鯵ヶ沢温泉 (青森県)   (大鰐弘前ICまたは浪岡IC→R101)

 夏、奥州秘湯めぐりの旅をした。4日目、乳頭温泉を出発し、たつ子像がある田沢湖を一周する。湖の向こうに、秋田駒ヶ岳が綺麗に見えた。その後、国道341号を北上し、鹿角八幡平から大鰐弘前まで高速を走り、鯵ヶ沢に向かう。急なため予約が取れなかった「不老ふ死温泉」の北東50kmに行った所である。

 途中、弘前城の辺りで「ねぶた祭り」の山車を何台も見ることができたが、「津軽富士」と称される岩木山は、雲が幾重にもかかりぼんやりとしか見えなかった。250kmほど走行し、宿泊地には明るいうちに着くことできた。港を見下ろす高台に建つ、変わった外観の目立つ宿であった。

 鯵ヶ沢温泉は、青森県西部の岩木山北西に位置する、日本海に面した津軽西海岸にある温泉地である。西の深浦にある有名な「不老ふ死温泉」へは1時間ちょっと行くことができる、便利な所だ。

 この鯵ヶ沢は、中世に歴史と文化が花開いた海都であったという。津軽平野で産出する米の一大集散地となっていて、津軽藩の御用港として栄え、敦賀・大阪・京都からの西廻り航路によっても、木綿・雑貨などと共に文化の風がいち早く伝えられていた。明治に入ってからもニシン漁が盛んで、北前航路の寄港地としても繁栄を続け、西の異文化も取り入れられ、町には賑わいと華やかさがあったようだ。

 与謝野晶子の歌に乙女たちは胸を熱くし、山高帽や島田がゆれるお茶屋・花街があり、紳士は人力車に乗り、霧笛が包むガス燈の下で逢引をした。馬車が走るハイカラ文化があり、舶来物がエキゾチックな、カフェの窓辺や鹿鳴館のような所で紳士・淑女が語らうといった、青森県内で最も早く洋装が取り入れられた街であったようだ。

 温泉の湧出量は400g/分(動力揚湯)。泉質は、(含鉄-ヨウ素-)ナトリウム-塩化物-強塩泉(高張性中性温泉)39℃.pH7.3、赤茶黒色・無臭(微ヨード臭)で、濃い塩味がする。湯宿は、同系列のものが3軒ほどある。日帰り入浴については確認していない。 

 周辺の見所として、十和田湖・弘前公園・竜飛岬・斜陽館(太宰治記念館)・ねぶた祭りなどがある。
 翌日は、不老ふ死温泉を訪れた後、八甲田の酸ヶ湯などに立ち寄る予定である。

鯵ヶ沢温泉へのドライブ
▼ 東北道-大鰐弘前ICより-R7-県道-弘前城(弘前駅の西)-
▼ 岩木山南麓-嶽温泉-鯵ヶ沢駅-R101北東すぐで
大鰐弘前ICより所要80分(京阪神からは所要15時間)
▼ 浪岡ICからでは津軽道-R101-五所川原-鯵ヶ沢で60分。鉄道では、JR奥羽線-弘前駅-五能線-五所川原駅-鯵ヶ沢駅-徒歩。

弘前ねぶた祭
温泉施設 鯵ヶ沢温泉 ホテルグランメール山海荘
鯵ヶ沢温泉 ホテルグランメール山海荘

【泉質】 (含鉄-ヨウ素-)ナトリウム-塩化物-強塩泉(高張性中性温泉)39℃.pH7.3。湧出量400g/分(動力揚湯)で、主成分は、Na 9158・K 53・Ca 277・Fe 0.9・Cl 14100・Br 31・I 3・SO4 20・HCO3 165 mg/kg。赤茶黒色・無臭(微ヨード臭)、濃い塩味がする。
【施設】 鯵ヶ沢駅北東で国道近くの、海を見下ろす高台にある欧州の城のような8階建ての近代的な宿(79室)。名称は、フランス語で「Grand(偉大な)Mer(海)」を表すらしく、女性好みのゴージャスなホテルである。レトロに包まれた懐かしい大正浪漫の香り・伊達気分が漂っているかのような所である。「鯵ヶ沢に月がのぼれば、魚もまた恋に浮かれ、海も波立ち、喜びに色も変わる」とある、懐かしい港町の洋風居酒屋「倶楽部アムール」も再現されている。すぐ近くには、同系列の湯宿「ホテル山海荘」「水軍の宿」もある。温泉施設は、洋風羅馬風呂または和風ガラス張り大浴場(庭園の向こうに雄大な日本海の眺望)・ジャグジー・サウナ・日本海を見渡す屋根付き石庭の露天岩風呂(日本海に沈む夕陽が美しい)がある。食事は、鯵ヶ沢漁港とれたての魚介類・津軽の山菜を使った会席料理・豚すきやきなど。オプションの栗のような形のウニ・イトウのお造り・サザエの壺焼きは各々\1,000〜\2,000。P200台。
【評価】 ★★★★☆(2009.08)洒落ていて女性好みの宿である。
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【所在】 西津軽郡鯵ヶ沢町舞戸町鳴戸1
【電話】 0173-72-81113
【時間】 ?:00-?:00。
【料金】 【入浴】日帰り?。【宿泊】\18,900-。
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