八甲田・十和田の温泉 (青森県)   (黒石IC→R102または青森中央IC→)

十和田湖畔

 1週間の東北秘湯巡りの旅に出た。裏磐梯-岩手八幡平-乳頭-不老ふ死(鯵ヶ沢)-猿倉(八甲田)-山形蔵王のコースだ。5泊目は、八甲田南東の「猿倉」である。「ねぶた祭り」など色々あったが、露天からの眺望を楽しめる、まだ十分に明るい頃に着くことができた。

 八甲田・十和田の温泉は、十和田八幡平国立公園内で、青森県南部の八甲田山の南中腹・十和田湖の北に点在する幾つかの山間の温泉である。
 八甲田は、明治時代に陸軍の雪中行軍訓練で大量の凍死者が出た事件があり、記念碑にも記され、新田次郎の小説ともなった所でもある。冬は雪の多い秘境で、風情があり効能の優れた個性的な一軒宿の温泉が多い。湯治客が絶えず、現在も秘湯ブームの中で人気が高い。日帰り入浴は、どの宿もOKである。

 泉質は、(含石膏)酸性硫黄泉・硫化水素泉・単純泉・含土類石膏芒硝泉・ラムネ泉など38-64℃位、やや青みがかった白濁色・硫黄臭・湯の花が素晴らしく、ほとんどで糖尿病・高血圧・脳卒中・肝臓病・胆嚢症・呼吸器病・皮膚病などに効能がある。食事は、わらび・きのこ・山うど・じゅんさいなどの山菜や岩魚の塩焼きや骨酒などが美味しい。

 観光としては、標高1,323mの八甲田山頂まで10分の空中散歩をすれば、眼下に壮麗な樹海が広がる八甲田ロープウェイには乗ってみたいものである。また、渓流美が全国的に知られる奥入瀬渓流の散策や、遊覧船での十和田湖周遊もしたいものである。もちろん、岩魚釣り・ハイキング・登山・スキーも良い。


乙女の像

 猿倉・酸ヶ湯・青荷を楽しんだ後、今回は蔦・温川をあきらめ、大急ぎで南下した。京阪神まで車で帰るには、途中で一泊しなければならず、強行軍なのだ。午後2時頃、奥入瀬渓流・銚子大滝・十和田湖に立ち寄り、高速で一気に山形蔵王まで突っ走った。ここも硫黄の香りに胸ときめく蔵王には、夕方6時半頃についた。温泉・食事・温泉・ビールと楽しみ、流石に夜は熟睡できたようだ。


酸ヶ湯・猿倉温泉(八甲田の南東)へのドライブ
▼ 京阪神-北陸・東北道13時間-黒石IC-R102-R394-R103-
▼ 酸ヶ湯-猿倉-蔦温泉-奥入瀬渓流-十和田湖北東(子の口)で
黒石ICより酸ヶ湯温泉まで所要45分(30km)
▼東京からでは黒石ICまで東北道8時間、また、青森中央ICからでは-R103(ゴールドライン)-八甲田山-酸ヶ湯温泉で50分(30km)。鉄道では、JR青森駅より酸ヶ湯温泉までバス70分(\1,600)。

青荷温泉(八甲田の南西)へのドライブ
▼ 東北道-黒石IC-R102-道の駅「虹の湖」-左折して山道-
▼ 青荷温泉-温川温泉-十和田湖南西(休屋)で
黒石ICより青荷温泉まで所要40分
▼鉄道では、東京-新幹線3時間-八戸-100分-弘前-30分-黒石駅-バス40分-道の駅「虹の湖」-送迎シャトルバス20分。飛行機では、羽田空港-JAL70分-青森空港-タクシー60分-道の駅「虹の湖」-送迎シャトルバス。
温泉施設 酸ケ湯温泉 (元湯)猿倉温泉 (ランプの宿)青荷温泉
酸ケ湯温泉

【所在】 青森市荒川南荒川山国有林酸湯沢50
【電話】 0177-38-6400
【時間】 7:00-17:30。
【料金】 【入浴】\500
【宿泊】\10,650-。
【泉質】 酸性硫黄泉(含石膏硫化水素泉)(緊張低張性温泉)52℃,pH1.9。紫外線や山のオゾンの多い空気や高地気候の作用と相まって、強酸性の硫黄泉がわずか10日で皮膚病など万病に高い効果が現れる(湯治の日数は10日が望ましい、即ち3日1廻り3廻り9日という)。昭和29年に国民温泉第1号に指定を受ける。湯は源泉100%の湯で、乳白色◎、やや強めの硫黄泉で、皮膚などが浴後にピリピリする(顔などを何回も洗えばかぶれたようになる)。
【施設】 八甲田山大岳(標高1,500m)の南西中腹(海抜900m)の大自然の中にあって「雲上の霊泉」と称される、何百年も人々を癒してきた昔風の湯治滞在型の、木造一軒宿。畳160畳に相当するという有名な総ヒバ造り千人風呂◎(混浴だが女性専用時間あり・源泉が下から湧き出す熱の湯・冷の湯・四分六分の湯・湯滝など5つの湯船)・温泉蒸気の木箱に座るふかし湯・男女別小浴場「玉の湯」あり。露天なし。1人旅は+\1,000・湯治部は6畳1泊2食\7,500。
【評価】 ★★★★☆(2009.08)この付近最大規模の温泉地なのか、北の果てなのに老若男女で賑わっていた。
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総ヒバ造り千人風呂(混浴)

