越後湯沢温泉 (新潟県)   (越後湯沢IC→R17)

JR上越線:谷川連峰・新清水トンネルを抜けて「雪国」へ(朝日新聞夕刊2009年より)

 「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」 あの有名な書き出しで始まる、川端康成の『雪国』の舞台となった15軒の宿からなる温泉地である。新潟県南部で、群馬県境を南に越えると法師・猿ケ京・湯宿温泉という所に位置し、スキー場でも有名である。開湯は鎌倉時代。泉質は、ナトリウム-カルシウム-塩化物泉(弱アルカリ性低張性高温泉)57℃。PH8.0(ある代表的な源泉)・弱アルカリ単純泉。湯は、無色で、リウマチ・神経痛などに効能がある。


 日帰り入浴は、外湯巡りができる公衆浴場が国道17号沿い近くに6ケ所あり、民営のクアハウスや健康ランドも10軒ほどある。観光としては、塩沢石打ICよりR353を西に行った所に、日本三大峡谷の保津峡がある。

越後湯沢温泉へのドライブ
▼ 名神高速-米原JCT-北陸道-金沢-上越-長岡JCT-関越道-
▼ 越後湯沢IC-R17を北-湯沢駅付近-県道を西-北で
越後湯沢ICより所要8分(京阪神から7〜8時間、金沢東から4時間)
▼ 東京からは、練馬IC-関越道110分-越後湯沢IC-R17-県道で2時間。鉄道では、東京駅-上越新幹線90分-越後湯沢駅(新潟駅からは50分)-徒歩8分。
温泉施設 (雪国の宿) 高半 湯沢東映ホテル 湯沢ニューオータニホテル 貝掛温泉 赤湯温泉
(雪国の宿) 高半 (タカハン)
【所在】 南魚沼郡湯沢町湯沢923
【電話】 025-784-3333
【時間】 13:00-17:00。
【料金】 【入浴】\1,000。【宿泊】\10,650-。
【泉質】 (弱アルカリ性)単純硫黄泉43℃,pH9.6。湯元源泉で他と異なる。湯は、自然湧出・掛け流し100%(非循環・非濾過)で、無色・微硫黄臭・湯の花・ツルツル感・温い湯といった特徴がある。
【施設】 湯沢駅西口より最北の湯元地区にある、(高橋半六以来)800年の老舗で、文豪・川端康成が『雪国』の舞台にした宿(36室)。施設は、窓越しに三国山脈を一望できる素晴らしい洋風内湯・サウナがある。露天はなかったが、現在女湯はあるようだ(?)。
【評価】 ★★★★☆凄い訳ではないが、一度は行ってみたい宿。

イメージ(吉野「宝の家」料理)
内湯(朝日新聞夕刊2009年より) ⇒
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湯沢東映ホテル
【所在】 南魚沼郡湯沢町湯沢3459
【電話】 025-784-2150
【時間】 6:00-9:00・14:00-21:00。
【料金】 【入浴】\1,000。【宿泊】\12,000-。
【泉質】 弱アルカリ単純泉(低張性高温泉)58℃。Na,Ca,Cl,SO4,HCO3イオンが主成分(総計1,073mg/kg)。湯は、加水・加温・循環濾過・消毒で、無色。
【施設】 湯沢駅西口より北すぐの民族資料館の北隣で、ロープウェイが目の前にある、東映スターが利用したホテル(60室)。施設は、洋風大浴場と、山々の眺めが良く上越随一のグレードの露天岩風呂がある。
【評価】 ★★★★☆
湯沢ニューオータニ ホテル
【所在】 南魚沼郡湯沢町湯沢330
【電話】 025-784-2191
【時間】 11:00-20:00。
【料金】 【入浴】\1,000。ランチ+温泉セット\1,600。
【宿泊】\14,500-。
【泉質】 弱アルカリ単純泉。
【施設】 湯沢駅西口より500m南にあるリゾートホテル(83室)。施設は、洋風大浴場・翡翠ジャグジー・屋根付き露天檜または岩風呂・貸切檜風呂がある。
【評価】 ★★★☆☆
越後湯沢では、最も規模が大きく、若者にも人気があるかも知れない。

