川湯温泉 (和歌山県)   (柏原IC→五条→R168)or(南紀田辺IC→R311)

仙人風呂

 今日も、西吉野の山越えの道で、熊野方面に行くことにした。前回、湯の峰温泉を訪ねた際、車窓から眺めただけで素通りした、川湯温泉だ。幾重もの山を目に、カーブが急で狭い道を駆け抜けて行く。愛車は赤色のハイラックス・サーフ3,000ccだ。硫黄を含んでいるのか、川面がエメラルドグリーンに輝いている。途中、道の駅「十津川郷」に立ち寄る。心地よい硫黄の香りに惹かれ、湯気が立つ足湯で10分ほど休憩した。

 南下を続け4時間ほどで、熊野本宮の大鳥居が見えた。目的地の小さな街は、本宮から南に国道を数分ほど下った所で、西に右折してトンネルを南にくぐった川沿いにあった。

 川湯温泉は、世界遺産に登録された和歌山県南東部の秘境に位置する本宮温泉郷の一つで、熊野川支流・大塔川沿いにある小さな温泉地である。10軒ほどの旅館・民宿などがある。熊野の高い峰々に囲まれた清流の川底から湯が湧き出るという、珍しい歴史ある温泉で、河原を掘ると湯が湧出し、誰でも露天風呂を造れる。
 冬の風物詩(11-2月)として有名な「仙人風呂」は、川底より湯が湧く大塔川をせき止めた天然露天風呂であり、1月は大カルタ会がある。

 泉質は、(アルカリ性)単純温泉・重曹泉など63-73℃位、源泉は地下8mと非常に浅くに湧くという。無色で、微硫黄臭がし、ツルツル感がある。リウマチ・神経痛・皮膚病・美肌・胃腸病などに効能がある。日帰り入浴が可能な宿も幾つかある。
 それから興味深いことだが、「亀屋」「みどりや」「木の国」の3つの宿には混浴の露天風呂がある。近畿で混浴があるのは、これらと他には龍神の「下御殿」だけではなかっただろうか。開放感と眺望はなかなかのものである。

 周辺観光としては、熊野本宮大社・熊野那智大社・熊野速玉大社・青岸渡寺・那智の滝・熊野古道散策・瀞峡巡りウォータージェット船・熊野川舟下りなどがある。渓流釣り・川遊び・山菜取り・ハイキング・ゴルフ・海釣り・海水浴なども楽しめる。更に、白浜温泉や龍神温泉まで1時間・十津川温泉まで40分・谷瀬の吊橋まで1時間30分で行ける。 


 川湯は、本宮からすぐ西にあり、湯の峰・渡瀬温泉もすぐ近くだ。雄大な山々に囲まれ、是非とも一度は行ってみたかった温泉であった。のんびりと湯に浸かっていると、年寄りも若者も子供もみんなが楽しそうにしているのが目に入る。自分は入らずに見物だけの人もいるようだった。悪くはない風景であった。


 北の方にトンネルがある。それを抜けると国道が走っていて、渡瀬温泉もすぐの所にあった。日帰りでハードだが、ここも立ち寄ることにした。桁外れに大きな露天風呂で、泉質も悪くはなかった。
 帰路は、温泉が効き過ぎて非常に眠く、車の運転がたいへんであった。


川湯温泉へのドライブ
▼ 近畿道-松原JCT-西名阪道-柏原IC-R165バイパス-御所-R24-
▼ 五条-R168-西吉野-温泉地-十津川-本宮-右折、西に10分で
大阪より所要4時間(五条より2時間半)
▼ 近畿道-阪和道(120分)-紀伊田辺IC-R311(60分)は3時間。また大阪-阪和道(15分)-美原JCT-南阪奈道(15分)-葛城IC-山麓線(30分)-五条-R168(75分)-谷瀬-(75分)で3時間半。中央環状-美原-R309-富田林-R24-五条-R168では4時間半。鉄道では近鉄八木駅からバス4時間半、JR新宮駅からバス1時間、JR紀伊田辺駅からバス1時間半。
温泉施設  富士屋  仙人風呂 亀屋旅館 公衆浴場 (山水館) 川湯みどりや 木の国ホテル
富士屋