城ヶ倉大橋
(元湯)猿倉温泉

【所在】 十和田市奥瀬猿倉1
【電話】 0176-23-2030
【時間】 10:00-18:00、冬休業。
【料金】 【入浴】\500。【宿泊】\9,600-。
【泉質】 含石膏硫化水素泉85-90℃。自然湧出の自家源泉が6本(3本使用し、残る3本は元湯として「渓流グランドホテル」などの十和田湖温泉郷の全てに送湯)あり、湯量豊富で泉質も抜群である。湯は、非加水・非加温・非消毒、薄い青白濁色で硫黄臭が快く、熱湯・温湯がある。糖尿病・高血圧・脳卒中・肝臓病・胆嚢症・呼吸器病・皮膚病などに効能がある。
【施設】 「酸ケ湯」南東5km・「谷地」の西1kmの山中にある秘湯の木造一軒宿(10室)。「秘湯を守る会」会員。自家発電なのでドライヤーは使えず。本館の和室も風情があって良いが、新館の洋室はモダンなインテリアが洒落た感じで女性好みなようだ。入浴施設は、小さな窓がある木造浴室の内湯石風呂(男2女2)・自然蒸風呂(サウナ)・近くに渓流が流れ周辺の山並みが眺められる開放的なコンクリート造り露天風呂(男4女4)がある。バッハ・テレマンのバロックがBGMとして聞こえるはずであったが、宿泊時には聞こえてこなかった。アクセスは、黒石ICから50分、鉄道では青森駅よりバス90分で徒歩10分。
【評価】 ★★★★★(2009.08)八甲田ではNo.1である。
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露天風呂

内湯(右手前が自然蒸風呂)
(ランプの宿)青荷温泉

【所在】 黒石市沖浦青荷沢滝ノ上1-7
【電話】 0172-54-8588
【時間】 10:00-15:00、冬も営業。
【料金】 【入浴】\500。【宿泊】\9,600-。
【泉質】 アルカリ単純泉41℃。湯は、自然湧出の自家源泉・源泉掛け流し(非加水・非消毒・非加温)、無色透明・無臭で、肌に優しい。効能番外として、落としてきた恋の癒し、冷めた夫婦を温めるのには最高!!。
【施設】 南八甲田の櫛ケ峰から流れる秘境青荷渓谷の谷底の渓流沿いに、民芸品が飾られた本館と離れ3棟が静かに佇む「ランプの宿」の秘湯(35室)。「酸ケ湯」の南西に車で40分程の所にある。2001年より通年営業となり、雪の多い冬も営業している。夕方ランプが灯り、テレビもなく、昔ながらの風情である(電気が引けるが、客の求めで今もランプのままらしい)。入浴施設は4つの湯めぐりができ、渓流沿いにある全面ガラス張り総ヒバ造り内湯2・本館横のヒバ造り内湯2・吊橋を渡った対岸の屋根付き混浴露天岩風呂1つ(桶露天風呂と小さな露天岩風呂も付属・女性専用タイム11:00-12:00)・野趣ある男女別露天岩風呂「瀧見の湯」・足湯がある。食事は、山女魚・岩魚・鯉・山菜などの田舎料理。日帰りも、川菜定食\1,260・釜めし定食\1,260・山川定食\2,100\・青荷定食3,150などがある。優しくランプが灯り、どこまでも素朴で、ただ穏やかな時が流れているかのような所である。
【評価】 ★★★★★(2009.08)
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ヒバ造り内湯

露天風呂
東北道 ⇒ 黒石IC ⇒ R102 ⇒ R394 ⇒ R103 ⇒  酸ヶ湯温泉 ⇒ 猿倉温泉 ⇒ 蔦温泉 ⇒ 十和田温泉  ⇒ 奥入瀬渓流(子の口) または 黒石IC ⇒ R102 ⇒ 道の駅「虹の湖」 ⇒ 青荷温泉 ⇒ 温川温泉 ⇒ 十和田湖(休屋) 

奥入瀬渓流

銚子大滝(奥入瀬渓流)