left★原文・現代語訳★  
「古典現代語訳ノート」(普通クラス)
   (漢詩)孟 浩然 「春暁」

〈出典=『唐詩選』〉
・明の李攀竜(1514〜1570)の編
・唐代の詩465首を詩体別に集めた書物

〈作者〉
・689〜740年 盛唐の代表詩人、字も浩然
自然詩人として知られる
 →同じ時代の王維と共に、自然の中の生活を詠んだ
  詩が多く、「王孟」と並び称される

〈概要〉
五言絶句          (押韻)暁・鳥・少
・歌うような心地よいリズムに特徴がある
〇官職に就かず放浪に生きる中で、出世はしなくとも
 自由気ままに朝寝坊ができるという、春暁の明るく
 ほのぼのとした思いを詠む      (→主題)

right★補足・文法★        
(漢詩)2021年10月



・『唐詩選』は李白・杜甫を初め
 初唐・盛唐の詩を重んずる


・官職に就こうと頑張ったこともあるが、科挙に合格
 することができず、自由気ままに各地を旅したり山
 にこもったりして、生涯を漂泊の旅に生きた。
 この点は李白も似ていて、二人は仲が良く、孟浩然
 を見送る「黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る」  という詩がある。






全体の構成 【一】(起) 【二】(承)
【三】(転) 【四】(結)
left★原文・現代語訳★
〈授業の展開〉

    春 暁    孟 浩然
     春 暁
     =春の夜明け

【一】<起>
春 眠 不 覚 暁
 春眠暁を覚えず
 =春の眠りは(ぬくぬくと心地よく)
  夜が明けるのも分からないほどだ

【二】<承>

処 処 聞 啼 鳥
 処処啼鳥を聞く
 =(夢から目覚めると)あちらこちらから
  鳥のさえずりが聞こえてくる

【三】<転>

夜 来 風 雨 声
 夜来風雨の声
 =(そう言えば)夕べは
  雨風の音がひどかった

【四】<結>

花 落 知 多 少
 花落つること多少を知らんや
 =どれほどの花が
  散ってしまったことだろうか

right★補足・文法★        


・暁=夜明け、明け方










・処々=あちらこちら
・啼=鳴く




・夜来=昨夜、夕べから





・知多少=どれほどであろうか
     (多少を知っていようか、いや知らない)
☆1・2句のほのぼの感じと幾らか違った味わいで、
 詩の最後を結び、人生の影を感じさせる

left★原文・現代語訳★
〈40字要約〉
春の明け方の心地よい眠りを楽しみながら、自然に身
を委ねる風流な思い

(YouTube)「春 暁」の解説
(YouTube)「春 暁」の解説
(YouTube)「春 暁」の解説

right★補足・文法★    

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