左手に見えるのは「仙人風呂」の湯煙
【所在】 田辺市本宮町川湯1452
【電話】 0735-42-0007
【料金】 【入浴】要食事予約(入浴のみは不可)【宿泊】\15,900-。
【泉質】 純重曹泉(ナトリウム-炭酸水素温泉)62℃。掛け流し(加水・加温)・無色・無臭で、微ツルツル感がある。
【施設】 冬の河原に設置される「仙人風呂」のちょうど向かいの大塔川沿いにある、川湯を代表する鉄筋3階建ての宿(31室)。川湯では最も規模が大きいようで、内湯の入口には「日本秘湯を守る会」の提灯も掲げられている。創業は何百年か前の江戸時代で、現在の建物は1988年築。館内には熊野の山野草を配していて、部屋からは美しい山々や川が眺められる。ガラス窓越しに熊野の山々が眺められる大浴場(大理石造り・槙造り)・野趣ある館内露天岩風呂(山々の眺め)・河原露天(荒天や増水時は不可・「仙人風呂」が造られる冬季はなし)がある。P30台位。
【評価】 ★★★★★(2007.12)
卓球台コーナーの奥 ⇒
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館内の露天風呂 (立ち上がると右手に「仙人風呂」が見える)

仙人風呂(公衆浴場)

小さな川湯温泉街(2007.12)
【所在】 田辺市本宮町970
【電話】 0735-42-0735(TEL:観光協会)
【時間】 6:30-22:00(但し11/1-2月末だけ)。
【料金】 【入浴】無料。【宿泊】なし。
【泉質】 アルカリ性単純温泉73℃。湯は、自噴・掛け流し、無色透明・無味・無臭(微硫黄臭)で、サッパリ感・微ツルツル感がある。
【施設】 川湯の冬の風物詩で、熊野川支流の大塔川の川底より湯が湧くのをせき止めて作った天然のジャンボ露天風呂(50m×15m)。「富士屋」「亀屋」の向かいの河原に位置する。周囲はヨシズで囲っているだけで、開放感がある。女性用脱衣所はあり、水着可だが、下着は不可である。期間限定で、川量・雨量が少ない時期しか作れない。荒天・大雨の時は、要確認。場所によって温度が違い、湯が非常に熱い所とかなり冷たい所とがある。また、早朝は調整が不十分なのか50℃位と非常に熱く、入浴できないこともある。山々の間に空が三角形に開けている眺望が、素晴らしい。P50台(堤防の東側の自然の河川敷が駐車場・無料)。
【評価】 ★★★★☆(2003.11)(2007.12)千人が入れる巨大露天とはすごい。スコップで掘って自分だけの露天風呂を作ることもできる。
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(2003.11)
亀屋旅館

【所在】 田辺市本宮町川湯1434
【電話】 0735-42-0002
【料金】 【入浴】夏は日帰り可。【宿泊】\9,600-。
【泉質】 単純温泉70℃。湯は、自家源泉・100%掛け流し・飲用可で、無色・ツルツル感・美肌・肌に優しい・湯冷めしにくい、といった特徴。神経痛・リウマチ・胃腸病(飲用)などに効能がある。
【施設】 川湯で最も古く創業150年(江戸末期)の伝統がある、懐かしさ漂う昭和初期建築の木造和風2階建ての宿(14室)。「富士屋」西で、温泉地中央の「亀屋前」バス停付近に位置し、「仙人風呂」へは小さな橋が架けられた道で徒歩1分の所にある。階段の踏み板などには楓の木が使われていてこだわりが感じられ、大塔川の河原の対岸には専用の橋を渡って行く宿専用露天がある。窓に面した小さな三角形の木枠の内湯岩風呂と、対岸にあり自然な感じの混浴で野趣満点の宿専用の河原露天岩風呂1つ(5m四方・湯船の底から湯が湧き川の水を引き込んで温度を調節・大きな石を置いてあり足湯としても利用可・清流の音や川面を渡る快い風・増水時は不可・川の増水時に流されることが何度もあってその都度復活させているようだ・「仙人風呂」がない3-11月のみ)がある。食事は、地元熊野の食材をふんだんに使った、オリジナルの会席「熊野の恵み薬膳」・熊野牛・鮎塩焼き・豆乳豆腐など。日帰り入浴は、夏期に露天風呂可。
【評価】 ★★★☆☆ここも夏の露天風呂は混浴である。
イメージ(渡瀬温泉) ⇒
川湯温泉 公衆浴場

