呂付きもある)。渓流が眺められる木造浴室の大ガラス張り大浴場・緑に囲まれた河畔にあって開放的な鬼怒川のせせらぎを眼下に眺める露天岩風呂・貸切風呂・露天陶器風呂付き客室などがある。
【評価】 ★★★★★個人としては、「プラザ」に次いで2番目に好きだ。
あさや

「鬼怒川プラザホテル」より北側(橋より北西が「あさや」)
【所在】 日光市鬼怒川温泉813
【電話】 0288-77-1111
【時間】 12:00-17:00。
【料金】 【入浴】無料(但し、宿泊者のみ)。【宿泊】\10,500-。
【泉質】 単純泉。湯は無色。
【施設】 鬼怒川右岸断崖沿いにある、鬼怒川温泉No.1の巨大さを誇る白亜のホテル(400室)。「鬼怒川温泉ホテル」の北に位置していて、ロープウェイ発着場は近くにある(下流にある「ライン下り」乗船場は「金谷ホテル」近くにあるが)。露天風呂も眺望も価格も納得できそうだ。P400台。
【評価】 ★★★★☆
鬼怒川温泉ホテル

鬼怒川温泉駅前(ホテルより南東)
【所在】 日光市鬼怒川温泉滝545
【電話】 0288-77-0025
【時間】 14:00-16:00。
【料金】 【入浴】\500。【宿泊】\11,550-。
【泉質】 単純泉。湯は無色。
【施設】 鬼怒川右岸断崖沿いにあり、温泉地の名前を冠する白亜のホテル(138室)。「鬼怒川金谷ホテル」の姉妹館である。木造り「渓谷の湯」と石造り「湯里」の湯巡りで、15種類の風呂が楽しめるようになっていて、渓谷に面したガラス張り大浴場・ゲルマニウム風呂・サウナ・水風呂・露天岩風呂・貸切露天・プールなどがある。宿泊は、破格の\8,400プランもある。
【評価】 ★★★☆☆
鬼怒川プラザホテル

【所在】 日光市鬼怒川温泉滝530
【電話】 0288-76-1031
【時間】 14:00-17:00(休前日除外)。
【料金】 【入浴】無料(タオルなど\500)。【宿泊】\12,600-。
【泉質】 アルカリ性単純温泉。湯は無色・無臭。
【施設】 鬼怒川温泉駅より車5分の鬼怒川右岸断崖沿いにある白亜のホテル(160室)。アジア風薫る異空間にデザインした、非常に個性的なプラン(和ジアン風・中国風など)が多い。峡谷に突き出た立地で、客室や露天風呂から正面に鬼怒川と橋と足湯などが見え、眺望は恐らく鬼怒川でNo.1であろう。施設は、峡谷の眺望が良い洋風大ガラス張り大理石風呂・渓谷の上にある露天檜風呂・緑に囲まれた10室の個室露天風呂(宿泊者専用\3,465/50分)・南に位置する「日光江戸村」の東にあり車で案内される渓流沿いで緑に囲まれた10室ほどの個室露天風呂「あけび」(各々に広い休憩室と四角形檜風呂と丸い樽風呂・宿泊者専用\3,465/50分)などがある。P200台・大型バス20台(宿から離れた所にあり、車のキーは預ける)。
【評価】 ★★★★★(2010.08)洒落ていて女性が喜びそうな所である。

渓流沿い個室貸切露天風呂「あけび」
.



大浴場併設の露天風呂
ほてる白河 湯の蔵
【所在】 日光市鬼怒川温泉滝483
【電話】 0288-76-0020
【時間】 13:00-19:00。無休。
【料金】 【入浴】\500。【宿泊】\10,500-。
【泉質】 単純泉。
【施設】 鬼怒川温泉駅と鬼怒川公園駅の中間でどちらへも徒歩15分の所に位置する、渓谷を見渡す断崖の緑の上に建つベージュ色のホテル。「プラザホテル」の南で、「観光ホテル」の北に隣接している。施設は、緑の向こうに鬼怒川の清流を見下ろす大ガラス張り内湯檜風呂・渓谷の大景観が絶景である開放的な露天檜風呂・貸切半露天風呂2(檜または岩風呂・眺望なし・\2,000/50分)・休憩所などがある。P60台。
【評価】 ★★★★☆
鬼怒川ライン下り ⇒
.

