left★原文・現代語訳★  
「古典現代語訳ノート」(普通クラス)
   (漢詩) 柳宗元

〈作者〉
・773〜819年、中唐自然派の詩人・政治家
          字は子厚
唐宋八大家の一人で、文章は韓愈と並び称される
・著作 『捕蛇者説』(文)など
    左遷中の孤独感を歌った『江雪』(詩)は有名

〈参考〉…唐詩の歴史区分
 初唐 唐成立(618年)〜     (7世紀)
 盛唐 玄宗皇帝〜安史の乱    (8世紀前半)
 中唐 安史の乱〜  (8世紀後半〜9世紀初頭)
 晩唐 〜唐滅亡 (907年)    (9世紀)

right★補足・文法★        
(漢詩)2021年10月




・皇帝(順帝)のブレーンの一人として活躍したが、
 33歳で失脚して、湖南省永州の副知事に左遷。
・10年後、都に戻されるが、直ぐ江西自治区柳州
 の知事として都を追われ、この地で没する。








全体の構成 @(起句) A(承句)
B(転句) C(結句)
left★原文・現代語訳★  
  江 雪    柳宗元
   江 雪
   =川に降りそそぐ雪

@(起句) 千山 鳥飛絶
      千山 鳥飛ぶこと絶え
      =(見渡す限りの)何千もの山々からは
       (雪のために)飛ぶ鳥の姿が絶え、

A(承句)
万径 人蹤滅
      万径(ばんけい) 人蹤(じんしょう)滅す
      =何万もの小道からは(雪に埋もれて)
       人の通る足跡が消えてしまった。

B(転句)
孤舟 蓑笠翁
      孤舟 蓑笠(さりふ)の翁(おう)
      =(だが)一艘の小舟の上には
       蓑と笠を身に付けた老人が、

C(結句)
独釣 寒江雪
      独り釣る寒江の雪
      =ただ一人で釣り糸を垂れている、
       雪が降る寒々とした寂しい川で。

right★補足・文法★        

☆「江雪」という寒々しい冬の情景は、
 都から左遷された時の作者の心象風景であろう

☆大量の雪が降ったため




・人蹤=人の足跡
☆ただ一面に雪が降り積もる白い世界が広がり、
 人の気配などは全く無い
☆「千・万」「鳥・人」「絶・滅」など…対句

孤独な人生にある者の比喩
 →作者の心理を投影した人物



・寒江=寒々とした寂しい冬の川




left★原文・現代語訳★
〈要約〉
▼一面に雪が降り積もり人の気配などが全く無い白い
 世界で、ただ一人で釣り糸を垂れる寒々しく寂しい
 老人の姿を詠む

〈鑑賞〉
・柳宗元が都から左遷されていた時の作品と言われ、
 作者の寒々しく寂しい心象風景を詠む。

〈概要・表現〉
五言絶句(5字の句×4行)(五言古詩の形?)
・起承転結の構成
・押韻→絶・滅・雪
   (句末に同じ響きの語→リズムや音楽性)
・対句は、第一句(起句)と第二句(承句)
 →構造や語感(文字)の対応・呼応により句を強調

right★補足・文法★    

「江雪」(YouTube 朗読)
ヘンデル「協奏曲ト短調」

写真は、ネット上のものを無断で借用しているものが あります。どうぞ宜しくお願い致します。

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