(南紀)勝浦温泉 (和歌山県)  (南紀田辺IC→R42)

「ホテル中の島」露天風呂

 京都・貴船で川床料理を堪能した翌日、紀伊半島を一周する小旅行に出かけた。
 雲ひとつない青空の下、千畳敷のように岩々が浮かんでいる紺碧の海が見えてくる。潮風を受けながら、本州最南端のリアス式海岸を抜けて行くドライブはなかなかのものだ。ヘンデル「協奏曲ト短調」などを聞きながらのハンドルも軽快である。海水浴客で渋滞しがちな夏場と台風シーズンは要注意だが……、来て良かった。

 白浜・串本を経て、那智勝浦の「ホテル浦島-山上館」と「ホテル中の島-華」に2泊した。若い頃より少し贅沢で、伊勢海老・鮑バター焼き・豪華な舟盛も食べきれない程だ。

 (南紀)勝浦温泉は、和歌山県最南東部に位置し、奇岩や洞窟が多い風光明媚な勝浦湾に面する温泉街だ。何十軒もの宿が点在していて、足湯も駅近くに3つほどある。
 源泉は200、泉質は単純硫黄泉・食塩泉・弱アルカリ単純泉26-54℃など、無色または乳白色で、糖尿病・皮膚病・神経痛などに効能があるという。



 源泉は200、泉質は単純硫黄泉・食塩泉・弱アルカリ単純泉26-54℃など、無色または乳白色で、糖尿病・皮膚病・神経痛などに効能があるという。
 太平洋を一望する岩露天・波打ち際露天・船で行く洞窟露天など、趣向を凝らした湯船がある日帰り入浴可の宿が多い。湯めぐり手形(旅館組合・観光協会・くろしお商工会・加盟宿泊施設で販売、\1,300)を購入すれば3カ所入浴が可能な所もあるようだ。

 勝浦漁港は鮪水揚げ高日本一であり、新鮮な魚介類の料理も楽しめる。遊覧船で大小の島々が点在する男性的な景観の紀の松島巡り(50分\1,500)も素晴らしい。
 近くには、那智山(熊野信仰の一大霊場熊野那智大社・西国第1番札所で朱色の三重塔がある青岸渡寺)・日本一の那智の滝・瀞峡・太地くじら浜公園(初めて捕鯨が行われた所で、資料館・水族館・博物館がある)などもある。

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 しかし、那智勝浦の魅力は、何と言っても次の3つと言えよう。
 (1)近畿・中国で白濁した硫黄泉はここしかない。但し、ホテル浦島だけだが、硫黄臭も眺めもたまらない。
 (2)海に浮かぶ島にある眺望抜群の超開放的な露天風呂がある。これもホテル中の島のことである。
 (3)沖には奇岩・洞窟の中を舟で行く野趣たっぷりの「ラクダの湯」がある。太平洋を望む岩肌に造られた、ラクダ島の前にある自然のままの大岩露天(入浴7:00-17:00、\1,500)である。源泉100%掛け流しの天然温泉(単純硫黄泉40℃位・無色)で硫黄臭が香る。混浴だが、湯浴み(レンタル可\500)が必要だ。以前は「越乃湯」(2004廃業)の経営だったが、後に近くの渡船会社(清丸渡船TEL:0735-52-5574)の舟に引き継がれていた。これに惹かれ何回訪れたことか。
 だが、今回の紀の松島巡りで懐かしい「ラクダの湯」は眺められたが、寂しくもどうやら閉鎖されたようであった。




 帰途は、新宮-熊野-松坂……と、紀勢道-伊勢道-名阪国道を通ったが、東回りの方が便利なようだった。高速がいつの間にか殆んど開通していたのだ。出発時にカーナビが頻りと伊勢道方面へと誘導したのも道理だった。しかし、トンネルがやたらと多くつい眠くなるという難点もあった。
 帰宅後、鏡を見ると顔は日に焼けて真っ黒だった。