貝掛温泉
 越後湯沢温泉の南西にある。アクセスは、湯沢IC-R17(三国街道)を南西-三俣スキー場-苗場の手前で8km(15分)。
赤湯温泉
 貝掛温泉の南西の山中にある。アクセスは、越後湯沢IC-R17(三国街道)を南西-三俣スキー場-貝掛温泉-苗場プリンスホテル-県道を北西20分-林道ゲート前駐車場(20台)-西に登山道を徒歩2時間。
貝掛温泉館
【所在】 南魚沼郡湯沢町三俣686
【電話】 025-788-9911
【時間】 10:30-14:00。
【料金】 【入浴】\1,000-。【宿泊】\12,700-。
【泉質】 ナトリウム-カルシウム-塩化物泉37℃。メタケイ酸やメタホウ酸の作用で、白内障などに効く「目の湯」として有名である。
湯は、無色透明・肌につく気泡・サラリ感といった特徴があり、温めで長湯ができる。
【施設】 群馬県境の三国峠を越えれば法師・猿ケ京温泉という、苗場東麓の山中にある庄屋造り一軒宿。「日本秘湯を守る会」会員で、上杉謙信の隠れ湯であったという。
施設は、石造り内湯・清流と緑に囲まれた露天岩風呂が男女別にある。
【評価】 ★★★★☆
越後湯沢に行けば、登山やスキーもしたいが、ここも是非とも訪れたい所である。
(赤湯温泉)山口館玉子湯
【所在】 南魚沼郡湯沢町三国475
【電話】 025-772-4125
【時間】 9:00-14:00。
【料金】 【入浴】\500-。【宿泊】\7,500-。
【泉質】 カルシウム-ナトリウム-塩化物泉41℃。足下や横の岩盤より湧出し、湯は、素晴らしい茶濁色。
【施設】 新潟県・群馬県の県境近くの越後湯沢・貝掛温泉の南西で、苗場山の南東麓の山中にある、登山道で徒歩片道2時間を要するちょっと厳しい所にある、秘湯の山小屋風一軒宿。役場としては基本的に通行禁止らしく、登山靴・雨具・リュックが必要。創業は明治30年で、「日本秘湯を守る会」に属し、携帯・衛星電話も通じないランプの宿である。夜の露天風呂は行灯・蝋燭の灯りが必要であり、混雑時は相部屋である。
施設は、内湯がなく、谷底の渓流すぐ横に緑に囲まれた自然なままの露天岩風呂が3つ(混浴2・女1)ある。
【評価】 ★★★★☆但し、登山道でかなり厳しく、要重装備である。
名神高速 ⇒ 栗東1:00 ⇒ 米原JCT1:30 ⇒ 北陸道 ⇒ 敦賀2:00 ⇒ 金沢3:00 ⇒ 黒部4:00 ⇒ 糸魚川4:30 ⇒  上越5:30 ⇒ 長岡JCT6:30 ⇒ 関越道 ⇒ 越後湯沢IC7:30 ⇒ R17 ⇒ 県道 ⇒ 越後湯沢温泉7:40
以下は、参考版(万座・高湯・吉野・天狗温泉、湯ヶ島・越後湯沢温泉)
(越後湯沢温泉) 雪国の宿 高半

 (気に入った記事を保存していたら、次のようなものが出てきた。2年ほど前の朝日新聞夕刊(2009年)の中に掲載された「よくばり−湯の旅」(右上に縦書き、下に桶と湯煙の絵あり)というものである。)

「雪国」はトンネルを抜けて 越後湯沢温泉
(新潟県)


(最初、このような題がやや大きなポイントの横書きで記され、以下に縦書きで湯ケ島温泉についての本文が続く。紙面のほぼ1/4ページ位の量である。プロはどのように書くのだろうか。紀行文の練習も兼ねて、そのまま書き写してみた。横書きではあるが。2011.09)

