left★原文・現代語訳★
〈授業の展開〉
いろはにほへと ちりぬるを
(色は匂へど 散りぬるを)
=(咲き誇る)桜の花の色は美しいけれど、
(いつかは)散ってしまうものなのだから、
わかよたれそ つねならむ
(我が世誰そ 常ならむ)
=(同じように)我々の人の世も誰が、
永遠(にずっと生き続けられること)であろうか
(いや、永遠ではなく、全ては無常なのである)。
うゐのおくやま けふこえて
(有為の奥山 今日越えて)
=(変わり易く儚い)様々な物事のある人の世の
(無常であるのは永遠普遍の真理なのだから)
奥深き山(のような悩ましい迷いや煩悩)を、
今日も越えて(悟りの境地に至れば)
あさきゆめみし ゑひもせす
(浅き夢見じ 酔ひもせず)
=浅く儚い夢は、見(て惑わされ)たりする
ことがないようにし、
(酒に)酔いしれ(るように心を奪われ)たりする
こともしない (安らかな心境である)。
(「いろは歌」)
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right★補足・文法★
・散り(「散る」連用)ぬる(完了助動詞=してしまう)
を(詠嘆助詞=だなあ)
・なら(断定助動詞=である)む(推量助動詞=だろう)
★必ず全てと別れて、一人で死んで行かねばならない
→地位も財産も全ては儚い夢のように消えて行くのだ
・有為(ウイ)=(人為の有る)無常なこの世(の様々に
生じては滅する、全ての存在や現象)
→無為=手(人為)を加えずに、自然なままのこと
→有為転変=全ては常に移り変わり無常であること
・奥山=生じては滅びる苦悩に満ちた人の世のたとえ
・煩悩=自己愛や欲望に起因して人を悩ませ煩わせる
心の迷い。これを乗り越えることが、悟りの境地に
至る(心の安らぎを得る)方法とされる
・見(「見る」未然形)じ(打消意思=…ないつもりだ)
☆栄華を誇った豊臣秀吉も、臨終に際して全ては夢の
ように消えて行く儚い人生だったと辞世の歌を詠む
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