「ホテル中の島」露天風呂

「ホテル中の島」露天風呂
施設 ホテル浦島 ホテル中の島 ホテルなぎさや

ホテル浦島
【所在】 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町勝浦1165
【電話】 0735-52-1011 【 インターネットURL 】
【日帰り】 入浴\1,000(9:00-19:00) 【宿泊】\10,500-
【泉質】 含硫黄-カルシウム-ナトリウム-塩化物泉54℃など。灰白色・硫黄臭・湯の花。糖尿・皮膚病・神経痛。自家源泉9・すべて源泉100%掛け流し。
【施設】 観光桟橋から専用船3分(目と鼻の距離)で行く、狼煙山半島全体がホテルという最大規模の宿。588室、創業1956年。大洞窟温泉の忘帰洞(紀伊藩主が゙美しい熊野灘の眺めのため帰るのを忘れたという)・玄武洞露天(岩々に波が打ち寄せる)・桶風呂露天・山上露天・眺望の良い洋風内湯など。素晴らしい景観と様々な種類の温泉が楽しめるが、廻る浴槽が多すぎて落ち着かない。P200台(桟橋へ送迎)。
【評価】 ★★★★★近畿・中国で唯一白濁した硫黄泉。
ホテル中の島
【所在】 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町勝浦1179
【電話】 0735-52-1111 【 インターネットURL 】
【日帰り】 入浴\1,000(14:00-19:00) 【宿泊】\13,500-
【泉質】 含硫黄-カルシウム-ナトリウム-塩化物泉54℃など。灰白色・硫黄臭・湯の花。糖尿・皮膚病・神経痛。自家源泉9・すべて源泉100%掛け流し。
【施設】 観光桟橋から専用船3分(目と鼻の距離)で行く、狼煙山半島全体がホテルという最大規模の宿。588室、創業1956年。大洞窟温泉の忘帰洞(紀伊藩主が゙美しい熊野灘の眺めのため帰るのを忘れたという)・玄武洞露天(岩々に波が打ち寄せる)・桶風呂露天・山上露天・眺望の良い洋風内湯など。素晴らしい景観と様々な種類の温泉が楽しめるが、廻る浴槽が多すぎて落ち着かない。P200台(桟橋へ送迎)。
【評価】 ★★★★★含硫黄食塩(含塩化土類硫黄食塩)泉50℃。船で行く、湾内に浮かぶ島全体がホテルという宿(139室)。全客室から海が見える。自家源泉5・掛け流し(夏は温度調整のため少し加水・消毒・加熱)。無色(微白濁)・硫黄臭◎・湯の花。一般的効能○。洋風石造り大浴場(ガラス張りで湾内の眺望)・二段の大きな岩露天(海と一体となったかのように入江の波打ち際にあり、眺望◎)・洞窟風呂(ゴボゴボと源泉が迸り出る)・露天付き貸切風呂\2,100/50分。熊野水軍料理が名物。プールあり。P100台。駅より南東に徒歩7分(駐車場あり)-観光桟橋(観光遊覧船・ホテル渡船乗場)-専用船で5分-湾内に浮かぶ中の島(「ホテル浦島」との海上距離は200m位)。
ホテルなぎさや
【所在】 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町湯川955-1
【電話】 0735-52-0015 【 インターネットURL 】
【日帰り】 入浴\1,050(16:00-21:00) 【宿泊】\10,000--
【泉質】 単純硫黄泉40-43℃・ナトリウム-カルシウム-塩化物泉29℃。無色・硫黄臭・ツルツル感・美肌。敷地内に湧く自家源泉100%。
【施設】 温泉街より南西の海沿いで入り江に位置する、オーシャンビューの白っぽい宿(85室)。部屋から見える入り江の景色が美しい。屋根付き眺望大露天岩風呂(雄大な海岸美の眺め)・大水槽がある石造り内湯(入浴しながら水族館式に魚鑑賞)。ホテル前で釣り可。食事も海山の幸(伊勢エビ・ゾウリエビ造り・サザエ・ウニ・本マグロ)。P100台。
【評価】 ★★★★☆元は皇室の別荘であったそうで、落ち着いた雰囲気がある。
旅館組合【電話】0735-52-0048 【 インターネットURL 】
(南紀)勝浦温泉へのドライブ
▼ 近畿道-松原JCT-阪和道-南紀田辺IC(2時間)-
▼ R42-周参見-串本-勝浦(2時間)-県道を南東に5分で
南紀田辺ICから所要2時間(京阪神から4時間、東京からは7時間)。
▼ 一般道では、松原-美原-R309-富田林-御所-山麓線-
▼ 五条-R168-大塔-十津川-本宮-新宮-R42で、5時間
※鉄道では、大阪天王寺駅-紀勢線-紀伊勝浦(3時間半)
※東京からは、新幹線-名古屋(2時間)-紀勢線(4時間)



「ホテル中の島」露天風呂440
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