 
 「雪が見たい」と心がざわめく。東京は春爛漫というのに。
 東京駅で上越新幹線に飛び乗り、駅弁とうたた寝で1時間余り。国境の長いトンネルを「あっという間に」抜けると、余韻に浸る間もなく、越後湯沢駅にスーッと滑り込んだ。
 旅の人々は温泉宿へゆくのだろうか。粉雪がちらつき、「まだ寒いね」と若いカップルが体を寄せ合う。遅い春を待ちわびる、墨絵のような静かな山里は、まぎれなく雪国であった。

   □   

 ここを舞台に川端康成は小説「雪国」を著した。芸者駒子と東京の男・島村が出逢い、別れを予感しながら睦み合う悲哀。一本芯の通った強さと、儚く崩れ落ちそうな弱さをもつ駒子の心の揺れが、雪国の情景とともに美しい文章で紡ぎ出される。
 川端が滞在した「高半」。駒子のモデルの芸者・松栄と親しんだ川端が、想像をかき立てられた「かすみの間」に、私も腰を下ろす。障子戸を開くとタイムスリップしたかのような、あの雪国。部屋のオレンジ色の薄明かりが夕闇に妖しく浮かぶ。
 いで湯は絹のように滑らか。透き通るような白い肌に似合いそうだ。まぶたを下ろす。どこからともなく駒子が現れ、叙情的な三味線の音色を聞かせてくれそうな幻想が広がった。

   □   

 旅の終わり、上越線の新清水トンネルに足を運んだ。島村を待ち焦がれる駒子のように、じっと1時間。暗闇から輝きを放つように現れた3両編成の電車は、カタコトと白い里を駆けていった。   (ライター 森厚志)

http://www.takahan.co.jp/

 (画像は、@左上に紙面1/4の中の60%ほどで14×10.5cm、Aすぐ下に7×5cm、Bそのまま記事を挟んで右端下に地図4.3×3.2cm、と3枚掲載されているが、その説明が同じポイントで以下のようにある。)
@新清水トンネルを抜け「雪国」に入るJR上越線。奥の谷川連峰はまだ真っ白だ。Aかすかに硫黄のにおいがする透明な湯=3日、湯沢町B(所在地などの説明は地図の下に)
(そして次に、Aの画像の右横に、温泉地や近くの観光地などの説明が、これも同じポイントで以下のように横書き・横2段である。)


 ●越後湯沢温泉 宿泊施設は16軒、日帰り入浴可の施設あり。湯沢町内の町営共同浴場5軒。無料の足湯3ヶ所。▽雪国の宿 高半 約800年前に源泉が発見された同温泉の発祥。川端ゆかりの「かすみの間」を保存展示。映画「雪国」(57年)を毎日2回上映。37室。1泊2食付き1万2750円〜。(電話の絵記号)(025・784・3333)。
● 雪国館 豪雪地帯の生活や文化を紹介する歴史民族資料館。駒子のモデルになった芸者・松栄が住んでいた置屋の一室を移設展示する。川端が愛用した着物や時計、「雪国」をテーマにした日本画なども。(四角い囲いが付いた「前」)9時〜(四角い囲いが付いた「後」)4時半。(四角い囲いが付いた「水」)休み。500円、小中学生250円。(電話の絵記号)0588-85-1110。
● ぽんしゅ館 越後湯沢駅にある物産販売店。約100銘柄の新潟産地酒をそろえ、500円で5銘柄の利き酒ができる。特産の菓子も。「酒風呂 湯の沢」(800円、小学生400円)は日本酒を入れた内風呂。12月中旬までは(四角い囲いが付いた「前」)9時〜(四角い囲いが付いた「後」)6時(湯の沢は10時半〜5時半)。
● 【問い合わせ】湯沢町観光協会(025-785-5505)。

【所在地】 湯沢町
【交通】 越後湯沢駅から徒歩すぐ〜約20分。関越道湯沢インターから車で5分〜10分ほど。
【泉質】 塩化物泉、単純温泉、硫黄泉