left★板書(+補足)★
【二】(破A)事物の本質である名前(言語記号)
事物を命名・認識して存在させる言語
(本論A)
〇<常識>では
「名付ける」=<既に存在>する人間や事物に
<ラベルを貼り付ける>ことである
<しかし>
・「赤子」と「子供」や、「犬」と「狸」が
それぞれ<区別>されず、一語に括られる
言語がある
=日本語でのような<存在>の仕方を
していない
↓
・「<存在>が<名前>に先立つ」という
結論を軽々に下すわけにはいかない
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〇「事物の<命名>は
認識の後にもたらされるのではなく
<認識そのもの>である」(メルロ・ポンティ)
・言語以前に、ものを認識して
その後で対象に名前を付けると
思いがちであるが
<しかし>
↓
・<物>は、<名前>を持った時に
初めて<認識>され、<存在>するのである
〇具体例(事物…命名=認識→存在)
・古代の名称にまつわる神話・信仰
→エジプト…隠していた本名を知られた
太陽神の力を、女神が奪って全能となる
→オーストラリア…入団儀礼の際に息子に
だけ自分の名を打ち明けるが、他の人々
には隠し続ける
・名を口にすると危険な動物が出て来て害を
なすのを恐れるあまり、仮の名で呼ぶ慣習
→スラブ語…「熊」を「蜂蜜」
→古代ドイツ語… 〃 「褐色のもの」
↓
<これは><名>が対象と同じ<力を持つ>
〃 対象を出現させる
という<言霊思想>
雨乞い儀式もその一つ
・アッカド語…「存在」=「命名」
シノニム(同義語)
▼〈段落まとめ〉
常識では、「名付ける」行為は既に存在する「もの」
にラベルを貼り付けることと考えられたが、そうでは
ない。「もの」の命名は認識そのものなのであって、
「もの」は名前を持った時に初めて認識されて、存在
するのである。
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right★発問☆解説ノート★
・ラベル=名札。商品の内容などが書かれたもの
(例1)
(日本語) 水 ・ 湯 → 二語で区別
(英語)冷たい水 ・ 熱い水 → 「水」一語
(例2)
(日本語)稲,米,めし,御飯,ライス→ 五語で区別
(英語) ライス → 区別なく一語
(例2)
(日本語) 牛 → 「牛」一語
(英語) OX ・ COW → 二語で区別
★「もの」が先ず存在し、その後で「名前」を付けた
のではなく、
<名付ける>ことによって他の物から区別・<認識>
でき、初めてものが<存在>するのである。
★もの…命名=認識→存在
・言霊信仰=言葉に霊力が宿っていて、ある言葉を口
出すとその内容が実現するという信仰。
言葉に霊(不思議な力)が宿っており、
その霊の持つ力が働いて、言葉に表すこ
とを現実に実現すると考えていた。

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