(先生の授業ノート)榎本博明「鏡としての他者」  
left★板書(+発問)★   
(先生の授業ノート…普通クラス)
   榎本博明「鏡としての他者」

〈出典〉
・『<自分らしさ>って何だろう? 自分と向き合う   心理学』(2015年)による

〈筆者〉
・1955(昭和30)年〜
・現代社会に生きる人々の心のあり方について論じる  とともに、心理学をベースにした人材育成や子育て  などに関する提言を行う。(…第一学習社現代文B)
・著書 『(ほんとうの自分)のつくり方』     『「上から目線」の構造』など

〈概要→要約〉
・私達が人の目を気にするのは、自分の姿を映し出す  鏡だからであって、他者は自己を認識させて、自己  イメージも作らせるものだから、「自己とは他者で  ある」と論ずる。

right★補足(+解説)★   
(評論)2023年6月(7月改)


※随筆=自己の感想・意見・見聞・体験などを
    筆に任せて自由な形式で書いた文章(随想)
 評論=物事の善悪・価値・優劣などを
    批評し論じた文章
※構成…序破急(三段)←→起承転結(四段)






全体の構成 【一】(序)人の目は気になる
             (導入…話題提示・問題提起)
【二】(破)鏡映自己は内面も映し出す
                    (具体的考察)
【三】(急)自己とは他者である
                       (結論)

                 
left★板書(+発問)★    
〈授業の展開〉

【一】(序)人の目は気になる
          (導入…話題提示・問題提起)
<確かに…だけど…>
<人の目は気になる>
    =周りの人の目に自分がどう映っているか。
     それは、誰にとっても大きな関心事だ。
 <このように>
    =相手からどう思われているかを
     気にする習性を身につけている
    ↑↑
<どうして…か>
人の目が<自分の姿を映し出してくれる鏡>だから
    =自分を知るための…ヒントを与えてくれる
    =モニターカメラのようなもの
    ↓
<具体例>
  …そんなふうに人の目は気になって当然なのだ

▼〈段落まとめ〉
私達は、相手からどう思われているか、人の目を気に する習性があるが、それは人の目が鏡のように客観的 に自分の姿を映し出してくれて、自分を知るヒントを 与えてくれるからである。

right★補足(+解説)★        




・譲歩構文
☆人の目が自分の姿を映し出してくれる鏡だから







☆自分の姿が客観的にどう見えるかを教えてくれる




☆相手からどう思われているかを気にする習性がある







left★板書(+発問)★    
【二】(破)鏡映自己は内面も映し出す
                 (具体的考察)
他者の目という鏡に映し出された「鏡映自己」は  自分の人柄や能力といった
 <内面的な特徴も知る>ことができる
    ↓
〇他者の目に自分がどう映っているかを知ることで
 誇りや屈辱のような感情が生じる
    ↓
    否定的な評価を受けているのが分かっても
    認知的(理性的)に反応できる人は
    今後の改善に生かすことができる
    ↓
〇自分に対する気づきを与えてくれて
 自分の<成長のきったけ>になることもある
    ↓
    辛口の他者、価値観や性格の異なる他者との
    出会いや付き合いも大切だ

▼〈段落まとめ〉
他者の目という鏡に映し出された「鏡映自己」は自分 の内面的な特徴も知ることができる。それにより誇り や屈辱のような感情が生じるが、今後の改善に生かす ことで、自分の成長のきったけになることもある。

right★補足(+解説)★        


☆他者の目(という鏡)には、外見だけではなく
 自分の人柄や能力(…態度・発言)も映し出される
 =他者の反応によって、適切性を知ることができる

☆評価が肯定的であれば誇りのような感情が生じ、
 否定的であれば屈辱のような感情が生じる

















left★板書(+発問)★    
【三】(急)自己とは他者である
                    (結論)
<「自己とは他者である」>
    ↓           (言葉の意味@)
 @自分の事は自分がよく分かっているつもりだが、
  結局よく掴めず、自分を遠い存在に感じる

<だが、もう一つの意味…>
自己イメージは、小さい頃からの経験の積み重ねに  よって徐々に作られてきた(が、それは)
    ↓(言われた言葉、示された態度など)
 A色々な<他者が自分に抱くイメージ>
  によって作られている(ので)
    ↓           (言葉の意味A)
 「自己とは他者である」と言える

▼〈段落まとめ〉
自分と向き合うと自分の事がよく見えなかったりする ので、「自己とは他者である」と言えるが、小さい頃 からの経験の積み重ねにより徐々に作られてきた自己 イメージは、色々な他者が自分に抱くイメージにより 作られているので、「自己とは他者である」と言える

right★補足(+解説)★        




☆自分と向き合うと、
 自分のことがよく見えなかったりするものだ


☆自己イメージは、自分自身が作り出すものでなく、  人から言われた言葉や人から示された態度といった  色々な他者が自分に抱くイメージによって作られて  いる











left★板書(+発問)★    
〈要約310字=24×13〉
私達が人の目を気にするのは、人の目が客観的に自分 の姿を映し出す鏡だからだ。この鏡によって、私達は 外見だけでなく、自分の人柄や能力といった内面的な 特徴や自分に対する評価も知ることができる。評価が 肯定的か否定的かによって誇りや屈辱のような感情が 生じるが、認知的(理性的)に反応すれば今後の改善に 生かすことで、自分の成長のきったけにもなる。
他者によって存在が認識できる自己は、向き合っても よく分からないで他者のような遠い存在に感じられる ものである。また、自己イメージは幼い頃からの経験 の積み重ねによって作られるが、元々は色々な他者の 自分に抱くイメージによって作られているのである。 従って「自己とは他者である」と言える。

〈補足〉


right★補足(+解説)★        










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