(先生の授業ノート)小川眞里子「科学的発見とは」  
left★板書(+発問)★   
(先生の授業ノート…普通クラス)
   小川眞里子「科学的発見とは」

〈出典〉
・「フェミニズムと科学/技術」(2001年)

〈筆者〉
・科学史・科学技術論研究、イギリス生物学・医学、  科学とジェンダー
・著作 『甦るダーウィン』『病原菌と国家』『歴史     教育とジェンダー』『環境科学の歴史』
〈概要→要約〉
・言語認識論(科学的視点の持ち方と意義について)
・一つのものが、複数の違ったものに見えるように、  私たちは、<客観的な事実>を忠実に知覚している  のではない。<認識や発見>は、<人間の主観>の  在り方と深く関わる。

right★補足(+解説)★   
(評論)2024年11月








left★板書(+発問)★    

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全体の構成 【一】(起)観察することは単純ではない 【二】(承)想像で補いながら意味をくみ取る
【三】(転)観察は背景知識に左右される 【四】(結)予見の基にデータを意味づけ構築する発見
left★板書(+発問)★    
〈授業の展開〉

【一】(起)観察することは単純ではない

見ることは
信念を形成する上で大きなウェイトを占める
  ↓
<しかし>
事実を<観察すること>はそれほど<単純ではない>
  ↓
 (第二段…事例)

▼〈段落まとめ〉
事実を観察することは、信念を形成する上で大きな
ウェイトを占めるが、それほど単純ではない。

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left★板書(+発問)★    
【二】(承)想像で補いながら意味をくみ取る

  (科学哲学者の著書「知覚と発見」における例)
背後に<想像>を膨らませて
視界にないものも<補いながら>見て
<意味>を汲み取る

  ↓(同じ一つのものが
  ↓ 複数の違ったものに見える)
ある予見のもとにデータを見ていて
一意的に理論が導出されるのではない

▼〈段落まとめ〉
私たちが事実を観察する時、想像を膨らませて視界に ないものも補いながら見て意味を汲み取るのである。 即ち、ある予見のもとにデータを見ていて、一意的に 理論が導出されるのではない。(複数の違った見え方 と理論がある。)

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(客観的な事実→人間の主観→知覚→認識・発見)
☆教科書「図A」を示したのは、同じ一つのものが、
 複数の違ったものに見える
ことを言うためである。
 私たちは、客観的な事実(データ)を、主観(想像)  で補って知覚(して理論を発見)しているのであっ  て、忠実に知覚しているのではない。  (即ち)
 データがあれば一意的に理論が導出されるのでない









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【三】(転)観察は背景知識に左右される

観察は、状況や<背景知識>によって左右される
     →見ることはそれほど自明なことではない
  (図B)想像
  <ところが>時系列…想定…意外な解答…笑い
  <しかし>信じられないという表情から、驚きの        表情に変わってくる
  ↑
無意識のうちに様々なものを見て
膨大な量の<学習を蓄積>
     →<従って>人の動きだと誰かが言うと
      ほとんど全員がそう見ることができる

▼〈段落まとめ〉
私たちは、無意識のうちに様々なものを見て、膨大な 学習を蓄積していて、その背景の知識によって(想像 して意味を汲み取り)観察は左右される。

right★補足(+解説)★        


・自明=当たり前であること


☆意外な解答であっても、無意識のうちに膨大な量の  学習を蓄積していて、同じような背景知識があって  抽出することも可能だから、誰かがあることを言い  出すと、他のほとんど全員が同じように見ることが  できるから









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【四】(結)予見の基にデータを意味づけ構築する発見

 (第二段・三段…事例)
  ↓
  観察が<予断>を伴うものであり
  観察事実に<意味>を持たせるには
  観察に先立つ<理論>がなければならない(?)
     →(観察に基礎を置くが)観察は千差万別
  ↓
<発見>は
ある<意図>に沿って(予見・予断のもとに)
データを<再編>し(意味づけ)<構築>するもの

     (端的な事実の観察によるものではない)
  ||
 科学<理論>は
 観察する主体が己の<意図>に沿って
 <構成>し<構築>する
 という<主体的>要素を多分に含む
    ↓
=(学生)観察→想像→影響→
    <多くの見方>→多彩な意味→
    「見ることは考えることだ」(と考える)
    <発見>は
     ある<予見>のもとに
     データを<意味づけ構築>するもの

                  (と理解する)

▼〈段落まとめ〉
発見とは、ある予見のもとにデータを再編して(意味 づけ)(理論として)構築していくものである。

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(@単純でない→A想像→B背景知識→C再編構築)

☆観察事実→予断(予見・予測)→意味→理論

  学習の蓄積(膨大)→背景知識
        ↓(観察?)
  想像→予断・意図・予見(予測)
        ↓(意味づけ?)
  データの再編・構築→理論・発見?

     ーーーー
    |    |
    | 事物 |
    |(データ)|
    |    |
     ーーーー
       ↑
       ↑観察→想像→意図=予見→再編→発見
       ↑
     ーーーー
    |    |
    | 主体 |
    | (人間) |
    |    |
     ーーーー






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〈要約270字=24×11〉
事実を観察することは、信念を形成する上で大きな
ウェイトを占めるが、それほど単純ではない。
私たちが事実を観察する時、想像で視界にないものも 補いながら意味を汲み取るのであって、複数の違った 見え方があり、ある予見のもとにデータを見ていて、 一意的に理論が導出されるのではないからだ。
私たちは無意識のうちに膨大な学習を蓄積していて、 その背景の知識によって想像をして意味を汲み取る から、観察は左右されることになる。
従って、発見とはある予見のもとにデータを再編して 意味づけし、理論として構築していくものといえる。

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