【所在】 田辺市本宮町皆瀬川
【電話】 0735-42-1633
【時間】 8:00-21:00、無休。
【料金】 【入浴】\250
【宿泊】なし。
【泉質】 アルカリ単純温泉70℃。(加水)源泉掛け流し・無色で、微硫黄臭がある。糖尿病にも効能がある。
【施設】 川のほとりで旅館街の中心のバス停付近にある。青色タイル造り内湯のみで、露天風呂はない。P8台。
【評価】 ★★☆☆☆(2007.12)

(山水館)川湯みどりや

【所在】 田辺市本宮町川湯13
【電話】 0735-42-1011
【時間】 7:00-9:00、13:00-19:00。
【料金】 【入浴】\800。ホームページを印刷・持参すれば、\500に割引される。【宿泊】\12,000-。一人旅の宿泊は+\3,000位。
【泉質】 単純温泉(重曹泉)。掛け流し(加水・加温)。無色で、温泉臭がある。皮膚病に効能がある。
【施設】 少し奥まった、渡瀬に行くトンネル入口の川沿い角に立地する宿(62室)。1988年創業で、眼下に大塔川のせせらぎを望み、川原の露天が自慢の宿であったが、現在は、(那智)勝浦温泉の「ホテル浦島」チェーンの一つとなっている。川の横にあり景観が良い大ガラス窓の洋風大浴場・熊野の大自然が堪能できる開放的な常設河原露天風呂◎(混浴)がある。
【評価】 ★★★★☆(2003.11)(2007.12)開放的で混浴の常設河原露天風呂は、仙人風呂とはまた一味違った堪らない良さがある。
イメージ(宝川「王泉閣」) ⇒
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イメージ(新穂高「深山荘」)

木の国ホテル
【所在】 田辺市本宮町川湯26
【電話】 0735-42-0353
【時間】 7:00-9:00・13:00-19:00。
【料金】 【入浴】\600。【宿泊】\9,850-。
【泉質】 水素イオン単純温泉74℃。湯は、掛け流し(加水・加温)で、無色・無臭。
【施設】 少し奥まった渡瀬に行くトンネル入口の川沿い角にある「川湯みどりや」の隣にある鉄筋3階建ての宿(18室)。1971年創業で、山里の趣があり全室大塔川が眺められる宿である。洋風ガラス張りタイル内湯・大自然が味わえる開放的で混浴の常設河原露天岩風呂1つがある。日帰り昼食入浴セットプラン(\1,575〜3,300・前日までに予約)もある。
【評価】 ★★★☆☆「みどりや」に隣接して、ここも河原に混浴で開放的すぎる常設露天風呂があり面白い。
イメージ(TV「GoGo!ドライブ」龍神温泉より) ⇒
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(名神)吹田JCT ⇒ 近畿道 ⇒ 松原JCT ⇒ 西名阪道 ⇒ 柏原IC ⇒ R165バイパス ⇒ 御所 ⇒ R24 ⇒ 五条 ⇒ R168 ⇒ 西吉野 ⇒ 大塔 ⇒ 温泉地 ⇒ 十津川 ⇒ 本宮 ⇒ 右折、西に10分 ⇒ 本宮温泉郷(川湯・渡瀬・湯の峰)