鬼怒川 金谷ホテル
【所在】 日光市鬼怒川温泉大原1394
【電話】 0288-76-0001
【時間】 ?:00-?:00。
【料金】 【入浴】\5,250(要食事)。【宿泊】\22,050-。
【泉質】 アルカリ性単純温泉。
【施設】 鬼怒川左岸断崖の緑の上にある、「日本旅館のファーストクラスで最高の贅沢」をテーマとする白亜の宿(43室)。「鬼怒川ライン下り」乗り場のすぐ東にあり、客室からは鬼怒川渓谷の絶景が素晴らしい。ガラス張り古代総檜風呂・展望露天大理石風呂・眼下に鬼怒川を遠くに鶏頂連山を望む開放的な屋根付き展望露天檜風呂・貸切風呂などがある。食事+入浴プラン(\5,250)もある。姉妹館「鬼怒川温泉ホテル」の施設も利用可。宿(室)。
【評価】 ★★★★☆
ホテル外観 ⇒
.

仁王尊プラザ
【所在】 日光市鬼怒川温泉大原371
【電話】 0288-76-2721
【時間】 8:00-22:00。無休。
【料金】 【入浴】\500。【宿泊】なし。
【泉質】 硫酸塩-塩化物泉。泉質が良く、マッタリ感がある美肌の湯。
【施設】 鬼怒川温泉駅より南西の川沿いにある、素朴な趣の入浴施設。「ホテルニューふじや」の南に隣接している。渓谷や船下りを見下ろす眺望の屋形船型の木造り露天風呂・休憩所がある。釣り・食事可。P30台。アクセスは、(日光道)今市IC-R121-東武ワールドスクウェア方面15分。
【評価】 ★★★☆☆
「鬼怒川ライン下り」の舟より ⇒
.

湯処 すず風
【所在】 日光市鬼怒川温泉小佐越19-5
【電話】 0288-77-2683
【時間】 10:00-21:00。
【料金】 【入浴】\900。【宿泊】なし。
【泉質】 アルカリ性単純泉(低張性温泉)。湯は無色で、美肌などに効能。
【施設】 鬼怒川温泉駅より南に位置する小佐越駅の南にある人気の入浴施設。毎月26日(風呂の日)は薬草を入れる企画(4/26は「桜の湯」・5/26は「菖蒲湯」)がある。山の緑が眺められるガラス張り長方形木造り内湯・ジャグジー・鬼怒川の清流を眼下に見下ろす開放的で野趣満点の岩造り展望露天風呂・休憩所がある。食事は山菜・釜飯など。P50台。アクセスは、(東武)小佐越駅より南西に鬼怒川を渡り「江戸村」「日光猿軍団」方面に徒歩10分(今市ICより15分)。
【評価】 ★★★★☆
イメージ(「鬼怒川プラザホテル」の個室貸切露天風呂「あけび」) ⇒
.

京滋バイパス ⇒ 名神高速 ⇒ 草津田上JCT ⇒ 新名神高速 ⇒ 亀山JCT ⇒ 東名阪道 ⇒ 四日市JCT ⇒ 伊勢湾岸道 ⇒ 豊田JCT(←2時間半) ⇒ 東名高速 ⇒ 東京IC(←3時間半) ⇒ 首都高速渋谷池袋線(or中央環状線) ⇒ 美女木JCT ⇒ 外環道 ⇒ 川口JCT(←1時間) ⇒ 東北道 ⇒ 宇都宮IC(←1時間) ⇒ 日光道 ⇒ 今市IC ⇒ R121 ⇒ 「江戸村」「日光猿軍団」 ⇒ 鬼怒川温泉